[EPISODE1]CHAPTER8-THE CITY
〔THE CITY|中央島|中央区|スラント四丁目|クラブスラップウェイト|PM 15:19|アトシマツ〕
清掃員組合の組合長である【アリス・アッシュクロフト】は、自身のトレードマークであるグレーのキャスケット帽を人差し指でクルクルと回しながらクラブスラップウェイトを見やる。
◇ー◇
アリス・アッシュクロフト / Alice Ashcroft
性別:女
年齢:20代
職業:清掃員組合・組合長
特記:THE CITY重鎮の一人 THE CITYの清掃女神
◇ー◇
「これまた派手にやったわね。死体に弾痕、空薬莢の清掃はサービスしておくけど……そこそこの値段になるわよ。支払いは都市共通電子通貨か現金か……」
アリスはそこで一旦区切り、二階堂はそんなアリスを怪訝な表情で見やる。
「それとも個人的にニカイドー君への清掃でもいいわよ」
右手の人差し指と親指で輪を作り、舌を出して前後に動かしながら二階堂に聞く。
「都市共通電子通貨で頼む」
二階堂は気にするそぶりを見せず淡々と返答する。
「つれないわね……毎度あり」
◇
〔THE CITY|中央島|中央区|シークル三丁目|ラプソディムーン|PM 9:13|ジゴホウコク〕
お姉様は、洗ったばかりのウイスキーグラスをグラスタオルで拭きながら二階堂とアルフィンを見やる。二階堂は牛乳と白桃のピューレを混ぜ合わせたモクテルを飲み、アルフィンはウイスキーをストレートで呷る。
「それは大変だったわね」
二階堂の報告を聞きながらお姉様は労いの言葉をかける。
「まあ、この街ではよくあることですよ」
「そうそう。それでも勘弁してほしいけどね」
グラスを傾けながらも今この瞬間の時間をゆったりと噛みしめながら二階堂とアルフィンは苦笑する。
「じゃあ、私からも報酬として料理を一品サービスするわ。好きなのを頼んでちょうだい」
二人の苦労を、過去を知るお姉様は、二人を優しく見つめる。
◇
〔THE CITY|中央島|中央区|シークル二丁目|トーカイビル五階|PM 11:00|キタク〕
アルフィンをベッドに寝かしつけてから、二階堂はベランダに出る。
「……まったく……この街はキツイことが多すぎだ」
電子タバコを吸いながら街の夜景を見やる。煌びやかな電気の光が夜にも関わらず街を明るく照らす、眠ることを忘れてしまったかの様。
「姉さん……どこに行ったんだ……」
二階堂は、夜空を見上げながら呟く。
◇
あの街。それは多くの人種、多くの人間、多くの犯罪組織が欲望に身を投じる人工島の上に出来た地球上でもっとも最悪な犯罪都市。これはそんな犯罪都市の日常の一部。
[EPISODE 1 CLOSED]
EPISODE 1
完結!!
な、長かった……。
4話構成で起承転結をつけれるかと思ったら倍の8話構成に……。
無計画すぎだ!!!!!
一応今更ですが本作は犯罪都市を舞台とした日常系です。
ちょいちょい「小説家になろうでは見せられません」な表現があったと思いますが、言わせてくれ。
「小説家になろうでは見せられません」な行為でもしないと犯罪都市でやっていけるわけねーだろ!と
とまあ、そんなこんなで次のEPISODE 2はどうしようか考え中。
……風呂敷畳む事ができるのか?