表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界召喚×魔族少女  作者: 古川一樹
変身と師匠
5/35

村探索 ☆

今俺は金貨1枚(約10万)を片手に武器選び中だ。

剣にするのは決めた。だが、どれにするか迷っている。

優柔不断な俺の態度に小太りの店主が話しかけてくる。


「坊主、剣を探してるのか?

それなら安くていいのがあるよ」


坊主じゃないし……

店主はオススメの商品があると店の裏から、

漆黒の両刃の剣。俺の身の丈程ある大剣の2つを持ってきた。

値段は銅貨2枚(約2万円)だった。展示されている商品より安い。

どうやらこの店の最低価格の商品のようだ。


「この剣は見事な切れ味を持っていてな。

片や切れ味抜群。片や破壊力抜群の代物だ!

戦闘にはうってつけの品だぞ。坊主。」


てか、この店主俺の事馬鹿にしてない?

なんか見るからに店内の商品よりちゃちいぞ。


「その剣私にも見せてもらってもいいかしら?」


エリルが店主の許可を得て訝しげに剣を見る。


「これ、よくできてるけど模造刀ですね。

それに金銭(約5千円)程度の価値しかないでしょう。これ。

ちゃんとした物を売って頂けないなら帰りますよ」


ちょっと強めの口調で怒気を込めている。


「いえいえ、当店はそんなセコイ商売はいたしませんよ。

この通りきれいに切れているでしょう。

模造刀ならばこんなものを切断できませんよ」


白を切るつもりか、店主は太目な薪を持ってきて試し切りをする。


「もういいわ。孝也、行きましょう。

女と子供づれだからって足元を見てくるような店で買い物なんてできないわ

せっかく金貨1枚で買い物をしようと思っていたのに残念です」


そう言って俺たちは店の扉に向かう。


「金貨いっ・・1枚・・・・ですと!!



も、申し訳ありません。お客様の目利き通りの品でございます。

只今極上の一品をお持ちいたしますのでどうかご覧頂けないでしょか」


こちらの予算チラつかせたらこの店主手のひら返しやがったぞ。

めっちゃ深々と頭を下げている。

そういえば、基本的に細かい法律は町や村が決めてるんだったな。

となると、相場もまちまちということか。

この世界だと相場や知識を持ってないと詐欺にあってしまうようだ。

こわいわー。エリルがいてよかったよ。本当に。


「適正な価格でちゃんとしたものを売って頂けるのかしら?」


「ええ。もちろんですとも。先ほどの無礼失礼いたしました。

重ねてお詫び申し上げます。

お客様程の利目をお持ちの方に嘘偽りはいたしません。」


日本にいた頃の接客を思い出すような丁寧な対応で店主言う。

駆け足で店の裏に行き、商品を持ってきた。

剣は2本。価格は金貨1枚(約10万)。予算ちょうどだ。


1つ目は、刃渡り60cmほどの両刃の西洋剣だった。

この剣は有名な鍛冶屋のネビル・ダンカンという男が作った名刀とのこと。


もう1つは綺麗な波紋を描いた日本刀だった。

三日月宗近みかづきむねちかというらしい。

どっかで聞いたことあるぞ?

有名な剣なのだろうか。

店主いわく、有名な鍛冶屋の出来損ないの息子が作ったとのこと。

名はアルバート・ダンカンと言うそうだ。


(こんなすごそうな剣。10万って安くないか?

現実の日本刀は確か100万とかした気がする。)


俺が疑問に思っているのがわかったのか。

エリルが「大衆店だから安めの商品が多いんだよ」と教えてくれた。


「両刃剣の方の価値は販売価格以上の価値があるのはわかりますが、

もう1つの剣は見たこともありません。

確かに、しっかりと作りこまれているようですがこの価格とは到底思えません。

それに、両刃剣の方は値段が安すぎますね。何か裏があるのかしら?」


「実はですね。こちらダンカン親子から個人的な依頼で販売しているものでして。

どうも親子で最高の逸品を作ったので、

同じ価格で同時に販売をしてほしいとの依頼がありまして……

当店で一番の逸品と言えばあのダンカン氏が作った剣しかございません。

ですが、依頼主の条件を無下にするわけにもいかず、

このように紹介させていただいております。」


店主がぺこぺこ頭を下げながら謝罪する。

名剣が格安なのも依頼があったらしい。何の目的があるのだろうか。

エリルも何か一瞬思案する様子を見せたが納得したようだ。


「この日本刀がいいな!」


俺は出来損ないの息子。アルバート・ダンカンの作品を手に取って言う。

男ならサムライに憧れるだろう?

