麓花
知らなかったのだ
凛と立つ、
その場所を
こだまが教えてくれるまで
気づかなかったのだ
風に揺れる、
その姿に
やまわろが教えてくれるまで
気高さが欲しいか?
可憐さが欲しいか?
稀少さが欲しいか?
偉大さが欲しいか?
何一つ望んではいないのだろう
云われるまで
解りもしなかった
唯一願うのは、
他ならぬ視線に
無意識の言
飾り立てた賛美でなくとも
大袈裟な賞賛でなくとも
唯一望むのは、
誠真の葉
透き通る朝の雫のように
零れ落ちて輝くことを