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あねおれ!~姉と弟(おれ)の楽しい異世界生活~  作者: 藤原ロングウェイ
第五章 異世界で冒険者になろう!編
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第五十二姉 「え、なに、どうしたの?パンツでもかぶったの?」

評価人数は変わらないのに平均評価がちょっと上がっていました。

どなたかが評価を上方修正してくださったということでしょうか?

「評価当時より良くなっているよ」と言われたようで、とても嬉しかったです。

ありがとうございます。

約10人に1人の読者さんが評価をいれてくださっているということで、それが多いのか少ないのかはわかりませんが、喜ばしい限りです。

これからも精進していきたいと思います。

 そして、涼しい顔で一言。


「今、何かしたか?」


 正直濡れました。




 種明かしをするとノエルさん、実は≪炎力強化ザ・フレイム≫と≪土体強化ジ・アース≫で強化をしていたらしい。

 さすが魔法力Sだ。あの鉄人並のパンチ(推定攻撃力2800)を食らって平然としてるとは。

 手加減無用とわかったさきねぇの攻めは苛烈だったが、それを全てさばくノエルさんはすごかった。

 てっきり中・遠距離専門の純魔法使いだと思っていたが、格闘戦もできるようだ。

 魔法なしの近接戦闘でも『B級程度なら素手でもなんとかなるな。さすがにA級となると武器ありでもちょっときついかな?』と言っていた。もちろんドヤ顔だ。

 近・中・遠距離全てカバーできる世界最高クラスの魔法使いとか贅沢すぎるだろ。

 まぁそんなすごい人に稽古をつけてもらってる俺たちも贅沢ではあるが。


 そんなバトル漫画さながらのCQCを繰り広げ、次に俺の番になった。

 が、そこは割愛する。伝える事実は一つだけだ。

 俺が『片腕のみ使用・足は移動のみ使用の能力限定ノエルさん』にフルボッコにされたという事実。

 俺、日本むこうでは素人相手ならケンカそこそこ強かったんですけど・・・弱かったんですね・・・


 結局、さきねぇは純戦士として戦闘訓練、俺は護身術を嗜むことに決定した。

 さきねぇの戦闘力は生まれつきの高い身体能力に加え、異世界補正で強化されているため、素人目に見てもやばい。

 さらにお姉さまは陳腐な言い方だが天才なので、相手の技を見て何度か体験すれば、すぐに覚えてしまうというコピー忍者顔負けの能力を持つ。

 高校の時も女子柔道部員と2、3時間乱捕りをしたら、主将含めた部員全員に勝ってしまったぐらいだ。

 そのくらいうちのお姉さまはすごいのだ。

 それに引き換え、俺は武術の才能がないため、さきねぇと同等の戦闘訓練は負担が大きすぎるらしい。

 いいんだ、俺、地味な水魔法使いだし。後方支援大好きだし。

『剣で敵をバッタバッタと倒していく』なんて主人公みたいな事出来ないし、したくもないね!けっ!


「よし、少し休んだら、同じコースをまた走るぞ。」

「まじすか・・・」「はぁ~い・・・」


 さすがのお姉さまも、まさかあそこまで手も足もでないとは思っていなかったらしい。

 人生でほとんど感じたことのない敗北感にテンションも低い。

 しっかし、また走るのかよ・・・つい最近までニートだったのに、働かせすぎだろ。

 あ、待てよ。あのノエルさんをして『微妙・・・』といわせた≪水命強化ジ・アクア≫だが、使えるんじゃなかろうか?

 確か、傷や体力の回復を早めるんだったな。

 体の奥底から水が溢れ出す感覚を・・・いや、むしろ俺=水・・・


「≪水命強化ジ・アクア≫!・・・ふぉぉぉぉ!」

「「!?」」


 唱えると同時に、体が何かに包まれる感覚。

 あ、ちょっとひんやりしてて気持ちいい。


「え、なに、どうしたの?パンツでもかぶったの?」

「ぱんつ?かぶる?」

「ノエルさんに変なこと教えないの!いや、魔法使ったら気持ちよかった。」

「・・・エルエル、魔法中毒とかない?大丈夫?」

「だ、だいじょうぶ・・・なはずだ。」


 ヤクチュウの変態扱いされた。失敬な。



 家に到着した。

 やっぱり、≪水命強化ジ・アクア≫を使って走るのと、使わないで走るのだと肺や足の疲れ・痛みにけっこう違いが出る。

 まぁ結局魔法を使っているので、頭は疲れたりするんだけどね。

 ガテン系だったり立ちっぱなしのバイトをしたりする時は重宝しそうだ。

 ・・・まぁ異世界に来てまでそんなバイトしたくないけど。


「ふぃ~・・・つ~か~れ~た~!」

「ふふ、お疲れ様。今風呂を沸かしたからはいってくるといい。」

「エルエルきっがきくぅ~!いってきますーすー!」


 風呂へ走っていった。元気やな。


「ありがとうございます。じゃあ俺も「ヒイロはまだだ。これから魔法の特訓にはいる。」

「なん、だと・・・?」


 歩いて数分、近くの川原に連れて行かれる。


「とりあえず、今日は≪水矢ウォーターアロー≫を使ってみるぞ。できそうか?」

「やってみます。」


 俺は日本むこうにいた頃地味に弓道に興味をもっていたため、夏休み限定の弓道教室に一ヶ月通ったことがある。

 あれのイメージでいけばできるだろ。

 目を閉じる。むむむむ・・・

 足は肩幅・・・体の軸は真っ直ぐに・・・腕を両手に上げて・・・目標を定めて・・・腕を下ろして・・・

 目を開ける。

 俺は≪水弓アクアボウ≫を握っていた。そして、矢を放す!

