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あねおれ!~姉と弟(おれ)の楽しい異世界生活~  作者: 藤原ロングウェイ
第六章 脱ニート宣言!冒険者ギルドで依頼を受けてみよう!編
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第六十五姉「ほんとかよ・・・さきねぇ彼氏いる暦0秒じゃん。火傷したらかわいそうだから、冷めたやつにしときなよ?」

リニューアルしてさっそく感想をいただきました。

完全に私の趣味の小説ですが、ブクマだったり評価だったり感想だったりと、読者様から何かしらの反応があるととても嬉しくなります。

これからもブラコンシスコン姉弟の普及活動に力を尽くしていきたいと思います!


今回、マリーシアさんが悲惨な目にあってしまいます。

ごめんよまりさん。いじりやすくてつい・・・

「絶対酔ってるー!?」


 なんか、マ○ルさんみたいな突っ込みだな。ガビーン!みたいな感じ。

 あははは!あいかわらずノエルさんはゆかいなひとだなー!




「ヒイロ、気持ちはわかるがそれくらいにし「お前らぁぁぁぁ!そこでなにゃってるー!」


 さきねぇが男に囲まれて逆ハー状態に!許せん!

 俺はラウルを放り投げるとスマート棍棒を取り出し、男どもにケツバットをかます。


「いてぇ!」「ラウルさんをぼこぼこにしてたやつがこっちにきたぞぉ!」「やばい、逃げろ!撲殺されるぞ!」

「UREEYY!」

「あはははははは!ヒロが吸血鬼になっとる!ぶわっはっはははははは!」


 ノエルさんとラムサスさんが同時にため息をつく。


「どうします、この惨状・・・」

「どうするもなにも・・・」


 床に散らかった酒瓶やゴミや酔っ払い。

 割れた窓ガラス。

 飲み比べや乱闘でめちゃくちゃのギルドロビーだった。


「・・・酒代と修繕費は私が出す。あとで金額を伝えろ。」

「申し訳ありません・・・」

「私のヒイロとムラサキを祝う為にやってくれたのだと思えば、安いものだ。」

「・・・ノエル様は変わられましたね。」

「貸し百万だからな。」

「・・・やっぱり変わってませんね。」

「さて、ヒイロ!ムラサキ!一旦帰るぞ!」


 ノエルさんが俺たちに声をかける。

 でも、さきねぇに近づこうとするハエをつぶさないと・・・


「爆笑ギャグいきま~す!『内臓が、ないぞう!』なんつってな~!」

「ぶわっはっはっはっはっは!」


 さきねぇ渾身のギャグは、俺のみが大爆笑していた。

 あれほど騒いでいたまわりの冒険者たちは、皆黙り込みシーンとしている。

 ノエルさんがこめかみを押さえていた。


「・・・抱腹絶倒だろうが!笑えー!」

「うわぁー!今度は嬢ちゃんがハンマー振り回し始めたぞー!逃げろー!」


 なんかもう、阿鼻叫喚の地獄絵図って感じだった。

 その時、突然強力な魔力の圧縮を感じた。

 振り向くと、ノエルさんが目をつぶって、なにかをしようとしている。


「・・・すぅぅぅぅ、『カァッ』!」


 ノエルの はぐんの ほうこう !

 むらさきは びっくり している !

 ひいろは きぜつしかけたが なんとか もちこたえた !

 マリーシアは きぜつ した !

 ぼうけんしゃAは きぜつ した !

 ぼうけんしゃBは きぜつ した !

 ぼうけんしゃCは きぜつ した !

 ・・・



 気づくと、起きているのは数人で、大多数の冒険者たちは床に倒れ付せていた。


「ううぅ、気持ち悪い・・・≪聖杯水≫・・・」


 気持ち悪くなった俺は水を求めて創造する。ゴクゴク。うまい!

 ・・・あれ?気持ち悪さがひいてきた。酔いも醒めてきた。

 聖水すげぇな。これがあればウコンの力とか必要ないじゃん。

 初月印の酔い醒まし薬として売り出せないだろうか。

 冒険しなくても(多分)ガッポガッポやで!


