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あねおれ!~姉と弟(おれ)の楽しい異世界生活~  作者: 藤原ロングウェイ
第五章 異世界で冒険者になろう!編
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第五十三姉 「急にボールがきたので。」

一日で評価を2件もいただきました。ありがとうございます。

ノエルさんも「なかなか見る目があるな!」とかいいながらニヤニヤしていました。


ランキングも下がって、やっと正常な本来のPVに戻ってきました。

正直ほっとしています(笑)

今後もゆるゆると平常運転で参りますので、よろしくお願いいたします。

「いやー朝風呂は最高ですな!」

「ですね。ただ、お姉さま。一緒に風呂に入るなとは言わないから、せめてタオルは巻いてくれ。」

「ふっふっふ、お湯に布を漬けるなど邪道なり!我、裸なり。故に我あり。」


 裸に自分の自我を見出さないでいただきたい。




「ヒイロの悲鳴が聞こえたがどうした!大丈夫かヒイロ!何があった!」


 その時、すごい勢いで森から走ってきた美少女がいた。

 われらがノエルさんだ。


「って、なんでお前がここにいるんだムラサキ!」

「急にボールがきたので。」

「意味がわからん!というより、なんで一緒に風呂に入っている!」

「なんでよ?他人ならまだしも、姉弟よ?問題ないじゃない。」

「そ、そういわれれば、確かに・・・って騙されないぞ!そのくらいの年の人間族は普通、姉弟で一緒にお風呂なんて入らないはずだ!」

「普通じゃないので。」

「・・・そうだったな。ムラサキとヒイロだものな、うん。・・・二人とも、風呂からでたら冒険者ギルドに向かうから、準備を忘れないように。」

「「はぁ~い!」」


 何かに納得したようで、ノエルさんが家に入る。


「え、いきなり突撃してきていきなり興奮しだしていきなり納得して帰っていったけど、あれはなんなのかしらね?」

「理解ある保護者さんでよかったねってことですよ。」

「そんなもんかしらね?」


 結局二人で湯につかる。

 しかし、すごいな。胸が浮いとる。

 うちのお姉さまは、日本にいた時も風呂あがりで裸だったり、バスタオル一枚でうろうろする困ったお方だ。

 多分、狙ってやってるけど。

 無論、俺は精神力のほぼ大半を自制心に使っているので襲いかかったりはしなかったが。

 しかし、エロ視点で考えなければ、ため息がでそうなほどの美しい体だ。

 一回姉さんの裸を見てしまうと、AV女優なんか『デブじゃねぇか』『ブスじゃねぇか』『ガキじゃねぇか』としか思えなくなる。

 そんな俺が二次元に興味をもっても仕方ないことだろう。

 姉と一緒に外を歩いているときに『あ、あの人かわいいね』なんて言おうものならネックハンキングツリーからのイズナ落としを喰らってしまう。

 しかし、ポスターやフィギュアを見て『あ、た○ねぇだ。かわいいね』だとセーフなのだ。

 それが俺の二次元好きに拍車をかけた原因でもある。

 まぁつまり、三次元には三次元の、二次元には二次元の素晴らしさがあるということだ。


「あ、さきねぇ。一ついっておくけど、入浴中はお触り厳禁だからね。スキンシップも不可。」

「えー別にいいじゃんよーあねおとだろー?」

「絶対だめ。もしそれが守れないようであれば今すぐでてってください。」

「ちぇー、古い常識と倫理観に縛られた地球人め。赤い人がアク○ズ落とそうとした理由もわかるってもんだわ。」

「そんな壮大な話ではない。」


 実は俺たち姉弟は普通に一緒に風呂に入る。もちろんいつもではないが。

 我が家は一般家庭と比べるとかなり大きい風呂だったので、二人いっぺんに入れるのだ。

 髪はお互いに洗いっこするのだが、体は自分で洗うことが前提だ。

 いつもいちゃいちゃしている俺たち姉弟だが、実は入浴中の肉体的接触はNGとなっている。

 理由は簡単、中学生の時に一緒にお風呂に入ってさきねぇに抱きつかれた時、その、全力で勃っちゃったのだ。

 俺は大パニックを起こし、絶叫を上げ、体も拭かずに風呂から逃走した。

 すぐに部屋に閉じこもり、眠たくなるまでひたすら般若心経を唱えたが、結局朝まで起き続け学校を休んだ経験がある。

 それ以来、一緒にお風呂にはいってもいいが、お触りはなしで!と強く言い聞かせてある。

 しかも、ここは日本の法律や常識が通用しない異世界なのだ。

 一線を越えてしまう可能性が十二分にある。

 きっと、そうなったら姉さんは一生俺から離れないだろう。

