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第10章 クロースの軍団16
貴族達は会議室を出て、廊下を進む。が、角を曲がったところで足を止めて、ウァシオを取り囲んだ。
貴族
「ひどいじゃないか。命の危険はないと言ったのに! 私は死ぬのは嫌だぞ!」
貴族
「あの王は狂ってる! どうかしてるぞ!」
ウァシオ
「この腰抜けどもめ。甘えるな。殺される覚悟のないやつが政治などするな!」
ウァシオの一喝で、貴族達はうろたえて、押し黙ってしまった。
貴族
「しかし我々はどうすれば……」
貴族
「そうだ。このまま兵を召集すれば、我々が今の今まで進めてきた計画は……」
ウァシオ
「従えばいいさ。ただし、わかっておろうな」
貴族
「も、もちろんだ。そちらこそわかっておるだろうな」
ウァシオ
「案ずるな。私は約束を守る男だ。王とは違う。計画がうまくいけば、いい暮らしをさせてやるぞ。さあもう行け。まだ計画が終わったわけではないぞ」
ウァシオの命令に、貴族たちがぱたぱたと廊下を走っていった。




