奈落の先にて-Mituki Side-
古代遺跡。
今の魔法からは失われてしまった魔法技術の眠る場所。
私はある目的のためにウィアオーナ地方の地下に存在する古代遺跡に向かっていた――のだが。
人が倒れていた。
どういう経緯かは分からないが、よくこの地下空洞の中でも安全地帯であるここで倒れたなぁと思ったと同時に、何度か来たことのあるこの地で人に出会うのは初めてだなぁと思った。
しかし、それも束の間。
彼女は信じられないものを見た。
この辺りは魔獣を寄せ付けない聖の魔力が収束している。その影響を受けここらの水は治癒の能力がある。
それを彼は弾き続けているのだ。
魔法耐性なんてものではない魔法拒絶。
彼の体は外部からの魔法干渉の全てを拒絶していた。
魔法干渉を受けない。つまりは、莫大な魔力を保有しているがために入り込む隙がないのだ。
そんな彼が協力してくれれば――そう思い助けることにした。
とりあえず、あまり意味はないだろうが泉に彼の体を沈めさせ溺れないように膝枕で頭を水面より上に来るようにする。
そして、彼の容態を確認する。
彼は全身を怪我しており、もはや瀕死の重体だった。
今すぐにでも治癒をかけなければ危うい。
そこで、ふと思ったのが経口摂取。
外からの干渉は無理でも内側からならというものだった。
私の適正魔法は”光”。
この属性の中で派生させて作った治癒系統よりの魔法を発動する。
そのまま――
彼の口にキスをした。
まさか、こんなシチュエーションでファーストキスを捧げることになるとは思わなかったが、彼にならと思わなくもなかった。
彼の中に眠る才能に――いや、あえて言うなら化け物に一目惚れしてしまったのかもしれない。
予想は的中した。
彼に吹き込んだ魔法が彼の傷を癒していく。
どうやら、彼と私の魔力の相性は抜群のようだった。
驚くくらいに高速治癒を行ったからである。
あっという間に目を覚まし今は私と空洞を進む。
「そういえば、谷底の川に流されてあそこに辿り着いたみたいだけど、本当に繋がってるの?」
「さぁな。水に落下したところまでしか覚えてない。あぁ、あとはどうやったのか自分への重力を軽減していたような……」
「重力を軽減?」
ありえないと思って聞き返す。
しかし、彼はいたって真面目に
「いや、水面に落ちる直前に一瞬だが体が浮いたような感じがしたんだ」
彼はやはり異常だった。
重力を操る魔法など聞いたことがない。
それ以前に、外部からの魔法干渉を拒絶する体と、完全な固有魔法。
彼の進む道が茨道になることは明らかだった。
「重力を操る魔法。私は聞いたことがない。多分、貴方が最初の発現者」
「俺が最初か。なら名前を付けないとな。ただ、俺にネーミングセンスはない。代わりに付けてくれないか?」
「シンプルに”重力制御魔法”」
「OK。今日から俺のこの力は重力制御魔法だ。とはいえ、使い方が何もわからないんだが……」
「それは、ここの魔獣を相手にしながら私が教えてあげる。ただ、ここの魔獣は地上のものより何倍も凶悪だから気をつけてね」
こうして遺跡探索が始まる。
まずはじめに……
投稿直前になって読み返して「展開メチャクチャ早くね?」と私も思いましたよ。
実際、二つにパートに分けたとは言え短い文章で進み過ぎだと、もう少しゆっくり丁寧に書けなかったのかと。
でも、時既に遅し。
先の文を書き始めているので書き換える気力もなく、そのままの投稿になりましたorz
次回は後述しますが2週間後に更新する予定です。
今回は長めにゆっくり書いているので時間かかりそうですが、何とか間に合わせたいと思いますので改めてよろしくお願いします。
誤字、脱字は随時修正しますのでご連絡ください。
次回「第1~3階層【古代遺跡-ウィアオーナ地方編-〈上〉】」は一週空けて2015/08/15の18時更新予定です。
予定変更の場合は申し訳ございませんが、当日の予定時刻までにこのページの後書きを随時更新して書かせていただきますので、そちらで確認して下さい。
-2015/08/05追記-
あれぇ……ちょっとマズいなぁ。
更新予定日まで残り1週間と3日。
ちなみに、明日からちょいと1泊2日の旅行に行くわけだが、書き上がるのかこれ?
いや、ライトノベルをちょっと意識して、エ◯ゲのシーンタイトルみたいに細かくじゃなくて大きく分割して書かないとダメかなぁと思ったのだが、大きくしすぎたかもしれない。
現時点で9000文字越えてるんだけど1階層目書き終わってないや(*ノω・*)テヘ
「……。」
これ、2,3階層目で手抜きになるフラグじゃね?
そして、当然4階層目以降も……
――次回、「作者、死す……」
-2015/08/14追記-
とりあえず、明日更新します。
ただ、お詫びを――
タイトルを「訓練開始【古代遺跡-ウィアオーナ地方編-①】」に変更します。
書いている最中に階層まで意識してたら、まともなもん書けないだろ――と思ったので(・_・;)
文量は初の1万字超えです。
設定的に矛盾が出ているかもしれませんが、読み返した限りでは大丈夫だと思いたい。
基本設定以外は無計画に設定増やしてますからね。
その内、自分の中で整理しきれなくなってきているので自分のためにも、そして心優しい読んでくれている全ての方のためにも用語解説と人物一覧を一番最初に割り込み投稿させます。
実際問題、主人公の苗字忘れたり、紗耶香の苗字も名前も忘れたりしますからね(こんな立ち位置のキャラがいるというくらいにしか認識できていない)。
自分の無計画さはこれからも拍車をかけます。
これからも、広い心で見てくださると――
さて、これ以上書くと本編より長くなるので止めます。
あとは明日のあとがきで。
では、次回「訓練開始【古代遺跡-ウィアオーナ地方編-①】」は2015/08/15の18時更新です。