日本刀で即決だと思った。


「1つ目の剣は名剣のようだけど、もう1本の剣は私も見たことないわよ?

確かに切れ味はあるようだけど、実戦で使いこなせるものとは到底思えない。

本当にこれでいいの?」


俺は大きく頷きながら、エリルに耳打ちする。


「この剣。刀って言って俺の世界の武器なんですよ。

まさかこっちの世界にもあるとは思いませんでした」


エリルも俺が納得しているならと買ってくれた。

先の失礼な態度のお詫びって事で結構おまけしてくれた。

"インベントリバッグ"とセットで銅貨2枚で買えたよ。

エリル恐るべし、金貨1枚から値切りすぎ。

まぁ店主もあの日本刀が売れ残ると思っていたらしく、

さっさと売りたかったようだ。


エリルにお礼を言うと、「どういたしまして」少し照れながら答えた。

店の外に出て刀を手に取り、軽く面を打つように素振りをしてみる。

刃長80cmくらいだろうか。三日月のような波紋がきれいな刀だった。

だから、"三日月宗近"って名前なのかな?


「おおー。なんか型にはまってる感じだね」


「ふふん。剣道を習った事がありますからね」


学校の必須授業でだけど……


「ケンドウって何?」とエリルは疑問そうだ。

俺の世界の剣術であると伝えると、


「平和な世界なのに孝也は剣術ができるの? すごいね」


「いやいや、学校……。違ったこの世界で言う学園? で皆教わるんですよ」


「どうして平和なのに剣術を習うの?」


わからないと首をかしげている。


「身体を動かすのが目的なんだと思います。たぶん……」


俺にもよくわからない。


=============================================================================


エリルは買い物があると言って、しばし別行動を取ることになった。

1人で歩き回るのも社会経験として必要だろうという彼女の判断だ。

1時間後に広場で集合ということで俺は村をブラブラしている。


俺は鳥のから揚げが3個串に刺さった食べ物を5本買った。

食べ歩きと言うやつだ。

とりあえず、市場を抜けて市街地でも見てみるかと考えていると――


「おらぁあ! 小僧てめぇ待ちやがれ」


俺の前方3ブロック先の露店のおっさんが騒いでいる。

おいおい、おっさんがこっち来るぞ!?

って、よく見たらおっさんの前方に子供が2人手を繋いで走っている。

子供に注視すると、服はボロボロの服を着ており、

全身は汚れに塗れ黒ずみかなりやせ細っていた。

子供の脚力じゃ、すぐに追いつかれるだろう。


「きゃー。やめてー」

「やめろ。放せ!」


案の定俺の1ブロック先で捕まっている。

足をジタバタさせてもがいているのが兄だろう。

妹の方は恐怖で瞳をうるませている。


「人のものを勝手に盗って無事に帰れると思ったのか」


怒鳴り声が市場を轟かせた。

子供らは恐怖に慄き震えている。

おっさんは商品を取り返すと、妹の顔面を一発殴った。

妹はうめき声と泣きじゃくる声が木霊する。


「○○に手をだすな。やめろー!」


兄が妹の名を呼んだのだろう。

兄の方の言葉におっさんは標的を兄の方に移して殴る蹴るを繰り返す。


「お兄ちゃんに手を出さないで。もうやめて。」


妹は痛む顔を押さえながら叫ぶ。


「うるせぇんだよ。クソガキが」


妹は蹴りを腹に喰らった。唾ともに胃液を吐き出す。

妹の方は今ので参ってしまったのか。

泣きながら「ごめんなさい」と連呼している。


子供のやったことだぞ?

