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影勇者の魔王殺し  作者: 勇者
長いプロローグ
8/25

影勇者は決闘する

「はあ、マジで俺と戦うのか? 今の颯天じゃ俺には勝てないぞ。下手したら死ぬぞ。」


最後の忠告をしてやった。すると颯天の聖剣が光り、颯天が鎧に包まれていた。


「俺が負けるはずがないだろ。なぜなら勇者だからね。」


そうか、これは神の与えしチャンスなのか。ここで颯天を殺して第三の魔王になるチャンスか……なんて思考はアホがすることだ。今ここで颯天を鍛えて俺が楽する。これこそ俺らしい思考


「おいおい、俺に剣が届くと思ったら大間違いだぞ。」


事実、俺は魔法が使える。オーガリザードマンの魔法を覚えたし


「光烈斬!」


颯天が聖剣を振った。すると光の斬撃が地面を抉りながら飛んできた。


「なんて技だ………聖剣ってチートなのか。」


咄嗟に避けて出た言葉だ。正直死ぬかと思った。こんなに死ぬかと思ったのは三次元立体戦闘の訓練以来だ。


「シュウヤ、私はシュウヤの契約精霊だから私も……」


「バカ! 颯天とはあまり魔法は使わん。近接戦闘でこてんぱんにしてやる。だから正直邪魔でしかない。」


言うと簡単に引き下がった。


「秋夜、俺と剣を交わさないんじゃないの?」


「バーカ、良く見ておけ。いずれこんなやつに命を狙われるだろうからな。」


暗殺術其の一、『絶歩』

気配を遮断し、音を無くして歩く


暗殺術其の二、『陽炎』

相手の視線を一瞬外し、視認されなくする。


暗殺術其の三『終夜』

全く気づかれず攻撃……頸動脈を切れる。


「大人しく降参しろ」


颯天の首筋にナイフの切っ先を向けた。普通だともう颯天は死んでいる。何も出来ずに絶命している。


「卑怯だぞ秋夜! 真っ向から勝負しろ! 」


「気配に気づかない颯天、お前が悪い。真っ向からやっても一緒なのだが」


「秋夜の勝利条件は鎧の破壊、俺の勝利条件は膝をつかせるだ。」


普通は不利だと思う提案を颯天がしてきた。だが俺は普通じゃない。元の世界でも、この世界でも


「いいだろう。鎧を破壊すれば良いんだな。」


そう言って鎧に魔法陣を描いた。そして離れ、唱える


解除(アンロック)


魔法が発動した。すると光り輝いていた鎧が色を失い壊れ、落ちた。


「え!?」


いきなり壊れたのに驚いたのだろう。実は俺もできるかどうかは半信半疑だったが成功した。本来この魔法は《マジックキャンセル》という名の魔法を消す魔法を弄っただけの魔法だ。聖剣に効くとは自分でも思わなかった


「じゃ、俺とレイティアとエリナはもう行くが」


「うっ、待ってくれ。」


「くどい。颯天、今お前を殺すのは簡単だ。そこで見物している騎士団長二人もあわせて三人で俺を殺しに来ても逆にお前らが死ぬ。強化人間を舐めるな。つい最近努力したやつが昔から努力したやつに勝てるわけがない。早く強くなって魔王を殺せ。そして俺を元の世界に戻してくれ。じゃ、俺は行く。」


目でレイティアとエリナに行くぞと伝えて歩いて裏門を出る。颯天は膝をついたままだ。全く、どうせ成長チートがあるのだからさっさと訓練を始めれば良いものを……


「片割れ殿、少しお手合わせ願えますか?」


無表情な赤い髪の騎士団長が先回りしてきて言ってきた。恐らく騎士団長二人もあわせて三人で俺を殺しに来ても逆に死ぬ。って言ったのが原因だろう。だが事実は事実。


「拒否だ。結果は分かる。颯天の二の舞だ。」


「そうはいきません。あなたは私たちを愚弄しました」


「はぁ、じゃあエリナ、レイティア、また見といてくれ」


俺はため息をつき、エリナ達が離れたのを見て魔法陣を描いた。その魔法陣は俺のオリジナル。俺とレイティアだけが使える魔法。俺とレイティアにしか使えない魔法。特有魔法だ。魔法名は《罪の血(ギルティーブラッド)》らしい。本当は魔法陣を描かなくとも発動はできる。だがしない。なぜなら実力の差を思い知らせるからだ。


