第5章 蛮族の軍団7
やがて夕食の時間になって、みんなが集まった。そこでオークは、派遣された3人のドルイド僧を兵士達に紹介した。すると思いもよらず若く美しい僧侶に、皆の視線と関心が集まった。一時は若きドルイドに兵達が殺到して大騒ぎになってしまった。
そんな男達を黙らせるのは料理以外になく、皿が運ばれてくると、一同はそれぞれの席についてもくもくと食事を始めた。ソフィーはそれとなくオークの隣の席に着いて、食事を始める。
ソフィー
「みんな賑やかな人達ですね」
オーク
「信頼できる人達です。みんなよく働いてくれますから」
ソフィー
「事業は順調ですか?」
オーク
「滞りなく進んでいます。王から与えられた任務ですから」
ソフィー
「出世なさったのね。ネフィリムの心配はありませんか」
オーク
「一度襲撃に遭いました」
ソフィーがやって来るまでの間に、1度、ネフィリムが出現した。しかしその数は少なく、そこにいる全員が戦いに慣れた軍人だったため、戦いは速やかに終わった。負傷兵もほんの僅かだった。
ソフィー
「近いうちにお祓いをして結界を貼ります。森から不浄を払えば、ネフィリムも現れなくなるでしょう」
オーク
「できるだけ早く仕事を進めます」
ソフィー
「あまり無理をなさならないでくださいね」
オーク
「平気です。みんなよく働きますから。あなたが来れば、みんなもっと頑張るようになるでしょう」
ソフィー
「それはどういう意味ですの? ――オーク様はこの先、ここをどうなさるおつもりですか」
オーク
「王は砦を望んでいます。しかしそれにはまず人が住めるようにしなければなりません。戦が終われば、ここには人が集まり、街になります」
ソフィー
「素敵な考えをお持ちなのね」
ソフィーは少女のように目を輝かせながら微笑んだ。