 ただ、まっすぐに、突き進め!

 ヒュ・・・・・・・ドシュ!

 岩までそれなりに距離があったが命中した。

 けっこうえぐれてる。十分使えそうだな。

 後ろを振り返り、ノエルさんに声をかける。


「これで大丈夫そうですか?」

「・・・大丈夫そうではなく、十分だ。変わった構えだが、美しいな。」

「ありがとうございます。」


 それからは初級である≪水弾アクアバレット≫や独自魔法である≪水鋭刃アクアチャクラム≫、≪円水斬アクアベズソウ≫の練習もした。

≪水弾≫は親指で水を弾く魔法で、わかりやすくいうと漫画でよくある『指弾』の水版だ。

 普通は『小石を投げられた』程度の痛みしかないため、牽制にすら使えない絶滅危惧種な魔法らしいが、俺のは特別製で『大人の全力ストレートパンチ』くらい威力があるので問題なく使える。

 技を粉砕する圧倒的なパワーを求めたあの人の技をイメージしているのだ。当然といえば当然だが。

 また、≪水鋭刃≫はあれから更に薄く鋭くさせ、回転するようにしたら本来の性能を発揮してくれた。

 今のところ左右の手で二枚ずつ、計四枚までは同時創造できるようになった。

 近距離ではバレット、中距離はチャクラム、遠距離はアローと切り替えればこのあたりでは敵なしだろうとノエルさんのお墨付きをもらった。

 ただ、≪水鋭刃≫はノエルさんから見ても見事な出来のため、他人がそばにいる時はあまり使わないほうが無難とのこと。

 独自魔法は一種の奥の手のような特性上、秘匿性が重要らしい。

 水魔法の地位向上のためなら喜んで広めるんだが。

 あと、≪円水斬≫に関しては一旦保留することになった。

 理由は、強力ではあるが、創造に時間がかかるのだ。

 俺自身が不器用なので、どうしてもギザギザの刃を綺麗にイメージするのに手間取ってしまう。

 あれほどの高威力の魔法が必要な魔物はこの辺にはまずいないので、ゆっくり慣れていこうという結論に落ち着いた。

 それと、ノエルさんにも秘密にしていることがあるが、これは初級魔法使い試験の時に披露するつもりだ。

 ふっふっふ。




 ほわんほわんほわんほわん。

 回想終わり!

 と、いうようなことを一週間ほど続けたのさ。

 そして、今日はついに冒険者ギルドにいって登録をする予定の日なのだ!

 俺としてはもうちょっと魔法を学んでからいきたかったのだが、さきねぇが爆発してしまった。

 念のためいっておくが、物理的にではなく、冒険にいきたいウズウズ感と魔法使用禁止のストレスで精神的に、だ。

 前科があるからちゃんといっとかないとね!

 とりあえず今日は日課となったランニングを軽く流し、朝風呂に入っている次第です。

 朝から露天風呂とか最高すぎてやばい。異世界やばい。

 ノエルさんは10週間に一度やっているという、自宅周りの結界に綻びがないかの確認にいっている。

 さきねぇは日向ぼっこをするということで庭に「ひーいーろくーん!あーそーぼー!」


 とつぜん はだかの さきねぇが あらわれた !

 どうする ?

 → ひめいを あげる


「キャーーー!えっち!ばか!ヘンタイ!いつまでも見てないで早くドア閉めなさいよ!」

「お、おぅ・・・まさか逆ラブ○なとは・・・が、甘い!ムラサキ!ドラゴンダイブ!」


 ざっぱーーーん!

 さきねぇが走ってきてそのまま岩風呂に飛び込み、水しぶきがあがる。

 お湯がかかろうとも、しっかりとさきねぇの弾むおっぱいを目に焼き付けている俺は、弟の中の弟といえるだろう。


「いやー朝風呂は最高ですな!」

「ですね。ただ、お姉さま。一緒に風呂に入るなとは言わないから、せめてタオルは巻いてくれ。」

「ふっふっふ、お湯に布を漬けるなど邪道なり!我、裸なり。故に我あり。」


 裸に自分の自我を見出さないでいただきたい。




ここまでお読みいただきありがとうございました。


戦闘特訓と魔法特訓は細かく描写しようとすると長くなるし、面白くなくてダメですね。

今後は出来うる限り少なくする方向で頑張ります。

とりあえず今話で特訓回は終了です。

また、「いってきますーすー!」は誤植ではありません。ムラサキ言語です。


ご意見、ご感想ありましたらよろしくお願いいたします。

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