「《ブラッドレイン》」


血が降る。だがその血は槍のように硬い。つまり血の槍の雨だ。


「特有魔法……なるほど、さっきのは本気ではないということですか。でもこの特有魔法……どこかで……」


騎士団長が血の雨を剣で弾きながら言ってくる。だてに第一騎士団長を名乗るだけはある。


「《ブラッドブレード》」


弾かれた血の槍の雨が液体になり、手に集まり、1つの少し大きめの片手剣となった。


「そうか。どこかで見たと思えば、あの闇の精霊が使っていたものですか。ということはあなたの特有魔法は別にある。でもまだ使わない。否、使えないのですか」


ほう、これ以外にも使えるようになるのか。


「そうだ。とりあえずこれも終わらせる。俺の勝利条件はその鎧の破壊か?」


剣を回しながら言う。5mくらい離れているから攻撃されてもすぐ回避できる。だから余裕をかませる


「それでもいいですが、私の勝利条件は?」


「もちろん、膝をつかせるだ。颯馬じゃないから他の魔法を使わせてもらう」


「本当に騎士を侮辱している。けれども、力があるのは確かです。」


「一国の姫さんがこうも脳筋とはな。メティス・オキナ・クロード。グレイもきっと泣いているぞ。」


「知っていたのですか……知っていて私と戦ってくれるとは、その敬意を評して精霊を使って戦わせてもらう。」


そう言って騎士団長メティスは腕の刻印に手を当てて詠唱した。精霊を召喚するのだろう。


「レイティア、向こうも精霊を使うんだ。俺もレイティアを使う。来てくれないかな」


エリナと見物していたレイティアを呼んだ。嫌がるかなと思っていたが、嬉しそうにこちらへ来た。


「ーーオキナーー」


メティスも詠唱を終え、精霊を召喚した。その精霊の姿は歴戦の戦士と思えるほど屈強だった。かっこよくいえば白銀の騎士だ。


「オキナねぇ。なるほどな。契約した精霊の名がミドルネームになるのか。ってことは俺はミドルにレイティアと入るのか。」


朝に資料室に籠ってこの世界のこと学んだんだがな。勉強不足だったようだ。


「そうです。オキナ、あれになってくれください。」


メティスが言うとオキナが頷いたそして剣になった。


「そんなことできるのか。レイティアもできるか?」


「当然できるわ。私はあの剣精霊とは違って闇精霊だから何にでもなれる。使いたい武器を想像してくれればなってあげるわ。」


じゃ、お構いなく想像するか。この世界に合わせた銃をな。


「何それ? シュウヤ、面白い武器を想像するわね」


どうやらこの世界には銃は存在しないらしい。ま、文献にも載ってなかったし普通かな。


「頼んだぞ」


レイティアは頷き想像した通りの二丁銃になった。が、想像もしていないのに服が変わった。漆黒のロングコートに身が包まれていた。


「まさか、精霊魔装も使えるとは最近来たばかりなのに呑み込みが異常ですね。どうですか、私の下で働きませんか?」


「姫さんの下で働くなんて嫌だな。俺は早く元の世界に戻りたいんだ。そんなこっちで過ごす覚悟なんてしたくないね。」


「そのためには魔王を倒さなくてはなりませんが、勝てますか? 私たちも挑みはしましたが、兵が削られるだけで向こう側の戦力を落とすことができませんでした。その時指揮をしていたのは魔女です。魔王はそれ以上に強いことになる。」


「それがどうした。魔女ごときに遅れを取っていると恥をさらしたいのか?」


「違います。どう戦うのか聞きたかっただけです。だから言ました。」


「俺は戦わない。戦うのは勇者である颯馬だ。俺じゃない」


「……そうですか。では」


言った瞬間メティスは消えた。と錯覚するほどの速さで間合いを詰めてきた。それに反応して銃口を向けて撃った。メティスは避けたが収束された炎が魔法陣なしで放たれたことに驚いていた


「なんだそれは」


「企業秘密だ」


そして三発撃った。避けれないと判断したメティスは剣で炎を斬った。


「なっ!?」


驚愕の声を上げたのは俺ではなくメティスだ。なぜなら、剣に氷が付着したからだ。


「言い忘れたが、今のは氷炎だ。当たると凍る。」


言った後、メティスとの間合いを詰め、脳天に銃口を向けた。


「チェックメイト。俺の勝ちだ。あ、動かない方がいい。動いたら、血の槍が降るよ」


メティスは目を見開いた。今の少しのやり取りの中、気づかれずに今いる場所以外の空中に血の槍が待機しているのを見たからだろう。


「敵いませんね。オーガリザードマンの魔力を無傷で切らせただけあります。」


と、嬉しそうに一人で喋っている。


「見られていたのか……」


不覚だな。だが、あの時の逃げろというのは演技なのだろうか


「あの時は助かりました。オーガリザードマンを追い払ってくれなければクーファも私も勇者も死んでいたと思います」


最後に追い払ったのは俺だが解放したのも俺なんだがな。


「とりあえず行ってもいいか? グレイに旅に出るといっておいてくれ。」


「了解しました。しかし、宮廷魔導師、しかもその中でも最も優秀なエリナも連れて行くのですか?」


「そうだが? なあに、他国を蹂躙しようとか思ってないから安心しろ。」


「あなた方のパーティはそれを行えそうだから怖いですね。」


「この国は蹂躙するかもしれんがな。」


「なおのこと性質が悪いです!!!」


「冗談だ。しかし考えてみると、この国の最高戦力を持って行っちゃうことになるのか。ドンマイ」


「他人事ですか。安心してください。この国の最高戦力は父様です。エリナではありません。だから行っていいです。ないとは思いますがピンチの時はまた助けてほしいです。」


「報酬次第だな。行くぞエリナ、レイティア。」


メティスに背を向け、エリナのもとへ行く。レイティアは銃の形状から戻し、ちゃんと精霊の姿だ。言い忘れていたが俺は無限魔力だから支障はないが精霊を実態のままいさせるには魔力が必要らしい。普段は精霊界なる場所にいるらしい。だからメティスは詠唱をして精霊を召喚した。それを言うとなぜレイティアは霊体とはいえ契約者もなしで長期間いられたかというと自分の魔力だけを使っていたと思われる。聞いていないからあくまで推測だが。


「現金ですね。」


とのメティス独り言を聞き流し目的地(ドラゴンジュエルというギルド)へ向かう。その途中で気付いたことだが姫さんとの対決で俺は鎧を破壊しなかった。つまり勝っていない。ということはいずれまた勝負をさせられるだろうと





別に決闘じゃないよね。正々堂々じゃないもん

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