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ごくあく魔王 と あんさつメイド の た・て・な・お・し?  作者: 功野 涼し
3+1で4なのじゃぞ

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 目標は決まっているし、宣言も出来る。だけどもそこに至るまでの計画や道筋なんかは漠然としか決まっていない。そんな魔王がどのようにして今日まで様々な業績を上げてこれたのかと聞かれれば、答えは目の前にある。


「貿易でピンポイントで得るのは難しい品がありますね。これなんてあからさまに武器ですから、個人で輸入すればギルドなどから怪しまれる可能性があります」


 オレガノから聞き出した、ダンジョンの漠然とした構想から導き出した品目をローリエが説明する。

 こと細かく聞き出すローリエのそれはお話を聞くではなく、厳しい事情聴取でありその辛い尋問を受け終え椅子に座っているオレガノは目を回して天井を見上げている。


「大方、社長に相談してアドバイスをもらってから、あとは自分でやれると豪語したんだろぜ。無計画にもほどがあるだろ」


「まったく、オレガノ様の口から「貿易したい」なんて、高度な言葉が出る時点で怪しいんですよ。うちたちにバレないとでも思ったのならおめでたいものです」


「お二人ともそんなに責めないであげてください。私たち巻き込みたくないとおっしゃってましたから、オレガノ様なりに必死で考えたんだと思います。ほらっ、武器いっぱい必要とか、勇者を落とし穴に落とすとか、なんの意味もありませんがオレガノ様らしくて可愛いじゃないですか」


 散々な言われようのオレガノの目から一粒の涙がつぅーとこぼれる。


「計画はずさん極まりないですが、理には適っていると思います。四人を分散させ各個撃破する。さらにダンジョンという閉鎖空間に連れ込むことで、罠でダメージを稼げますし、援軍なども防げるなどこちらに有利な状況を作れるはずです」


「確かにそうなんだけど、そもそもあのとんでもない勇者たちをどうやって攻略するって話よね。閉じ込めたところでどうにかなる相手でもないと思うんだけど」


「そこでここの書いてある魔力の弱体化を図るって計画だろ。どうやってやるかは分かんねえけどよ」


 クミンたちが意見を交わし次々とオレガノが話した漠然とした計画を形にしていく。回していた目から元に戻ったオレガノはそんな二人と一羽をじっとみつめる。


 今となっては可愛らしい大きな瞳になってしまったが、その瞳にかつて魔王になりたてのころの気心しれた仲間たちとの語らいの記憶を映す。


「まだ泣いているんですか?」


 いつの間にかオレガノに近づいていたクミンがハンカチで、オレガノの目元を拭く。


「確かにきついことを言ったかもしれませんが、うちたちに相談もなしに黙って物事を進めようとしたオレガノ様が悪いんですよ。そもそもお金をうちの借金に頼ろうとしてる時点で、浅はかなんですけど」


 先ほどまでとは違い、責めはしているがどこか柔らかい口調のクミンにオレガノはしゅんとする。


「まあまあ、オレガノ様も反省していますからそんなに責めてあげないでください。ところでオレガノ様、今まで勇者のお話でいつか仕返ししたいと言うことはありましたけど、具体的に倒そうだなんて言ったことありませんでしたよね? やはり、魔王ノルデン様のことと関係があるんですか?」


 ローリエが優しく尋ねるとオレガノはきょとんとした目でクミンたちを見つめ、やがて瞳を揺らして目に溜まった涙を流し始める。


「余は……余はこうして生きているのにじゃ。だけどもノルデンは命を落とし、余に全てを託したのじゃ。あやつの最後の思い、勇者から魔族を守ってほしいと……」


「だからどうにかしようと思って社長にコッソリ連絡したんだな……いや、社長から連絡が来たと言った方が正しいか。じゃないと、他の俺の仲間と接触なんてできねえはずだからな」


 サフランの言葉にオレガノは潤んだ目と、唇を波打たせた泣き顔で頷く。


「アンジェリカからも頼まれたのじゃ……勇者をどうにかしたいので力を貸して欲しいと相談されたのじゃ」


「なんでアンジェリカさんがそこまで関わってくるのです? あの方はハヌマーン商会の社長であり、ダンジョン経営のトップですよね。確かに勇者の存在は目障りかもしれませんが、危険を犯してまで、表立って潰しにいく理由が分かりません」


 クミンの問にオレガノは首を振って、自分も分からないと訴える。その様子に呆れるクミンの目の前に、サフランが翼を広げ言葉を遮る。


「社長と連絡が繋がった。ダンジョンの詳しい計画も、なぜ関わるのかも本人に聞くのが早いだろ」


 そう言ってサフランが自分の頭をポンと叩くと、目が光って空中にモニターが映し出される。


 モニターに映ったアンジェリカは泣いているオレガノと、クミンたちを見て状況を察したのか大きく息を吐く。


「「なにかあったの? なんて誤魔化せる状況ではなさそうね。察するになぜ私がオレガノに勇者討伐を頼んだかでしょ?」」


 真剣な表情で見つめるクミンたちから察したアンジェリカの発言に、クミンたちが頷くとアンジェリカはゆっくりと口を開く。


「「単純なことよ。魔王ノルデンは私の祖父だから、その敵討ちってこと」」


 アンジェリカの口から出た思わぬ言葉に、クミンたちは驚きの表情を見せる。

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