10話 神血
『ミリーナ聞こますか?ミリーナ?』
女の人が私の名前を呼んでくる。
はい、はい、そんなに名前を言われずとも聞こえてます!
『あう、あう!』
へ?私の声とは別の方から声がしてそちらに目をやる。
『おお、ミリーナさまが今お母さまの言葉を理解しましたよ!』
お母さまと呼ばれている人の隣にいる侍女ぽい人が興奮したようのに言った。
ミリーナさま?
私はお母さまとよばれてる人と侍女ぽい人が見ている方向を見るとそこには赤ちゃんがいました。
なに?この空間は?
なんであの赤ちゃんが私になってるの?同姓同名?性別は分かんないけど、さすがにミリーナって名前で男の子はないと思う。
ていうかなんで誰も私に反応してくれないの?
そんなことを思っていると急に視界がぐにゃーんってなった。
私が目を開けると、そこには大きなテーブルがあり4人が食事をとっている場面だった。
『ミリーナ今日こそはパパと一緒に遊びにいくぞ!!』
『いやです、今日もおうちで魔法の勉強をします』
『そこをなんとか、たまにはミリーナと遊びたいんだよ』
今の会話から推測するに、あのミリーナと呼ばれている5歳ぐらいの子供が私だとして、あの人が私のお父さん?
いや、違う。私のお父さんはもっと......
もっと......あれ?お父さんってどんな顔だった?
私は思い出そうとするのだけどどうして思い出せれない。
必死に思い出そうとしていると、また視界が歪んだ。
私が目を開けるとそこは......
広場だろうか私があたりを見渡すと
中央にお父さんとお母さんが倒れており、そのすぐそばに10歳ぐらいと思われる泣いている私がいた。
そしてつい先ほど戦った大男がいた。見た目も全く同じ。魔族はそういうものなのだ。
大男の手には血が付いた剣が握られている。
『なんでお父さんとお母さんが殺されないといけないの!』
さきほどまで泣いていた10歳の私が大男に聞くと、
『ふむ、それはなお前が<神血>を持っているからだ。良いか、<神血>を持っているやつは、いずれ己の力に制御が効かなくなりすべてを破壊しつくす。だから本来なら生まれた瞬間にでも殺さなくてはならないんだ、だがこいつらはそれをしなかった。こういえば分かるかのう?』
10歳の私は今言われたことが理解できないのか理解したくないのか黙っていた。
大男はさっさと終わらすかと思ったのか
『せめてもの情けだ楽に死なせてやろう』
大男は剣を振り下した。
私は10歳の私が殺されると思い、大男に攻撃をしたがその攻撃は大男を通り抜けて消えてしまった。
今の私では干渉できない以上万事休すかと思ったが、
大男の攻撃が10歳の私にあたろうとした瞬間光が放たれた。
10歳の私が毎日毎日練習していたであろう魔法だ。
大男は突然のできごとに剣を離してしまった。
10歳の私は逃げてもどうせ殺されると思ったのか、大男が怯んでいる間に剣を取り自分のすべての力を使い大男めがけて振り下ろした。
そのときには、既に大男の目は見える状態になっており、いつでも避けれる状態であったが避けなかった。避ける必要性が無かったのだ。
なぜなら、いくら<神血>を持っていようとまだ覚醒前、つまり大男の体に剣があったたところで仕留められるわけがないのだから。
その事実を証明するように10歳の私が放った剣はいともたやすく弾かれた。
そしてその事実に10歳の私はどうやっても自分には死しかまっていないんだと悟りその場に座り込んだ。
大男は剣を持ち座りこんでいる私のもとに行き、剣を振り下ろした。
『死ぬがいい、<神血>をもって生まれてきたものよ』
誰もが死んだと思う場面。
現に私も10歳の私そして大男もそう思った。
だが10歳の私は死ななかった。
『貴様何をしている』
そう威厳のある声が聞こえてきた。
その男の手には10歳の私の首を跳ね飛ばすはずだった剣が握られていた。
『誰だ!?なぜ<神血>を持ってる者を庇う?』
『<神血>をもっていようがこいつは人間だ』
『お主は馬鹿か?覚醒する前に殺しておかないと、この世界自体が崩壊しかねない。しかもお主が今そいつを庇ったとて、いつかそいつにいつか殺される日がくる。それなのに何故庇う?』
『そうだな...。俺が魔王だからだ」