口で叱れば十分だろう。いくらなんでもやりすぎだ。

誰か止めないのかと思い周囲を見る。

だが通行人たちは我関せずといった様子だ。


(止めに入るか?)


正義感が心を揺さぶる。

足を踏み出そうとするが、過去の記憶がフラッシュバックする。


=============================================================================


そうあれは中学の時。

俺の中学はその地域で一番荒れている学校だった。

卒業時には自殺者や中学生で妊娠する者まで現れる程だ。


1年生初めの頃、俺は先輩から目をつけられた。

殴った時の反応がいいからだとか何とか。特に理由はない。

殴る蹴るは当たり前。

毎朝靴にはゴミが詰まっていたり、遠征に行くと荷物がゴミ箱に捨てられていたりだ。

先輩に目をつけられた俺に友達ができるわけなく。

標的が自分に向かないように俺と関わる者は教室にいなかった。

孤独はつらいが教室の中だけは俺の安全圏だった。


2年生になって、同じバスケ部に所属するクラスメイトが先輩に命令されてか。

教室内でも俺をいじめるようになった。ここからが俺にとって本当の地獄だった。

なんせ逃げ場がなくなったわけだからな。

弁当を教室にぶち撒いたり、教科書に落書きや破かれるのは日常茶飯事だ。


最初は先生が助けてくれると思っていた。

でもそれは幻想だと知る。

先輩にリンチされていた俺は横を通る先生に助けを求めた。

だが、先生は一目俺を見るなり無言で通り過ぎる。

誰も助けてはくれないのだとその時ようやく悟った。


ならば自分を守るには立ち向かうしかない。

主犯格の先輩に殴られた時初めてやり返した。

今までの恨みの全てを込めて殴る。

いつも俺がやれるようにボコボコの痣だらけにした。


後日。俺は指導室に呼び出された。

5人の先生が俺の向かいに座っている。


「お前。正也(先輩の名)をいじめてるらしいな」


「いえ、やってません。俺がいじめられているんです」


何を勘違いしているのだろうか。苛められているのはまちがいなく俺だ。


「嘘をつくな!!!」


机を手で強気叩きながら先生が怒鳴る。


「本当なんです。信じてください。いじめられてしかた」


俺が状況を説明しようとすると、それを遮りながら先生は怒って言った。


「往生際が悪いぞ。人様に暴力をふるっておいてただで済むと思うなよ」


「せ、先生だって俺がいじめられているのを見ているじゃないですか。

本当に俺がいじめられててしかたなく反撃したんです」


怒り心頭に発する。加害者が被害者面して先生に報告したのだろう。

でも真実は俺の言っていることだ。


「正也はお前と違って、文武両道。優秀な生徒だ。

だが、お前は運動音痴で成績も悪い。いつも忘れ物をするやる気のなさ。

どちらを信じるかは明白だろう」


「ちっ・・違う。教科書を破かれるから授業では忘れた・・・と言うしかなかったんです。

ノートも捨てられて・・・。わからない事を聞こうにも聞ける人がいな・・・」


それに平均的な成績はとっているのに……

どうして信じてくれないの。涙が溢てくるが必死に堪える。


「うるさい!言い訳ばかり言うんじゃあない」


「先生が俺を助けてくれれば少なくとも勉強はできた」


「お前ができるわけないだろう」


顔に平手打ちを食らった。


「・・・」


5人の大人に囲まれ怒鳴られる恐怖。

助けてくれるだろうと信じていた先生から裏切られ、

