異世界ハローワーク(仮)
暗く暗く深い谷底に落ち続けているような気分だ。
永遠と床が下にあり、絶対に足がつかない。
それがもどかしくて足を暴れ回す。
そうしてやっとの思いで足に感触を与える。
そうすると、骨が折れボロボロになる感触を与え吐きそうになる。
「おうえぇぇえうお」
とてつもない吐き気に襲われ視界に光が宿る。
気付けばそこは木造建築の家だった。
自分の家なら良かったんだけど、全く知らない家・・・・・・というか部屋だった。
俺は不思議に思い立ち上がった。
立ち上がって気づいたが、身体には赤くなった包帯が至る所に巻かれている。
寝ていた所から少し歩いてドアを開けた。
突き抜けの設計になっているのか、ホテルのような廊下があった。
手すりに捕まり歩いて行くと、階段がありそこを下ると
更にドアがあった。
何だこのからくり屋敷はと思いながらドアを開けるとそこには、
剣や杖とか持ってる人や、鎧で身体を固めている人達がいた。
俺はそこに立ち尽くしていると、背中がポンと押された。
そこに藍髪藍目をしたお姉さんがいた。
可愛い。ものすごく可愛い。
俺はその顔に見とれていると
「あー。やっと目覚めたの?キミ?」
「へ?」
「怪我人は休んでなきゃダメなのに」
「ですから」
「ギルドの前に突然現れて急に倒れて・・・・・・ホント何なのキミ?」
え?俺ぶっ倒れたの?何で?・・・・・・ってああ
俺どこかに転移したのか。
あの憎きどこでも⚫アめ。
ともかくここはJAPANじゃないの?
地球という青い惑星じゃないの?
俺見たのは初めに王様と出会って魔王討伐してきてくれとお願いされるゲームのはずなんだけど・・・・・・
「ねえキミ?聞いてるの?」
「え?あ、ハイ」
「キミは誰?」
お姉さんは声を強めて聞いてくる。
まっどうでもいいや!ここが地球じゃないことは変わりないし、
「あー圷智也です。よろしくお願いします。」
「ん、よろしくトモヤさん・・・・・・
じゃなくてキミは何で倒れていたの?キミは誰?」
ん?ハッ‼という事はこういう展開も出来るんじゃ・・・・・・
「ふ、HAHAHAHAHAHAHA、僕の正体ですか?
教えて差し上げましょう。僕は、というか僕の正体は・・・・・・
ドラゴンや数々のモンスターを屠ってきた伝説の英雄ですッ(キリッ)
とあるモンスターとの戦いで負傷してしまって。大丈夫です。
僕にとってこんなのかすり傷みたいなものですよ。」
「へぇぇ。それでキミは誰?」
いや、絶対コイツ信じてないだろ。
一応、ホントなんだからな。
ゲームの中の話だけど・・・・・・