表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ロスト・フェアリー  作者: とらつぐみ
45/196

第5章 蛮族の軍団4

 長城はケール・イズ時代の繁栄を示す、壮大な建築物だった。高さ5メートルほどの石造り壁が東西へどこまでも続き、南北の進路を寸断していた。壁はずっと向こうの丘のさらに向こうへ続き、森を2つ横切って、最後には谷を前に終わっていた。


 もし南からの進撃があれば、必ずこの長城を通らねばならない。でなければ谷と不通の森を避けてずっと西側を迂回することになり、長い長い行軍を選ばなければならなくなる。


 しかし近付いてみると、そんな壮大さとは裏腹に、建物は古く、あちこちが崩れ、特に正面に大きな穴が開いて防御としての役目は果たしそうになかった。どうやら相当の戦を潜り抜けてきたらしい跡があちこちにあり、その後何年も修復されずに放置されてきたようだった。この辺りも地面がぬかるんでおり、今にも崩れそうな危うい小屋が3軒ほど建てられていた。



アステリクス

「オーク殿でございますね。よくぞ参られました。アステリクスと申します」



 オークたちが現れると、すぐに駐在する兵士が駆け寄ってきた。



オーク

「拠点はここですか」


アステリクス

「はい。こんな有様ですが、ここが一番ましなところなんですよ。これより東にも西にも調査に行きましたが、あるのはいずれも不浄の森ばかりです。神話の時代の人夫はよくもこんな場所にこれだけのものを作ったと感心します」


オーク

「当時、この周辺は栄えていたと先ほど聞きました。今はその時代の亡霊が住んでいるようですが」


アステリクス

「ハハハッ! 正直なお方だ。しかし暗くなると本当に亡霊が出ると噂されています。ことによると士気にも関わるので、使いの者に神官の派遣を依頼したところです」


オーク

「亡霊はともかく、死神なんぞが現れたら堪りませんからね。司祭が来たら、よく清めてもらいましょう。それでは現地の説明をしてください」


アステリクス

「はい」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