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家庭料理

作者: せおぽん

カナデの作るカレーは絶品だよ。


ノボルは、私の作るカレーをとても褒めてくれる。

実は、そのカレーは肉じゃがが上手くいかなくてカレーにアレンジしたものだ。


最近、オムライスが多いね。大好きだよ。


実は、卵焼きの味に満足できず仕方なくチキンライスを包んだだけだ。


あ、今日はシチュー?いいね。隠し味が味噌って天才じゃないの?


実は、元は豚汁である。


どうやら、私は日本の家庭料理が苦手らしい。子供の頃、両親が共働きで忙しく家庭料理らしい家庭料理を食べた事がないからだろう。


レシピ通りに作れはする。でも、ノボルかあまり喜んでくれないのだ。


ノボルに、このお味噌汁普通だね。と言われてから私は普通の家庭料理が作れなくなってしまった。ノボルは父子家庭で、彼も家庭料理に飢えているはずなのに。


私は、意気消沈しながらキッチンの時計を見る。もう、こんな時間だ。何も準備していない。もうすぐノボルが帰って来るのに。私はあり合わせのもので何かを作ろうと、冷蔵庫を漁り急いで料理に取り掛かった。


「ただいまー」

予想より早くノボルは帰って来た。あり合わせの野菜とカマボコをフライパンで炒めたものしかない。

「いい匂いだねー」


「ごめんね。ノボル、ご飯まだ作ってないの」

「え?、出来てるじゃない」


そういうとノボルは、丼を2つ出してご飯をよそいフライパンのあり合わせ炒めをご飯の上にのせた。

「こっちがカナデの、こっちが僕の。マヨネーズかける?」

「え?これでいいの」

「いいよ。お父ちゃんのご飯を思い出すよ。さあ食べよう」


ああ、そっか。家庭料理はその家の味だ。あの味噌汁はレシピ通りのよその家の味だ。だから、ノボルは普通の味だと言ったんだ。私達は、私達夫婦の家庭の味をつくっていけば良いんだな。

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