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転生したら袋でした。  作者: kakeru
2/12

Lv.1



ふと意識が浮上した。


・・・あれ、俺いつ寝たっけか?

思い出そうにも、記憶に霞がかって何も浮かんではこなかった。


そして、目に移り込む物に首を傾げ・・・ようとして、出来なかった。

はて?

視界に映るのは、俺より背の高い草と、空だけ。

視線を動かしても、草と空だけ。

え、俺寝転んでんの?

でも、身体は一向に動かせない、というより感覚がなかった。え、どうなってんの?

当たり前だけど、匂いも感じない。鼻機能してんのか?


ここはどこだ?

俺は一体どんな状態なんだ?


すると、俺の意識にステータス?のようなモノが認識される。


そこからこんなことが読み取れた。



―――

ずた袋(Lv.1)

スキル:惰眠

―――



うん、わかった。

俺人間じゃなかったわ。

袋生を楽しく謳歌・・・・・・なんて出来るかー!

なんだ袋って。

なんだずた袋って!

せめて綺麗な袋にしてくれよ!

しかもLv.1!2にあがったら綺麗になんのか?


んで惰眠って何。

スキルなんて項目で期待させといて惰眠とか。




色々出来ることを探した結果、惰眠を貪ることしか出来ないことがわかった。

マジなんも出来ない。

知的生命体に拾って貰わないとどうしようもない。

出来れば可愛い女の子に拾って頂けると嬉しい。

では寝よう。世界の皆様おやすみなさい。






あれから、どれくらい経ったのか、目が覚めると視界が上下に揺れている。どうやら何かに運ばれているようだ。

視線?を上に向けると少女と呼ぶに相応しい女の子が、俺をしっかり握りしめて歩いていた。薄汚れているものの、可愛らしい顔をしていた。

きっと俺の願いが届いたに違いない。

神様ありがとう!


草原を抜け、木々が疎らに生えている場所を通り過ぎ、一軒の家・・・家?小屋?に辿り着く。

そして、あろうことか俺は水の中に放り込まれた。ついで全身を揉まれる。

もうお嫁に行けない・・・(涙)

そして、思い切り絞られた。うん、体に穴が開くかと思った。もっと丁寧に扱って!お願い!(必死)

それが終わったら、紐にぶら下げられた。

おうふっ

女の子は、俺を見て満足そうな顔をして小屋に入って行った。


風に靡く俺。


お願いします。お家に入れてください・・・


当然入れてもらえることはなく、そのまま朝を迎えた。

袋に優しくない世界のようである。




さて、俺と女の子との日常なんぞ語っても楽しくはないだろう。

大体、草原やら林やらに赴いては食料を採取し、それを俺に入れてお家に帰るだけである。そして時々水浴び(不本意)をする。それだけである。


ねぇ、レベルいつあがるの?

どうやったらあがるの?誰か教えて!

いつまで俺はずた袋なんだーっ



そして、そんな楽しい(当社比)日常は唐突に終わりを迎えた。

なんと、夜明け前に突風で紐から吹き飛ばされたのだ。


俺はとうとう鳥になったんだ・・・!(現実逃避)


え、どうすんのこれ?

どうしようもないよね?

すまん、少女よ。強く生きてくれ!


空高く舞いながら(何でこんなに舞い上がってるのか不明だが)どこに落ちるのかだけが気がかりだった。

是非とも人里へ・・・!

神様、お願いしますよー!





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