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あねおれ!~姉と弟(おれ)の楽しい異世界生活~  作者: 藤原ロングウェイ
第五章 異世界で冒険者になろう!編
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第五十九姉「もう、お姉ちゃんそんなつもりでいったんじゃないのに~!ヒロのお姉ちゃん大好きっ子ー!」

今回の後半は理由あって気合入れて書きました。

事情についてはあとがきで!

 さきねぇの当たりつぇーな。

 まぁ確かにマリーシアさん、俺のこと狙ってるっぽい感じはするしな。

 どんまい。




「ほらほらさきねぇ、遊んでないで記入するよ記入。」

「うぃっすー。」

「・・・(絶対遊びじゃなかった。本気の目だった。)」


 なになに、必須事項が『名前』に『種族』に『年齢』に『性別』・・・なんか履歴書みたいだな。

 追記で『住所』に『出身地』に『経歴』に『特技』か。

 住所をかかなくてもいいっていうのは斬新っつーか新鮮だな。

 まぁ冒険者なんて旅してなんぼだろうし、当然か。

 とりあえず必須事項だけでいいだろ。さらさらっと。書けた。

 さきねぇを見ると、なんか唸ってる。どうした?


「なんか迷うところあった?」

「うーん、特技欄なんだけど、何書こうかと思って。『将来S級冒険者確実の輝く才能!』とか書いたほうがインパクトあるかしら?それとも『弟すら魅了する美しさ!』かしら?」

「・・・」


『特技は才能です!』『特技は美しさです!』っていうのもすごい話だな。

 凡人ではまず思いつかないし、思いついたとしても書かないだろう。

 しかも、(弟すら魅了する部分も含めて)事実だからたちが悪い。

 その時、ノエル教官からお声がかかる。


「他人とパーティーを組む気がないなら特技欄は空白にしておけ。特にヒイロ、『水魔法が使える』なんて書くなよ。さっきの冒険者の反応を見てもわかるとおり、自分のパーティーに魔法使いがほしい冒険者が一気に殺到するぞ。」

「ラ、ラジャーであります教官殿。」

「そんなに魔法使いっていないのね。お疲れちゃーんって感じ。」

「まぁ魔法使いの才能があるとわかったやつの半分以上は魔法学校にいくからな。魔法使いの貸し出しもやっているが高い金を取る上に、冒険者の覚悟もないやつが多いから、やばくなると我先にと逃げ出すんだ。くだらん。」


 プリプリしながら語るノエルさん。

 どこの世界も大変なんやね。

 用紙に記入し終わったので、マリーシアさんにさきねぇと俺の二人分の紙を渡す。


「はい、かくに・・・って全部漢字!?」


 あ、やばい忘れてた。漢字は『上流階級の使うおしゃれな文字』だった!


「あーそのー、か、書き直しましょうか?」

「い、いえ、大丈夫です、けど・・・ギルド職員でも漢字苦手な人もいるので、フリガナ振ってもらえると助かります・・・。」

「あ、はい。わかりました。」


 すごい怪訝な目で見られてるー。

 ローラースルーゴーゴー!


「はい、これで。」

「・・・はい、確認します。・・・・・・はい、大丈夫です。」

「これで晴れて冒険者ね!」

「はやとちりめ。まだだよ。肝心なアイテムを受け取っていない。」

「肝心なアイテム?冒険者証明書みたいなものですか?」

「ああ、『冒険者の指輪』といってな。これがないと冒険者として活動できないんだ。」


 指輪と聞いて、さきねぇの目がキラーンと光る。


「ヒロ!」

「はいはいわかってますよ。左手の薬指につければいいのね。」

「もう、お姉ちゃんそんなつもりでいったんじゃないのに~!ヒロのお姉ちゃん大好きっ子ー!」


 ほっぺたを指で突っつかれる。

 すげぇ嬉しそう。


「えーっと・・・今持ってきますね。」


 ちょっとひいてるマリーシアさん。

 この程度でひくとは情けない。

 ノエルさんがちょいちょいと俺の服をひっぱる。

 何この人ちょうかわいい。ぜひ俺の娘に!


「んん、指輪は本人確認に使用する。基本的に本人以外は使用できないが、落としたり忘れたりしないように。罰金がとられるからな。」


 ノエルさんが説明モードにはいった。ほんと説明するの大好きだな。

 孫とお話したがるおばあちゃんみたいなものか。


「また、他人の指輪でもギルドに持ってくれば名前の確認は出来るので、生死確認が出来る。もし遺体があったら極力指輪を回収して持って帰ってあげなさい。生きた証だ。」

「なるほど。大事ですね。」

「あとは、例えば、ある魔物の討伐依頼を受けたとする。魔物は倒したが、魔石を壊してしまったため、死体が残らない。どうする?」

「・・・わかった!『端を渡らずに堂々と真ん中を渡った』!」

「???」


すごいな、このさきねぇのドヤ顔と対照的に、ノエルさんの『こいつ何いってんだ』感の半端なさ。


「気にしないでください、ただの発作です。困りますね。」

「・・・だろう?そこで指輪の出番だ。ギルドにある装置を使えば、自分が倒した魔物の名前が出るんだ。それで討伐達成したかどうかがわかる。ギルドに登録済みの魔物であることが条件だがな。」

