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ミヤモトから君へ  作者: 無限の地平はみな底辺
1/1

この感触は、きっと剣

「マサツグ君、落ち着け!!

現実に帰れなくなるぞ!!!!」



そう呼びかけながらも、俺にはもう解っていた。

彼にはココしかないのだ。

少なくとも『現実』には彼の居場所は無かった。


しかし、彼が異世界と呼ぶこの空間だけは…

彼を許容した。

もうそれでいいじゃないか。



ああ、そうだ。

確かにこれは幼稚な妄想遊びに過ぎない。

だが、誰に彼を責める権利がある。




「初枝ぁ!!!  

テメぇ、調子に乗ってんじゃねええ!!!!」



やはり鳥田には我慢が出来なかったらしい。

拳を握りしめてマサツグ君へ飛び掛かろうとする。



マサツグ君は口を小さくモゴモゴと動かす。

相変わらず言葉は聞き取れなかったが、流石の俺でも彼が何を考えているのか予測できる。



「よせ鳥田ぁ!!!!!」



抜いてから、その感触が剣である事に気付く。

そして、眼前の鳥田越しに俺を睨みつけているマサツグ君と目が合う。




---------------------------------------------------------



やあ、マサツグ君。

こうやって、二人で向かい合うのは初めてだね。

俺、ミヤモトって言うんだ。




…ミヤモトから君へ。

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