第7話:催眠と現実(催眠オナニー:サイニー)
経済状況や人間関係に囚われず、幸福にオナニーを行う時、束の間、彼は自分勝手になり、自由になる。誰にも邪魔されず、気を遣わず、人体という小宇宙の深淵へ降りていく孤高の行為であるオナニーとは、現代人に平等に与えられた究極の癒しと言えるのである。
ある日、鳴海のスマートフォンが震えた。 画面には「金山」の名前が表示されている。
「よぉ、鳴海。今夜空いてるか?」
聞けば、大学時代の仲間・豊橋が上京してくるという。
「久しぶりに三人で飲もうぜ」と金山が言う。
豊橋——鳴海にとっては久しぶりの名だ。彼とは大学の同じサークルに所属していたが、卒業後は連絡が途絶え、存在を思い出すことも少なくなっていた。
「豊橋か……懐かしいな」
そう呟きながら、鳴海は金山と待ち合わせるいつもの居酒屋へ向かった。
―――
居酒屋ののれんをくぐると、金山がすでに出来上がっていた。
「おい鳴海、遅ぇぞ!」
相変わらずのテンションだ。
隣には、頭を丸坊主にした豊橋が座っていた。 だが、髭はそのままで、メガネの奥の三白眼も昔と変わらない。
「久しぶり、鳴海」
「……お前、坊主になったのか?」
豊橋は静かに頷いた。
「実家の寺を継いだんだよ」
それを聞き、金山が大げさに驚くふりをする。
「お前が坊主? 大学時代、酒と女とバイクしか興味なかったくせに?」
豊橋は苦笑した。
「まあ、人間変わるものさ」
その後、三人は大学時代の話に花を咲かせ、店の酒が進む。 やがて、豊橋がふと、面白い話を始めた。
「最近、宗教と催眠に関する文献を読んでいるんだが……」
「催眠?」
鳴海は思わず聞き返した。
豊橋は頷く。
「なぜ人はカルトに傾倒するのか。その要素の一つに、催眠効果があると言われている」
「宗教と催眠……つまり洗脳みたいなもんか?」と金山が口を挟む。
「そうだな。人は暗示に弱い。そして、ある程度のルールやリーダーを持つことで、安心する生き物なんだ」
金山は興味深そうに聞いていたが、やがてお決まりの流れに持ち込んだ。
「そういえば、お前にとっておきの音声を用意したぞ、鳴海」
「またASMRか?」
「違う、今回は催眠音声だ」
金山によれば、催眠音声は通常のASMRとは異なり、自らを精神衰弱の状態に導くことで、ペニスに触れずに絶頂できるという。
「しかも、慣れると射精せずに何度でも果てることができるらしいぞ」
鳴海は呆れたように笑う。
「またオカルトじみた話だな」
「まあ、試してみる価値はあるんじゃねえか? 俺はお前の成長を見届けたいんだよ」
そう言って、金山は酒をあおった。
―――
帰宅すると、スマホが震えた。 案の定、金山から音声ファイルが送られてきた。
「全く……」と呟きながらも、鳴海は興味本位でファイルを開く。 シャワーを浴びた後、ワイヤレスイヤホンを耳に装着し、再生ボタンを押した。
―――
「……リラックスして」
最初に流れたのは、柔らかく妖艶な女性の声だった。 導入音声は、まさに催眠術そのものだ。
「あなたは今、心地よく眠くなっていきます……ゆっくり……深く……」
心の中で半信半疑のまま聴いていると、カウントダウンが始まる。
「10……9……8……意識がゆっくり落ちていく……」
何度も繰り返される誘導音声に、鳴海は不思議な浮遊感を覚えた。
―――
本編音声に入ると、音の雰囲気が一変した。 低音が響き、まるで胎内にいるかのような感覚が生まれる。
「あなたは快楽の中に沈んでいく……もっと深く……」
囁くような女性の声が、何度も何度も繰り返される。
鳴海は目を閉じた。 どこか遠くへ意識が漂っていくような感覚がある。
だが、完全には没入できない。
「意識のどこかで醒めた自分がいる……」
鳴海は、催眠状態に入ろうと努力した。 だが、そのたびに、自分の理性がそれを阻む。
―――
やがて、解除音声が流れ始めた。
「ゆっくりと意識が戻ってきます……」
導入の逆で、現実へと誘導する言葉が続く。
鳴海は、イヤホンを外し、大きく息をついた。
「これは……」
彼は、ふと考える。 もし、この催眠音声に素直にトランスできれば、世の中の複雑なことを考える必要がなくなるのではないか?
