影勇者は反撃する
「なるほど、下の名前のないゾーラと名字と名前が入れ替わっている心はあの妙な操る魔法にかからなかったのか。だが、他は全員操られているのか」
「ああ、その通りだ。シュウヤもそうなんだろ?」
「それもあるが偽名を名乗った。次はあのゴミ野郎の魔術兵装だが分からないのか?」
「それについては私わかります! 私の魔術兵装のこのメガネ、相手のステータスが分かるんですよ。しかもさっきまでと同じで探知もできますよ。そうだ! 秋夜さんのステータスを」
「やめてくれ。あまり自分の事は晒したくない。さて、早速だが問題が発生した。この城を出ようとすれば城の屋外にいるあれに狙い撃ちされる」
指を差した先には一人の女性がいた。あれはエルフらしく耳が尖っている。スタッフを持っているところから魔法を扱うというのがわかる。
「ナギだな」
「ナギさんですね」
「久しぶりに見たなナギ・パルディオス。魔導十師団全員の集会以来だから………3年だのう」
「俺は初めて見たな。エルフすら初めてだ。っておい。なぜグレイがここにいる」
いつの間にか一人増えていた。逃げたはずのグレイが初めからいたような顔をしてここにいる。
「それはまあ道に迷ったりしての………シューヤ、そんなことよりあいつはどこに行ったのじゃ。倒したのか?」
「いいや、逃げた。意外と足が遅くてな。簡単に逃げれたよ」
「秋夜さん、誰ですかこの人?」
さっきから黙っていた心が入ってきた。ゾーラは顔をしかめてグレイを見ている。
「俺の国の王様。今の護衛対象だ」
「ち、やっぱりそうか。見たことのある顔だと思った」
「グロウヴィルの若造が偉そうに物を言うのう」
「今はそういうのは止めてくれ。こんな面子なんだ。いっそのこと制圧するか?」
「兵を傷つけたくない。オレとしてはゴミを排除して一件落着ってのがいい」
「了解だ。それじゃあとりあえず」
「ナギ・パルディオスの相手はワシがやっておこう。シューヤらは先へ行っておけ」
俺が言うより早くグレイが言った。それになんの反論もせずに俺以外の二人が頷いた。
「分かった。止めても無駄だろどうせ。それだったら暴れてこいよ。本気出して殺すなよ?」
俺の言葉にグレイは頷き、外へ出た。それと同時に轟音が響き、グレイのいた場所にクレーターができた。
「俺達はゴミ掃除だ。ほっといて先に行くぞ」
「え、でも……」
「メガネの能力を使え」
その言葉を聞いて使ったようで驚いた顔をしている。
「単純に魔力だけで防御を……」
「人間兵器の名は伊達じゃないな」
心に続いてゾーラも言う。そんなのを放って歩き出すと二人は付いてきた。
………………………………………………
しばらく歩いていると心が強い魔力の反応がある的なことを言ったのでそれに案内させると壁の前にいた。
「で、どこにいるんだ?」
ゾーラが心をジト目で見つめながら言った。
「この先ですけど………行き止まりですね」
「そうだな」
「秋夜さん壊せます?」
「ああ、ちょっと待ってくれ」
少し助走をつけ、思いきり蹴った。すると魔法陣が浮かび上がり、無効化された。
「どういうことだ?」
ゾーラが心の方を見て言う。
「えと、魔法の障壁ですね。これ簡単に解けます。ただ解くのにはグレイさんでしたっけ? あの人並みの魔力、常人が数十人必要です」
「どうすればいいんだ?」
「思いっきり魔力を流すんです。すると無効化しきれなくなって破壊されます」
その言葉を聞いた直後に実行する。両手の銃を片手で持ち、空いている方の手で触れて流す。
「秋夜さん、多分無理かと……」
心が言った瞬間魔法の障壁がつぶれた。大分魔力を喰われたが俺には関係ない。
「え……!?」
「心もこれぐらい魔力があったらなあ……」
心の驚きとゾーラのぼやきが同時に来た。それになんの反応もせずもう一度助走をつけ、思いきり蹴る。ドンッ という音と同時に壁が壊れた。
「行くぞ。ゴミを駆除する時間だ」
「あの障壁を破るなんて、すごい魔力を持ってるんだね。でもあれを壊したんだから相当疲弊してるんじゃない?」
「はっ、あんなの一部にすぎない。俺は絶対に魔力量は知られない。ゴミなお前程度じゃあ俺の実力を計るなんて無理だ」
「貴様ぁ! 殺す! バカにしやがって!」
壊して入ると同時に待ち構えていたゴミが売り言葉を発してきたので買い言葉を発しただけなのにキレてきた。こいつ能無しだな。
「おい玉座を返してもらうぞ。クソ野郎」
「私、サポートしかできないんで頑張ってください二人とも」
「バカにしやがって! 最初から本気でいってやる!」
「「魔術兵装」」
ゾーラと敵の魔族が同時に言った。それと同時にゾーラには紫色の大剣が装備された。
「|大地を切り裂く呪われし剣」
今のが大剣の名前らしい。国名が剣の名前。そんなことより、あの剣から伝わってくる殺気がヤバイ。
「いくぞレイティア」
『この時のために魔力を練っておいた。やってしまえ』
「OK」
両手に持つ黒と白の銃の銃口が発光する。練りに練り込まれた魔力が解放された証拠だ。ゾーラの大剣に劣らないぐらいの魔力が出ている。
『全制限解除
|魔を裁く漆黒と白銀の制限なき断罪者』
レイティアの中二すぎる技名と同時に放った。なぜ俺が技名を言わなかったかは恥ずかしいからだ。
とにかく膨大な魔力に満ちた漆黒と白銀の一撃が飛んでいく
「先を越されたか」
ゾーラの声が聞こえてきた。だが俺は集中して敵の様子をうかがう。ここにずっと籠っていたんだ。こういう対策はされているだろう。
「予想以上に高い……だが所詮はこの程度!」
敵の指が動いた。それと同時に俺とレイティアの一撃の軌道が上へ変わり、天井に穴を開ける。
「まあこんなもんか。レイティア、小さいのを連続して撃つぞ」
『わかった。好きにしてくれ』
今の一撃で仕留めれなかったのがショックだったのか少し元気がない。
「今のを避けるのは想定内だ。というか跳ね返してくるのも想定していた。上に飛ばされたのは本当に良かった」
『どういう意味だ?』
レイティアの返事に「後でわかる」と返して銃を構える。構えた瞬間にゾーラが走った。ここからが本当の戦闘の開始だ。もちろん心は不参加だが。