「ハイテクですねー。ナウなヤングにバカウケですね!」

「???」

「すいません・・・」


 いくらノエルさんがおばあちゃん年齢だったとしても、異世界だものね。そりゃそうだよね。


「他にも同時に攻撃して討伐対象の魔物を倒してしまった場合も、指輪がどちらが倒したか判定してくれる。この判定は絶対に覆らない。この機能によって『俺が倒した魔物だ!いや俺だ!』という諍いを減らす役割を果たす。他には「冒険者の指輪お持ちしましたよ~。」


 マリーシアさんに話をさえぎられたノエルさんがすごい不機嫌そう。

 あとで話を聞いてあげよう。祖母孝行だ。


「・・・ちっ。」

「え?なんで?なんで私今舌打ちされたんですか?」

「あー、まぁそれはどんまいって感じで。これですか?」

「え?は、はい。あと、このナイフで手を傷つけてもらっていいですか?ちょっとでいいんで。」

「うっそ。そこまで変態的なのマリすけ。さすがの私もちょっとひいた。まぁヒロの血ならおいしくゴクゴク飲めるけど。」


 精霊王様ー!助けてー!猟奇的な変態が二人もいるよー!


「ち、違いますよ!それじゃ明らかに頭おかしい人じゃないですか!指輪のこの水晶に血を染み込ませないと本人登録ができないんですよ!ここ!ここに!」


 一般的な指輪の宝石がはいってる部分を指差し、必死に語りかけるマリーシアさん。

 そして、明らかに頭のおかしいあね


「もう、それを先に言いなさいよね。変態かと思ったわ。」

「・・・(さきねぇが言うな)」「・・・(ムラサキが言うな)」「・・・(お前が言うな)」


 三人の気持ちが一つになった瞬間だった。

 左手の人差し指をナイフでちょっと傷つける。

 プクッとあふれた血を水晶部分に付けると、水晶が鮮やかな桜色に染まった。


「あとは、これを、こうして・・・・っと。はい、完了です。指輪を嵌めてみてください。」

「ハメるんだって。エロくね?」

「全然普通です。」


 これが冒険者の指輪か。なんか綺麗だな。

 自分の右手の薬指に指輪をはめる。

 横から手が伸び、すぽっと指輪を抜かれる。


「ちょっと、バカ。バカ、ヒロ、バカ。違うでしょ?ちーがーうーでーしょー?」

「あーはいはい。ちょっと指輪貸して。」

「はい♪」


 迷わず左手を差し出すさきねぇ。

 表面上は平然としつつ、内心かなりドキドキしている俺。

 べ、別にそういうことじゃないんだから、いいよな。問題ないよな。

 ちょっと緊張で震えながら、さきねぇの左手の薬指に指輪をはめる俺。


「えへへ・・・じゃあ、ヒロも。」

「お、おぅ・・・」


 左手の薬指に指輪をはめられる。

 ちょっと感動してしまったのは秘密だ。

 さきねぇが口を開く。


「・・・健やかなるときも、病めるときも。」


 にっこり笑うさきねぇ。

 ・・・いいよ、やろうか。


「喜びのときも、悲しみのときも。」

「富めるときも、貧しいときも。」

「晴れのときも、雨のときも。」

「「死が二人を分かつまで!」」


 パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!


 よく見ると、周りにいた冒険者たちも笑顔で拍手を送り、祝福してくれていた。

 ノエルさんなんか大号泣している。

 す、すげー恥ずかしい!


「みんなー!これからも私たち姉弟をよろしくねー!」

「「「「「「「「「「「「「姉弟なのかよ!?」」」」」」」」」」」」」」」


 みんなビックリしていた。

 そりゃそうだ。




ここまでお読みいただきありがとうございました。


今回の『誓いの言葉』のシーンですが、実はアレ、本来この「あねおれ」の最終話に使うはずだったシーンです。

にも関わらず、なぜ今使ったかというと「あねおれ」の終わりが見えないからです。

アイディアが浮かばないのではなく、逆に書きたいイベント(まったり日常系)が多すぎて、このまま書いてたら100話はいきそうな感じなのです。

が、ネタは鮮度が大事なので、今使ってしまいました。


それと、毎日仕事から帰ってすぐにこれを書いているのですが、、8月は16日まで休日なしの連続勤務が確定しており、一日休んで31日まで連続勤務っぽいので、毎日更新が途切れる可能性が大です。

出来る限り頑張るつもりではおりますが、もしダメだった場合は申し訳ありません・・・


ご意見、ご感想ありましたらよろしくお願いいたします。

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