告白しないよ
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
同性愛者の方って、私以上に人を見てると思うんですよ。
危ない橋は渡らないように、多分誰よりも人を見てる。
私の友人は同性愛者だった。異性に恋愛感情を抱けない。同性にしか触れられない。だからと言って、私に対して恋愛感情を抱く訳でもなく、関係は平行線を辿っていた。
二人だけで遊んだ時、決まってするのは恋バナだった。他の友人が混ざると、やはりこの手の話題は触れにくいらしく、私といる時だけ積極的に花が咲く。
何時も嬉しそうだった。二人きりで遊んだ時の事を、子供の様にはしゃぎながら話す。
向こうから誘ってくれた。とか、一緒にご飯食べた。とか。そんな普通の話だけれど、楽しいのならばそれで問題ない。
だからこそ、こんな事を投げ掛けた。
「告白したの?」
「し……してないよ!!」
まぁ、告白して縁を切られてもう会えない。なんて事になったら多分立ち直れないだろうしな。そう内心思いながら視線を逸らす。
難儀だなぁと思う。異性愛者じゃなければ、余計な心配もしなさそうなのに。
「ノンケだもん」
「……本人が言ってたの?」
普通態々『異性愛者だ』と宣言する様な人はいない。ある意味普通とも取れる事を態々人間は口にしない。だからその宣言をするのは決まって自分が『同性愛者だ』と宣言した時にかぎれるだろうが。
私の疑問を予期した様に、彼女は口を開く。
「……私の事を動き回るから『マグロ』って言ったり、映画○○見て、『二人の関係が分からない』って言うぐらいだよ?
だから異性同性問わず、そう言った話に興味が無い。私が告白しても、混乱させるだけだと思う」
その言葉を聞いて、思わず目を丸くした。
マグロと言ったら裏の言葉は不感症。○○は所々に女性が女性に片思いしてる場面。何方もある程度知識があり、気遣いの出来る者なら、積極的に話題に上がるものではない。
恐らく、安全牌を取りたいだけだろうが、よく見てるな……。
「だから良いんだ。ずっと仲の良い友達で。貴方は理解者で。進展あったらまた報告するよ。君は偏見ないし」
「そう」
其れも一種の関わり方の一つだろう。キスとかそれ以上の事をしなければ、女子同士ならば普通の事だし。あぁ、でも……その子、嫌がりそうかな。
そう言って寄り添い合いながら、また映画を見た。熱心に場面を解説して、『気付かないのはノンケ!!』と目で語る姿は少し面白かった。
同棲愛者って、異性愛者よりも人の事を見てると思うんですよ。
一歩間違えれば、取り返しがつかない話題だと思うので。
友情崩壊した。みたいな話もよく聞きますしね。
そんな子が理解ある子にカミングアウトして、恋バナになった話。
些細なことですが、此処からそもそも異性愛問わず、恋愛事に興味がなさそうと気付いたのは鋭いと思います。
でもそうしないと余計な傷を負うんだろな。
主人公ちゃんとは良き友人です。
彼女の一喜一憂を面白がってそう。
悪くない関係だと思います。