1/4
プロローグ
大昔、とある一人の人間がいました。その人間は、悪い人間の手によって不老不死へと変えられてしまいました。彼女には、親しい人が次々と死んでいってしまうのが耐えられませんでした。彼女は不老不死へと変えた人を恨み、死にたいと考えるようになりました。そこで、彼女は名案……いえ、彼女にとっての名案が思いついてしまいました。
「終わった……何もかも……」
「助けて!」
「なんでこんなことに……」
そう叫ぶ者たちの周りは赤く光っていました。
皆、この「避難ルートを的確に潰して来た火事」に絶望していました。
誰もが生きて帰ることをあきらめていました。
ただ、皆というと語弊があるでしょうか。
そう、不思議なことにたった一人の人間が炎に囲まれながら笑っていたのです。
皆が絶望している中で笑っている彼女は、
まるで、作戦が成功したことを喜ぶような姿で笑っていたのでした。