手をあげられるとは思いもよらなかった。


その後、母さんと共にが校長室に呼び出される。

そして正也とその親へ土下座をして謝罪した。

母さんは仕事を早退して学校まで来てくれたようだ。

うちは母子家庭で母さんが稼ぎ頭である。

俺のせいで無駄で無意味な事に母親を巻き込んでしまったことに罪悪感を感じる。

これ以上母さんには迷惑はかけられないと俺は事実を隠した。


正也の親はこの地域では権力者で議員とも繋がりがあるらしい。

指導室での先生の態度で悟った。ここで母に真実を話せばきっと信じてくれるだろう。

でも、俺たちは何もできない。先生たちも先輩たちの仲間みたいだし……

ならばいっそ余計な事は伝えないほうがいい。


その後、いじめは絶え間なく続いた。

だが俺にも一筋の希望の光が指す。

ある日保健医が産休のため1人の女性がこの荒れた学校に赴任したのだ。


元々いた保健医。このババアは指の骨を折られたときに保健室にいったが、

折れた理由を聞かれたので事実を話したら「あ、っそう」とそっけなく言い。

「それ学外で怪我したことにして頂戴」などど言う外道の一味だ。


腐った学校の畜生の先生どもだ。新しく赴任した彼女も同じだと思っていた。

彼女は20代前半だろうか。身長は低くロングの黒髪痩せ型の方だった。

彼女だけは俺が顔面を殴られ鼻血を出して、

水道で1人消毒していると近寄り手当してくれた。


今までそんなやさしさに触れた事はなくて、涙が止まらない。

彼女だけは俺を信じてくれた。時にはいじめの仲裁もしてくれた。


なぜ助けてくれるのかと聞いたことがある。


「私は人のキズを治すのが仕事だから」


彼女はそう答えた。

俺からすれば絶望的な状況から唯一手を差し伸べてくれた天使のようだ。

彼女の信念を貫く姿がかっこいいと思いさえした。

俺はその時誓ったんだ。将来あのクソどものようになりたくない。

俺は彼女のように立派な、自身の信念に基づき生きる人間になりたいと。


=============================================================================


中学生の時のいじめられた日々の記憶が思い起こされた。

どうも俺は人間がこわい。特に男……

そんな思い出から足が震えて一歩も踏み出せない。


でも保健医の彼女は俺を助けた。

きっと今の俺と同じように不良の仲裁をするのは恐怖もあっただろう。

女性の彼女にできて俺にできない理由はないと自身を勇気づける。


駆け足で1ブロック先の子供たちの方へ向かう。


「おっさん、そのくらいにした方がいいですよ。死んでしまいます」


「うるせぇ。盗人が死のうと知った事か」


すごい剣幕で反論された。ちょっとビビる


「子供がやったことじゃないですか!?」


おっさんは俺の胸倉を掴んできた。


「小僧、ごちゃごちゃうっさいんだよ」


顔面を殴られた。鼻血が滴る。

地面に倒れこんだ俺はもうすっかり意気消沈だ。

真横を見ると少年の青ざめた顔が見えた。

少年から喘鳴のような音が聞こえる。呼吸器になんらかの異常がある?

一刻の猶予もなさそうな姿に心を鼓舞する。


おっさんは立ち上がる俺に蹴りを入れる。

「ぐはっ」息が詰まる。後ろに転がりながら受け身を取る。

痛むお腹を押さえながら素早く立ち上がり両手を胸の前で構える。

小学生の頃、親父に無理やり習わされた空手の構えだ。


(おっさんから微量の魔力を感じる。魔法を使われたら勝てない)