「ヒイロ、落ち着いたか?そろそろ帰ろうと思うのだが・・・」

「ああ、ノエルさん。大丈夫です。自分で創造しておいてなんですけど、回復魔法ってすごいですね。まさか酔いまで回復するとは。」

「え、普通は回復しないぞ。というより、平然と回復魔法を使っていることに驚きなんだが・・・」


 ですよねー。


「なんといいますか、あれですね。姉を思う弟心ってやつですかね!」

「そ、そうか・・・ところでヒイロ、お前、自分がさっきまで何をしていたか覚えているか?」

「何をって・・・普通にみんなとお酒を飲んで騒いでいただけでは?」

「・・・覚えてないのか。」

「あとは、そこに転がってるラウルとかいう人をマウントポジションでボコボコにしたこととか、さきねぇに群がるハエどもにケツバットを食らわせてやったくらいですかね?」

「全部覚えてる!?」


 当然さ。酒の影響もあったとはいえ、あれは俺の意思だったからな。


「まぁちょっとやりすぎちゃいましたかね。気をつけまっしょい!」

「気を付ける気ないだろ・・・」


 気を付けるよ?ただ、気を付けたからといってやるやらないは話が別なだけで。


「さて・・・さきねぇー!帰るってさー!おいでー!」

「おーけいぶらざー!」


 マリーシアさんの鼻の穴にフライドポテトっぽいものを差し込んでいたさきねぇがこっちに合流する。


「お前、さすがにあれはかわいそうだろ・・・一応女性だぞ?」

「多少汚れキャラが出来たほうが彼氏もできやすいわよ。ソースは私。」

「ほんとかよ・・・さきねぇ彼氏いた暦0秒じゃん。火傷したらかわいそうだから、冷めたやつにしときなよ?」

「あつあつポテトを鼻に突っ込むほど鬼じゃないわよ~!」

「「あははははははは!」」

「いや、女性の鼻にあんなものを突っ込む時点で鬼だろう・・・」


 わかってます。あとで隠れて俺が回収するから大丈夫です。

 ここでマリーシアさんをかばうと修羅場っちゃうんで。


「帰るにしても、このままでいいんですか?」

「ああ、ギルド内のことだからね。ノエル様が酒代と修繕費を全額だしてくれるとのことだし、平気さ。」


 ラムサスさんが答える。

 かっこいいなノエルさん。理想の上司だな。素敵抱いて!


「では、あとは任せたぞラムサス。」

「お任せください。お疲れ様でした。」

「ありがとうございました。これで失礼します。あ、これからもよろしくお願いします。」


 俺は頭を下げる。

 なんだかんだいってこの人、ここの支部のトップだからな。

 礼を尽くして悪いことはない。


「ああ、こちらこそよろしくね。期待してるよ、魔法使いくん!」

「じゃあね、カツラムサス支部長!」

「・・・お前は今度屋上な?」


 そうして俺たちはギルドを後にした。

 その帰り道。


「いやー久しぶりに飲んだし騒いだわね!」

「俺は回復魔法使ったからだけど、なんでさきねぇは普通に素面なんだよ・・・」

「お姉ちゃんだからです!そういや、なんか冒険者をたこ殴りにした後水ぶっかけてたけど、あれ回復魔法だったの?やるわね、ヒロ!」

「まぁね!ちなみに痛んだ箇所にかけると熱いから、怪我したら覚悟してね。」

「「熱いの!?」」


 さきねぇとノエルさんは二人で『回復魔法で水なのに熱いとかあるの?』『いや、聞いたこともないが・・・』と俺の≪聖杯水≫の考察をしている。


「あ。そういえばエルエル。魔法って8属性しかないの?」

「ん?基本4属性に上位4属性の計8種類だな。それがどうした?」

「そっか・・・もっとアレな感じの魔法もほしかったわね。」

「ん?というと?」

「・・・『重力』とか。」


 その言葉に俺がハッとする。


「あれだな、『貴様の周りの空間の重力を100倍にした!押し潰れろ!!』みたいな!?」

「そうそうそうそう!あと『魔法無効化』とかね!」

「あるねあるね!『バカな!?俺の魔法が効かない!?』『俺は魔法がひとつしか使えないオチこぼれでね・・・だが、たった一つでも極めれば最強になれる。俺に、魔法はきかねぇ・・・!』的な!?」

「いやん、さすが私のヒロ!分かり合えるって素晴らしい!」

「あとは『絶対防御』なんかもよくない!?」

「いいわねいいわね!途中で『俺の最強の矛とお前の最強の盾、どっちが強いか勝負だ!』みたいなやつが出てきて、結局仲間になっちゃうのよね!」

「さすが姉上、わかってらっしゃる!」

「「で、そういうのはないんですか?」」

「・・・・・・ごめんなさい、ありません・・・」


 なぜか申し訳なさそうに謝るノエルさん。

 そして『魔法に関しては地球こっちのほうが上のようね!』という顔で勝ち誇る紫お姉ちゃん。

 いや、そもそも地球こっちに魔法ねーから。

 空想と妄想の産物だから。

 判定はSEKIGAHARA-WARの西軍レベルで地球さん大敗北やで。

 そんなアホ話をしながら家路についた。


 家についてから、さすがにノエルさんにはしゃぎすぎだと怒られた。

 反省。


ここまでお読みいただきありがとうございました。

ご意見、ご感想ありましたらよろしくお願いいたします。


後半の魔法属性ネタは大分前から考えていたんですけど、いつ入れようかと思っていたら入れるタイミングが掴めず、こんなところで使ってしまいました。

酔った帰り道って、こんなどうでもいいことで盛り上がったりしますよね。


次の更新は時間がずれるかもしれないです。

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