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11話 魔王と私

「起きろ、ミリーナ」


その声と共に私は目を覚ました。

起きたと同時に私は首元に違和感を覚え手をのばした。


これは、腕?だれの?

私はおそるおそる顔をあげると、そこには夢でみた魔王がいた。


「ふむ、やっと目が覚めたのか」


え、なに?今もしかして魔王にお嬢様抱っこされていたの?


え?てかなんで魔王がここに?

私大男と戦って倒れてその後夢をみて......


「さすがに混乱しているようだな、俺が教えられることならなんでも教えよう。何が知りたい?」


知りたいことね。

そうね、まず大前提のことを聞いてみようかな。


少しだけ冷静さを取り戻してきた私は魔王の行為に甘え聞いてみることにした。


「まずは礼を言うわ、ありがとう。それで聞きたいことなんだけれどあなたは魔王という認識でいいのよね?」


「ああ、そうだ」


魔王は短くそう答えた。


「そう、やっぱりね。じゃあ次の質問ね、なんで私の名前を知っているのかしら?」


私は教えてもない自分の名前を知っているのを不思議に思い聞いてみた。


「ふむ、それを話すにはお前が見た夢の続きを話す必要がある」



*************


魔王と10歳のミリーナはさきほどまでいた広場から遠く離れたとこにいた。


『魔王さん、私あの大男が言っていたみたいに世界を崩壊させてしまうんでしょうか?』


10歳のミリーナは不安そうな顔で魔王に聞いた。


『俺が救い出してみせよう。何も心配することはない』


『で、でも!』


10歳のミリーナがその続きを言おうとした時。


『ほう、あの魔族なかなかはやいではないか。あと数分でここに着くな、仕方ないさっさと始末しにいってやろう』


魔王は遥か遠くにある山の方に目線を向けて呟き、飛行魔法を使うため足に力を入れた。


『ああ、ところでお前、名はなんという?』


魔王に突然名前を聞かれ焦った10歳のミリーナだがすぐに


『わ、私の名前はミ、、ミリーナ・グライアです!』


『ミリーナか、良い名ではないか』


魔王は心なしか笑ってそう言うと、10歳のミリーナのおでこに指をあてる。


『<スリープ><記憶消去><転移>』


魔王が魔法を発動したのと同時にミリーナは眠り、ここよりさらに遠いところに飛ばされた。


そして自分が世界を崩壊させる可能性を秘めていることを思い出さないように記憶も消去された。




空を飛びながら、魔王はある人物に声をかけた。


「リン、聞こえているか」


魔王は配下であるリンに話しかけると青白く光る球がでてきた。


『はい、魔王様なんでしょうか?』


「お前に頼みたいことがある、俺はあの大男を倒した後、1000年後に起こるとされている他世界との衝突を止めにいかなければならない。だからお前にミリーナを一時的に任せることになる、自然な形でミリーナに近づきサポートを頼む。そしてそのうちミリーナは神血の影響でもっと強いものと戦いたくなるだろう、そしたら俺の名前を餌にして俺のところに来い」


『承知しました魔王様。では至急行ってまいります』


リンはそれだけ言うとミリーナのもとに向かい、自身がダンジョン報酬という形でミリーナの前に現れるまで、陰ながらサポートに徹した。


************


「1つだけ質問いいかしら?」


魔王が頷く。


「魔王あなた話では、あの大男を殺しにいったのよね、なのに何故あの大男は今日私の目の前にあらわれたの?」


「すまんが俺も詳しいことは分かっておらぬ、俺が向かっている途中いきなり反応が途絶え、殺すことができくなってな」


反応が途絶えた。

魔王が嘘をつくはずもないし。

もしかして魔王がさっき言っていた他世界との衝突が関係してたりするのだろうか。


「まぁいいわ、あいつはもう倒したんだし。それよりも私覚醒するのよね、どうやってそれを食い止めるの?」


「ああ、そうだな。解決策として覚醒しきる前に俺の血をお前の中にいれる、つまり<神血>を破壊するために俺の血<魔王の血>をお前の体内に入れるということだ。これがどういうことか分かるか?」


私は魔王が言わんとしていることを理解する。


「大丈夫よ、それで世界が崩壊しないようになるなら激痛ぐらい我慢してみせるわ」


私がそういうのを見て、魔王は指を1本上げた。


「血を入れる前に1つだけ朗報をくれてやろう、今回見事に激痛を耐え抜き<神血>が破壊されたとしても、お前が戦闘狂である事実が変わることはない。もうすでにそれは頭の中に刻み込まれているからな」


「そう、需要なことを聞けて良かったわ。さぁ始めましょうか」


私は安堵とともに、決意を固めた。


「当時のお前に血をいれていたら間違いなく死んでいただろうが、今のお前ならば耐えることができるはずだ」


魔王はナイフをとりだし自分の指を切った。


「痛くない?」


「ああ、お前の痛みに比べれば大したことはない」


私の体に魔王の血が触れる。


一瞬の間隔を置き、次の瞬間声すらだせないような激痛が全身を巡った。


私は立つことが困難になりその場に崩れ落ちた。



************


あれからもう何時間たったんだろうか......。


私はもういっそ死んだほうが楽だと思えるような痛みを味わい続けていた。


そして遂に一生続くのではないかと思われていた時間は意外にもあっさりと終わりをむかえた。


「よくやった、ミリーナ」





~数ヵ月後~


俺はいつものように机に向かい仕事をしていると


 コンコンコン♪


扉をノックする音が聞こえてくる。


俺が「入れ」と言うために口を開けようとした瞬間


 ガチャ


扉が開いた。


静寂といっても差し支えない空間に声が響いた。


「魔王様、今日はどこの誰と戦えるんでしょうか?」

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