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ゆめのけむり  作者: またたび
第1編 英雄 第1章 夢のはじまり
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第4話


目覚めが悪い。頭も痛い。


そしてなんか煙っぽい。


火事かと思い部屋を確認したが何も燃えてはいなかった。


そして煙の元には、見たこともない生物がいたのだ。


「やあ」


「お前しゃべれるのか…」

「ああ、君の夢、とても美味しい。」


「今すぐ出ていけ。」

「そんなこと言わないでよ。怖いなぁ。」


「…お前は一体なんだ??」


そう聞くとケラケラ笑いながら答える。

「僕はディスパー。美味しい『夢』を求めて気付いたら君のもとにたどり着いた。にしても君の夢はとても美味しい。」


「…夢が美味しい?」

「ああ、ぼくは人間の夢を食べるのさ。君の夢は本当に美味い。感謝しているよ。」


そういえば、夢を食べる幻獣に(ばく)というのがいる。

幻獣なのだから、存在するわけがないのだが。


「これは夢か??夢の中なのか??」

「夢の中じゃないよ。それより、『仕事』というものをやりに出かける時間じゃないのかい?」


時間は7時。

こいつ…


「…仕事はしていない。」

「そうなの?人間というのは、生きるために『仕事』をしてるって前に会った人間が教えてくれたんだけど。」


「もういいだろ、早く出ていけ。」

というか、どうやってこの部屋に入ってきたんだ??


「なんか君って、怖いね。そんなんじゃ『英雄』になんてなれないよ。」


何を言っているんだこいつは?


「いいから出てけ!!!」

「はいはい。怖いね~。でもまた君が夢を見る頃にまたやってくるよ。君の夢はとても美味しいから。」


そういうと、一瞬にして姿を消した。


「何だったんだあいつは…」

夢を食べるってなんだ。それにあいつの口ぶりだと、まるで俺が見た夢の内容を知っているような…


気持ち悪い。


夢の中の自分を見透かされているようで気持ち悪い。


…たかが夢の話だ。なにも気にすることではない。


しかし、こんな早い時間に起きるのは珍しいな。


なにを考えたのか家を出て周辺を歩いてみる。


これから仕事に向かうであろうスーツ姿の人間ばっかりだ。


数十メートル歩いて、すぐに家へと戻る。


起きて数十分しか経っていないにも関わらず、なんかすごい疲れた。


なにもする気が起きない…


…こんな一日、早く終わってくれ

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