もし、自分が催眠にかかりやすい体質だったら、もっと楽に生きていけたのではないか?
「あるいは……この声が桜の声だったら?」
不意に、そんな考えが頭をよぎる。
桜の、あの明るく無邪気な声。 もし、彼女の声で催眠にかけられたなら——。
鳴海は、目を閉じる。 そして、別の考えが浮かんだ。
「本当に催眠術にかかっているのは、今の俺なのではないか?」
仕事をし、日々のルーチンに縛られ、人間関係に疲れながらも、それを「当たり前」と思い込んでいる。
「もしかすると、俺は社会という催眠術にかかっているのかもしれない……」
鳴海は深く息をつき、スマホをベッドの脇に置いた。
静寂の中、彼は、今日の出来事と、催眠の余韻に包まれながら、ゆっくりと眠りに落ちていった。
―――
こうして、鳴海の夜は更けていった。 催眠に落ちることができなかった自分。 社会という催眠にかかっているかもしれない自分。
「俺は……本当に、目覚めているのか?」
その問いに、答えはなかった。
//この小説は100%AIにより執筆されたものです//
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今回のプロンプト
■7話のあらすじ
・悪友の金山から鳴海に、連絡がある
・大学時代に同じサークルだった豊橋が上京してくるという
・鳴海は、いつもの居酒屋で、金山、豊橋と会って飲む約束をする
・10年以上ぶりに会う豊橋は、頭を丸坊主にしており姿は随分変わったが、髭を蓄えているのは愛変われずで、メガネの奥から覗く三白眼の眼光も変わらずだった
・聞くと、豊橋は実家のお寺を継いだのだと言う。
・三人は、大学時代などの取り止めのない話でしばらく盛り上がる
・だいぶ酒が回ってきた頃、豊橋が面白い話を始める
・宗教と催眠に関する文献の話だ。なぜ、人はカルト化したがるのか、してしまうのか
・普段の仕事ではなかなかできないアカデミックな話に興味を持って聴いていた鳴海と金山だったが、金山がお決まりの下ネタを切り出す
・金山は鳴海に、今回もお前にとっておきの音声を用意した、と言う
・鳴海は、またASMRかとうんざりするが、金山は違うという
・それは、ASMRの中でも、催眠に関する音声だと言う
・金山が言うには、自らを精神衰弱の状態に陥れることで、ペニスを直接触らずとも、絶頂できるのだという。しかも、慣れてくると射精を伴わず、何度でも果てることができるというのだ
・催眠音声には、導入音声、本編、解除音声の3つがあるという
・導入音声で催眠状態に入り、本編で絶頂にいたる。そして、解除音声で現実世界に戻ってくるのだという
・鳴海は、オカルトな話に半信半疑だった
・帰宅すると、スマホがバイブレーションした
・案の定、金山が催眠音声を送ってきたのだった
・シャワーを浴びてから、鳴海は、興味本位でその音声を聞いてみることにする
・導入音声は、まさに催眠術。リラックスすることと、自分が快楽に落ちていく準備をしていることをなん度も繰り返し、妖艶な女性の声で刷り込まれる
・催眠術でよくある、カウントダウンも何回も行われる
・本編音声では、まるで胎内にいるかのような低音の上に、女性の喘ぎ声や、絶頂に至ることを最速する言葉が何度も何度も繰り返されている
・解除音声は、導入音声と逆。現実に戻っていくように、何度も導かれる
・鳴海は、なんとかその催眠にかかって絶頂を迎えてみようと努力はするものの、意識のどこかで醒めた自分がおり、うまく催眠状態にかかることはできなかった
・イヤホンを耳から外しながら、あるいはこういう音声で素直にトランスできれば、自分もカルト化でき、物事を考える労力も必要なく、生きていかれるのだろうか、と考える
・また、催眠の音声の声が、あるいは桜の声であれば、自分は女性の胎内に戻るかのような心地よさに包まれ、絶頂できたのだろうか、と考えてしまったりする
・鳴海は、本当は今の自分こそが催眠術にかけられており、当たり前のように仕事をさせられていたり、人間関係のしがらみに悩まされているのではないか、などと考えてしまうのだった。