 姉さんの『出来ないことはない!』と言わんばかりの溢れる才能を全て埋もれさせ、捨てさせてしまうほどに、平凡な人生を歩ませてしまうだろう。

 俺はそれが嫌だった。

 俺のせいで姉さんが後ろ指を指され、俺が足を引っ張って姉さんの輝かしい未来が閉ざされることが狂いそうなほど嫌だった。

 ・・・この世界でならどうだろうか。

 俺はそれなりに魔法が使えるみたいだし、力で解決できることも多いだろう。

 姉さんと二人で頑張れば、きっとお金だってたくさん稼げる。

 それにノエルさんやアルゴスさんのように、優しい人たちもいっぱいいる。

 姉弟の恋人同士だって、なんとかやっていけるのではないか。

 頑張ろう。

 姉さんのためにも。

 自分のためにも。


「・・・そのためにも、まずは冒険者として頑張らないとな。」

「?何が?」

「いや、こっちの話。」

「ふーん、変なの。本来なら姉に隠し事なんて許されないけど、まぁやる気溢れる男の顔をしてるから特別に許してあげましょう。」

「ありがとうさぎー。」

「・・・えっと、きもかわいいと思うわ。」


 ほっとけ。



 そんな感じでまったりしつつ、露天風呂からあがる。


「ねぇヒロ、ブラなんだけど、こっちとこっち、どっちがいいと思う?」

「う~ん、俺としてはこっちのほうが好きかな?」

「ぶらじゃー。」

「ぶっ!」


 不意打ちだったからこの程度のネタで受けてしまった。悔しいでも感じちゃう。

 う~む、しかしでかいな。


「ねぇヒロ?」

「なに?」

「だっちゅ~の!」


 バスタオルのみ装着したさきねぇが、両腕を使って胸を強調する。

 めっちゃ谷間できてんよ。この姉(ひと、)おっぱい神の生まれ変わりかもしれん。


「・・・おいおい、俺がその程度で動揺するとでも思ってんのかよ?」

「めっちゃ顔にやけてるけどだいじょぶ?」

「ごめん、大丈夫。今デジカメ持ってくる。」

「どっから!?」


 なぜこんな大事な時にデジカメがないんだ!こんなのってないよ!

 俺の姉フォルダの中でも5本の指に入る絵だったのに・・・!

 とりあえず脳内HDDに保存→永遠に保護、と。

 絵の勉強でもするかな。

 デジタルの力が使えんのなら、いつかアナログで描いてやる!


 三人で朝ごはんを食べて、いつもの外出用装備を整える。

 ローブおっけー、棍棒おっけー、簡易魔法袋おっけー!

 庭に出て、体操や素振りをして調子を確かめる。

 ビュン!ビュン!

 よし、今日もスマート棍棒がいい音を奏でてるぜ!

 ブォォォォン!ブォォォォン!

 隣ではさきねぇが全力フルスイングだ。

 もし間違って当たったら死にそうだから気をつけよう。

 フレンドリーハンマーなんてごめんだからな。


「さて、これからアルゼンの街に向かうわけだが・・・ヒイロ。」

「はい。」

「私とムラサキは先に街に向かう。ヒイロは30分後に一人できなさい。出会った魔物は全て倒すように。」


 何?一人で戦うとな?

 魔法袋を渡される。簡易じゃない、本物の魔法袋だ。

 『魔物用』と刺繍がしてある。


「!?ちょ、エルエル!それでもしヒロになんかあったらどうすんのよ!」

「そしたらそれまでのことだ。冒険者になる素質がなかっただけのこと。」

「・・・・てめぇ」


 珍しく冷徹なノエルさんに、怒気と殺気を撒き散らすさきねぇ。


「待って、さきねぇ。・・・わかりました。一人でいきます。すぐに追いつくので待っててください。」

「ああ、待ってるぞ。」「でも、ヒロ・・・!」

「さきねぇだってノエルさんが意味もなくそんなことさせる人じゃないって、わかってるだろ?それに、あの程度の魔物相手で負けてるようじゃ、冒険者になったってすぐ死ぬのがオチだよ。任せて!」

「・・・・・・・・・・・・わかった。絶対無事に私のところに戻ってきなさいよ。」

「イエス、ユアマジェスティ!」


 ノエルさんとさきねぇが森の中を進んでいく。

 さきねぇはこちらを何度も振り返りながら歩いている。

 俺は安心させるように大きく手を振る。

 ・・・そして、二人の姿が見えなくなった。

 初めて一人きりになったな。

 でも、以前にノエルさんは言っていた。

『このあたりで俺たち姉弟の脅威になる魔物なんて存在しない』と。

 つまり、この程度で怖気づいているようじゃ、姉さんの隣を歩く資格はないってことだ。

 いいじゃねーか、やってやるよ!




ここまでお読みいただきありがとうございました。


ちょっとしたお風呂回でした。

一緒にお風呂はいちゃラブの基本!


ご意見、ご感想ありましたらよろしくお願いいたします。

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