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ロスト・フェアリー  作者: とらつぐみ
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第3章 秘密の里9

 夜が明ける。オークが村へと戻ってくる。村は緒戦の興奮から一転、食料庫が破壊されて悲嘆に暮れていた。



ステラ

「そちらはどうだった?」



 ステラがオークの側にやってくる。



オーク

「山賊の根城を焼きました。しかしこちらもやれれました」


ステラ

「…………」



 ステラの顔に迷いが浮かぶ。


 ステラの足下に矢が突き刺さった。村人らが騒然となる。振り向くと、森の入口に山賊が1人立っていた。


 オークは矢を引き抜いた。矢の先に、手紙がくくりつけてあった。


 オークは手紙を開き、文字を読む。



ステラ

「なんだ?」


オーク

「山賊は決着を望んでいます。場所と時間を指定してきました」


ステラ

「そうか……」


オーク

「私の策はここまでです。山賊も痛手を負いましたが、村も戦える者は少ない。ステラ。強情はここまでです。村を開いてください。仲間を求めてください」


ステラ

「……譲れぬものがあるのだ」


オーク

「ならば、ここで終わりですね」



 オークが立ち上がった。



ステラ

「どこへ?」


オーク

「山賊が指示した場所へ行きます。戦える若者は全員連れて行きます」

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