速攻でやるしかない。おっさんは俺がやる気になったのがわかったのか。

間髪入れずに右ストレートを放つ。


俺は左手でおっさんの攻撃をいなし、そのまま腕をつかむ。

勢いを殺さないようにおっさんの胸ぐらを掴み、

あとは俺の左足をおっさんの足の間に入れて、相手を背負い投げる。

通常は掴んだ左手を手前に引いて相手に受け身を取らせるが、

今はこいつを無力化する必要がある。

そのまま顔面から落とす。


痛みに悶えたおっさんが地面を転がっている。

まさか自分より小さい子供に投げられるとは思わなかったのだろう。


俺は止め刺すべく刀を鞘に納めたまま腰から取り外し、

そのまま鳩尾に思いっきり突き刺した。

むごい気がするが魔法を使われたら攻守逆転だ。怯んでる隙に畳みかけるしかないだろう。

おっさん絶叫。そして沈黙。

やりすぎ感が否めないが因果応報だろう。


兄妹の元に駆け寄ろうとして異変に気が付いた。左腕に感覚がない。

恐る恐る左腕を見る。腕自体は問題なさそうだが脱臼か骨折か。

とりあえず緊急性がない事を確認し兄妹の方へ駆け寄る。


まず妹の方見ると、お腹が膨れ上がっていた。

呼びかけてみるが反応がない。脈拍も弱い。

お腹の張れはおそらく、栄養失調か腹部外傷が原因だろう。

症状から察するに腹部外傷による腹腔内出血が考えられる。

まぁ昔医学書を読んだにわか知識だが。

つまり何かというと内臓から出血してお腹がぽっこりしているのだ。

本の通りならもう手遅れだ……


妹の絶望的な状況に見ていられず、兄の方を見る。

彼も妹同様危険な状態だった。

喘鳴の音はおそらく何らかの理由で気管支を圧迫されているのだろう。

とりあえず兄の方は心臓マッサージで延命はできそうだ。

でも、もし気管支に骨折した骨があったら俺には何もできない。


兄の心臓をマッサージしながら周囲を見る。

誰もがちらっとこちらを見て足早に立ち去っていく。


「誰か、医者はいないのかーーーー」


張り裂けんばかりの声で叫ぶ。


「・・・」


周囲は風景のように俺たちを無視している。

諦めきれない俺はもう一度叫ぼうとした。その時――


「あらあら、どうしたんかえ?」


人ごみから腰の曲がったおばあさんが杖をつきながらやってきた。

俺たちの方を一瞥するとすぐに妹の方へ歩み寄り言った。


「お主らは兄妹かい? 何があったんか」


「俺は通りすがりの旅人です。

彼らはあそこで寝ている? 男の店から物を盗んだようで腹いせに暴行されたようです」


「ほうほう。

女の子の方は身体の内側から出血しているようだねぇ。

男の子の方は呼吸困難かえ。

それでお主は何をしているのかい。」


このおばあさん、マイペースすぎだろこっちは延命に必死なんですけど?


「心臓マッサージと呼ばれる呼吸を維持するための技術です」


「そうなのかい。見たこともない魔法じゃのう……

こりゃあ驚いたわい。容態が安定しおる。しばしの間なら持ちそうだのう。

では、そっちの少年は任せたぞえ。

少女の方は鷲が診るのでな。どれどれ儂の魔法が効くといいんじゃがの」


優しい声で呟いたおばあさんの手が緑系の光を帯びる。

てか、一目で容態を見分けやがったぞ。この人何者?


「むむ。やはり、効かぬか」


どうやらおばあさんでも治せないようだ……

俺がもっと早く動けていればこんな結果にはならなかったのに。

なんて俺は愚かなんだ。涙がこぼれて止まらなった。

おばあさんの方を見ると沈痛な面持ちで首を横に振っている。


「儂より高位の治癒魔法が使える者がおればのぅ……」


「おっとと。すごい騒ぎねぇ。

おーい、何があったんですかー」


あれ? 聞きなれた声。


「エリル!?」


「あー。孝也。何やってるの?

ちゃんと時間通りに集合しないとダメでしょ!

約束を守るのは人として大切な・・・ってどうしたのその腕!?

てか、その子たちどうしたの?」


「エリル、この子たちを治せない?」


叫ぶように俺は懇願する。

エリルは2人の容態を確かめてこう言った。


「うん、大丈夫だよ。まかせて」


今エリルが女神に見えるよ。本当に!!

「ヒール」と唱えておばあさんよりも強く大きな緑の光が手を覆っている。

それが子供たちの身体に触れると徐々に生気を取り戻していった。

しばらくTS成分少なめです。

学園都市到着後はメインになる予定ですので少々お待ちください。

私の予想だとあと5話程度で学園都市に着く予定。


あとルナのイメージイラストができたのでアップします!

荒いラフなのはご容赦ください……

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