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あねおれ!~姉と弟(おれ)の楽しい異世界生活~  作者: 藤原ロングウェイ
第一章 池に落ちたら異世界に?編
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第八姉 「きゃー! やっぱりわかっちゃう!? ヒロどうしよう、異世界にまで私たちの仲が広まっちゃったわ! もう事実婚するしか!?」

ついに感想までいただきました。読んでくださっている皆様、ありがとうございます。


今回はちょっと説明多めです。早くひたすらアホな会話したり、いちゃいちゃし続けたりを書きたいです。

「あー、違う大陸から来たのか。なるほど。話が合わないわけだ。ふむ、とりあえず、私の別荘で話そうか。」


 なんか普通だった。




「あの、信じるんですか?いくらなんでも怪しすぎませんか?」

「おや? 嘘なのか?」

「いえ、もちろん本当ですが・・・自分なら信じないと思って。」

「自分が信じないものを信じてもらう、か。それは難しいな。」


 ハッハッハと笑うノエルさん。マジ天使。


「あたしお腹すいたー。」


 唐突すぎるだろ。どんだけ自由なんだようちの姉様は。


「とりあえず、歩きながら話そうか。別荘で何か食べ物を出そう。」

「何から何まですいません。・・・この世界で初めて出会った人間があなたでよかった。」

「も、もういいから早くいくぞ!」


 照れながら歩き出すノエルさん。

 体がちっちゃいので、ゆっくりめのペースでついていく。

 そして『さっきからエルエルのこと褒めすぎじゃない?私も褒めるべきじゃない?』って顔してる姉。

 いや、異世界こっちきてから褒めるところあった?かわいさ以外で。


「ちなみにヒロ、エルエルは人間じゃなくてエルフだからね? あ、今の面白くない!? 『エルエルはエルフ』! これはキタ!」

「ごめん、おれ、それ、ちょっとよくわからない。」

「・・・しかし仲がいいな。姉弟仲がいいことは良いことだ。仲のよい姉弟に悪いやつはいない。」

「きゃー! やっぱりわかっちゃう!? ヒロどうしよう、異世界にまで私たちの仲が広まっちゃったわ! もう事実婚するしか!?」

「・・・事実婚って何したら事実婚になるの?」

「・・・一つ屋根の下で、長期間一緒に暮らしたり?」

「普通の姉弟はほぼ全員該当するな!?」

「そ、そうだな。」


 苦笑いをするノエルさん。


「あとはいっしょに買い物にいったり、映画館にいったり、ご飯をアーンで食べさせあったり、おはようのちゅーしたり?」

「それも普通の姉弟はほぼ該当する!」

「それもそ、え!? しないぞ!?」

「「え、しないの?」」


 ガーン!って顔をするノエルさんとは対象的に、目をパチクリさせるさきねぇと俺。


「・・・違う大陸の姉弟はみんなそうなのか?」

「他はしらんけど、うちはするな?」

「フツーよねフツー。」


 異大陸こえーマジこえーって顔をするノエルさん。


「ま、まぁいい。仲が良いことはいいことだ・・・?」

「「うむ!」」

「あー、そうだ、なぜ私が異大陸からきたという話を信じるか、という話だったな。」

「そうだったかしら?お腹すいたって話じゃなかった?」


 それはさきねぇだけだ。華麗にスルー。


「ええ、なにか理由があるんですか? 他にも異世界から来た人がいるとか?」

「そのとおりだ。と、いっても何十年も前の話だ。当人はすでに亡くなっていると思うが。」

「そうですか・・・しかし、よくあることなんですか?」

「いや、ないな。私が知っている限りでもその方だけだし、その方に出会ったのも偶然だ。」

「ど、どんな方だったんですか?」


 もしかして有名人が実は異世界転移していた系だったり? 義経とか信長とか!?


「君たちのような黒目黒髪の男性だったよ。周囲の人間には記憶喪失だと思われていたがな。魔法や魔物をみたことがないどころか、存在そのものを知らなかったし、考え方なども変わっていた。」

「はぁ~・・・えっと、なぜ異世界から来たとわかったんです?」

「一緒に酒を飲んでいるときにな。『誰も信じてくれないが、自分は違う大陸から来たのだ』と話していたのだよ。」

「それだけで異世界人だと?」

「それはそうだ。私の知る限り、いや、この大陸の歴史が始まって以来、他の大陸が確認されたことなんぞないからね。」

「海の向こうから来た、とは考えな「あ、すごいカラフルな鳥が飛んでる!」


 お姉さま、情報は大事ですよ?


「ねぇ、ちゃんと話聞こう? 確かにめっちゃカラフルだったけれども。」

「私は周囲の警戒をしてるから、ヒロは全力で話を聞いて。後で簡潔にまとめて要点だけ話して。ムラサキ・ウイヅキが命じる!全力で話を聞け!」

「イエス、ユアマジェスティ!」


 ノエルさんがまたなんかやってるよ、仲いいなこいつらって目で見てる。

 ごめんなさい、姉とのこういうやりとり大好きなんです。


「すいません、えっと、海の向こうから来たとは考えないんですか?」

「ふむ、その発言ですでに我らと違う常識を持つと判断できる。大陸から離れれば離れるほど魔物が強く、多く、大きくなる。運よくそれを突破できたとしても、周囲は激流に囲まれている為、船も人も海の藻屑に消えてしまう。『海の向こうには何もない』。大陸に生きるもの全ての共通認識だ。」

「なるほど・・・。」

「加えていうなら、私は最初に『出身国はどこだ?』と聞いたな? この大陸には人間族の暮らす『国』はイルドアム王国、イナルファ王国、トポリス王国の三つしかないんだ。もちろんエルフの暮らす大森林だったり、ドワーフが暮らす大渓谷だったり、獣人の暮らす大草原だったりはあるがね。」


 エルフにドワーフに獣人か・・・異世界っぽくなってきたな。


「なるほどね。だからさっきから『異世界』じゃなくて『異大陸』って表現してるのね。」


 姉から声がかかる。なんだかんだいって、ちゃんと話を聞いてたみたいだな。


「大陸が一つしかないなら、異なる世界なんて曖昧な表現より、違う大陸って言ったほうがわかりやすいものね。存在しないはずなんだし。」

「そうだ。そもそも我々には、その『セカイ』という概念が存在しないのだよ。君たちのセカイには多くの大陸があり、多くの国があるのだろう?それら全てを指して「セカイ」と表現しているらしいね。実に面白い。」

「それもその異世界からきた人から?」

「ああ。とはいっても、彼と異大陸の話をしたのはその時だけで、次の日には私が旅立ってしまったから詳しくはないんだがね、と。さて、私の別荘へようこそ。」


 そこには、おしゃれなペンションというかコテージのような建物が建っていた。


「シャレオツね!」「いい感じだな!」


 俺とさきねぇは喜びの声をあげた。好きなんだよね、こういう雰囲気!





ここまでお読みいただきありがとうございました。

ご意見、ご感想ありましたらよろしくお願いいたします。


弟的に『キス』は唇と唇を意味するためNG、『ちゅー』はほっぺやおでこにするものでOKという謎な見解です。

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