[EPISODE1]CHAPTER3-DRAG QUEEN IN BAR RHAPSODY MOON
〔THE CITY|中央島|中央区|シークル三丁目|ラプソディムーン|AM 10:31|アイサツ〕
シークル三丁目にある酒場、ラプソディムーンにはTHE CITYを取り仕切る重鎮の一人がいる。
トラブルが絡む場合はその人物に話を通すのが中央島での暗黙の了解だ。
そんなラプソディムーンのバーカウンターでシェイカーを振る筋骨隆々なドラァグクイーン、筋肉で黒のナイトドレスは盛り上がっているが、客はその人物のことを気にしない。
カランカランとドアベルが音を立てて扉が開く。
「いらっしゃい……ってあーら久しぶりねぇニカイドーちゃん、それにアルフィンちゃんもぉー。半年ぶりかしらぁ」
「久しぶりです、【お姉様】」
「マスター、お久しぶりー」
お姉様と呼ばれたその人物は照れながら二階堂とアルフィンを迎え入れる。
◇ー◇
お姉様 / The God Sister
性別:不明
年齢:五十代
職業:BARラプソディムーン・マスター
特記:THE CITY重鎮の一人 中央島の守護神
◇ー◇
「んもぉー、シ・ン・シ・アって呼んでよぉー」
お姉様は源氏名で呼ばれて欲しかったようだった。
◇
〔THE CITY|中央島|中央区|シークル三丁目|ラプソディムーン|AM 10:44|ヨウケン〕
「そ・れ・で、要件はメイベルちゃんの持ってきた話の事かしら?」
ヒラヒラとメイベルが持ってきたのと同じ封筒を振りながらお姉様はアルフィンと二階堂に聞く。
「ええ、場合によっては血が流れる可能性もあり得るので……」
二階堂は一セント硬貨をカウンターの上に置きながら答える。
「……わかったわ。なにか必要なことがあれば言いなさい」
「ありがとうございます。何かあれば連絡を入れます」
二階堂は軽く頭を下げ、店を後にする。
アルフィンも軽く頭を下げる、二階堂の後を追う。
お姉様と書いてゴッドシスターと読め。
全然進展しねえなオイ!