殺人事件編 第一話
今年もあとわずかだなぁと、つい思ってしまう12月の上旬のこと。
大学生の俺、小玉 剛はなんにもすることがなく、炬燵に入ってぼんやりと過ごしていた。
と、そこへメールが来た。
ケータイのバイブ音が唸る。
びっくりして、一瞬、心臓の鼓動が高鳴る。
「やれやれ…この音はなかなかなれねぇな…」
そうつぶやきながら送られてきたメールを確認する。
From.畠山 雅哉
件名.
本文.よっ!ひさしぶり!!このメールに気づいたら電話くれ!
--------------------END------------------------
はぁ〜、あいつは。まるで変わってないな。俺らが卒業した三年前と。
心のそこから思いつつ、持ってるケータイですぐに電話をかける。
…rrrr……rrrカチャ
「よぉ、しばらく!」
「おおっ、ダマさ〜ん!しばらく!!」
「本当にひさしぶりだな。ハタケ。んで、話はなんだ?」
「んーとねぇ…、実はさ今ダマさん家の近くにいるから行ってもいいかな?」
「あぁ、いいよ。おいでおいで。待ってるから。」
「あいよ〜、んじゃ☆」
「おぅ!」
プチッ………ツーツーツー…
このやりとりを見てもらえばわかるが、ハタケとは高校からの友達だ。
いや、友達じゃ収まらない。あいつの前では決して言わないが、親友だ。
そして、中二病。あいつもあれさえなければ…。
ピンポーン。
ん?ウチのチャイムが鳴った。
ハタケ?いや、まさか…。まだ電話を切ってから20秒たったかそこらだ。
とりあえずでなくては。
「は〜い!今行きますー。」
サンダルに履き、玄関のドアを開ける。
冷たい冷気が体を舐める。服の上からでもとても寒い。
そこに立っていたのは…
ハタケ。
満面の笑みのハタケ。と、もうひとり。
こいつのニヒルでクールな顔には見覚えがある…。
思い出した。神童と呼ばれた新野…!
こいつは頭良いから、みんなで神童ってよんでたっけ。
「おぅ…ひさしぶりだな。とりあえず、外寒いから上がれや。」
二人「お邪魔しまーす!!」