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あねおれ!~姉と弟(おれ)の楽しい異世界生活~  作者: 藤原ロングウェイ
第四章 冒険者になる前に魔法の訓練をしなさいって、おばあちゃんが言ってた!編
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第四十六姉 「やはり、私の目に狂いはなかった・・・お前がエースだ。」

前から『なんでワン○ースとかブ○ーチは修行とかなしでいきなり強くなってんだよ・・・』と思っていました。

実際に修行編書いてみると、盛り上がりがなくてあんまり面白くありませんね(笑)納得しました。

あと何話かしたら終わりますので、お付き合いください。

早くもっとバカやったりいちゃいちゃしたりしたいよー

 今まで学校で学んだ、フワっとした感じの理科の知識や、オタク知識がそのまま武器になりそうだ。

 文系の知識は・・・国語に日本史に英語か。

 うん、使えないね!




「よし、じゃあその水球ウォーターボールを岩にぶつけてみなさい。」

「はい。・・・水球ウォーターボール!」


 その声と同時に、水球ウォーターボールは小走りくらいに『ゆっくり』進み、岩にぶつかると、水風船のようにべしゃっ!とはじけた。

 ・・・あれ?


「遅くね?しかも威力ゼロなんだけど。もしやウケ狙い?」

「いやいやいやいや、ウケとか狙ってねーから!なんでだ?魔法力が低いから?」


 さきねぇと俺が???といった顔をしていると、われらがノエル様からお声をかけられる。


「・・・よかった、これでもし高速で突っ込んで岩を粉砕したらどうしようかと思った。」

「エルエル、なんであれはあんなだったの?魔法力不足?」

「いや、魔法力ではないよ。魔法力Dもあれば、あの程度の岩なら粉砕できるからね。単純に創造力不足だ。ヒイロ、ただ『動いて岩にぶつかる』しか創造しなかったね?」

「・・・あ、そうだ。どんな速度で~とか、岩がどうなる~とか一切考えてなかった。」

「初心者が陥りやすい失敗だな。教えることがちゃんとありそうで私も安心だ。」


 そこで安心されても、こっちとしては困る。


「そこまで考えないといけないの?めんどうね。」

「まぁな。しかし、慣れればいちいち考えなくてもその時の自分に最適な速度や威力をだせるようになるよ。手足を動かすのに、わざわざ『どっちの足を動かしてから、どっちの手を動かして~』なんて考えないだろう?」

「つまりは要訓練ってことですね。」

「そういうことだ。しかし、それでも初めてであの速度がでるなら十分だと思うぞ?初心者は『魔法が飛んでいかない』なんてこともあるしな。」

「だっさ。ひくわ。」

「そういわないでよさきねぇ。これ、慣れるまではけっこう大変っぽいよ?」


 デモンズソ○ルだって慣れるまでに十時間近くかかったしな。

 さきねぇは最初から神掛かった動きだったが。


「はっはっは!魔法量もDだから、あの程度の魔法ならまだまだ大丈夫だ。ゆっくり練習するといい。見ててあげるから。」

「かっせかっせ、ヒ・イ・ロー!」

「任せろ!時の止まった時計塔までぶっ放してやるぜ!」

「キャー素敵ー!抱いてー!」

「・・・(相変わらずテンション高いし仲いいなこいつら)」



 その後も水球ウォーターボールの練習を続けた。

 ちょっと集中力をなくすと速度が遅かったり、威力がなくなったりしてしまう。

 むぅ・・・。

 さきねぇも暇そうにゴロゴロしている。

 ちょっと疲れたな。


「よし、ヒイロ、少し休憩にしよう。」

「わかりました。ありがとうございます。」


 俺は木陰に座り込む。

 ずっと夢中で練習してたからわかんなかったけど、のど渇いたな。

 そう思っていると姉が近づいてきた。


「先輩、お疲れ様です!これ、差し入れです!」


 ・・・マネージャーごっこか?しかも年下系とは珍しい。

 しかし、差し入れって川の水かよ。いや、うまいけどさ。


「次の決勝に勝てば甲子園だからね。負けられないよ。」

「頑張ってください!私、応援してます!私を・・・紫を、甲子園に連れてって!」

「「でででででででで、でででででででで、でででででででで、でででででで!」」

「な、何が起こった!?」


 いきなり歌いだした俺たちにノエルさんがビックリしていた。




 水を飲みながら、木陰で寝転がる。

 良い休日ですね。


「ふぅ・・・とりあえず魔法は創造できるけど、安定しないんだよなー。」

「そんなことはない。少しずつ良くなっているぞ?初日でこれなら、一年もしたら教えることは何もなくなってしまいそうだ。」

「ふむ・・・ねぇヒロたんヒロたん。」


 ヒロたん・・・?

 俺とノエルさんが胡散臭そうな目でさきねぇを見る。


「え、何?飽きちゃった?ごめん、もうちょっとだけ練習させてもらっていい?」

「いや、それはいいのよ。ヒロがこんなに何かに一生懸命になってるなんて久しぶりだし。お姉ちゃん応援するわよ?そうじゃなくて、魔法ってオタクの『妄想力』と『思い込み』だってさっきいったじゃない?」

「うん、そんな感じな気がするけど。」

「だったらさ、ごにょごにょごにょごにょ・・・」

「ふんふん・・・確かに!出来たらちょうかっこいいな!」

「でしょ?」

「お、なんだ、何かいい案が浮かんだのか?」


 ノエルさんが興味しんしんな感じで聞いてくる。

 大陸最高峰の魔法使いですら、俺たちの『日本製魔法』には興味をひかれるようだ。


「ふっふっふ。百聞は一見にしかず、よ!さぁザーボンさんドドリアさん!やってしまいなさい!」

「お任せください!」


 俺は目を閉じる。集中~・・・

 はい、水球ウォーターボールできました。

 そして、これからさらに『想像』を加えて『創造』する。

 ・・・カッと目を開く!


「いけ、ファン○ル!」


 その瞬間、すごい速さで岩に体当たりをかます水の塊。

 ガァァァン!

 まだまだ!

 さっきまでは一度岩にあたると消滅していたが、今回は違う。

 岩にぶつかると同時にすぐに宙に戻り、複雑な動きをしながら、再度ぶちかましをかける!

 ガァァァン!ガァァァン!ガァァァン!ガァァァン!

 上下前後左右、全ての方角からぶちかましをかける水の砲弾。

 これぞまさしく、オールレンジアタック!


「戻れ!」


 行きと同じように、すごい速さでこっちに戻ってくる水の塊。

 そして、水の塊が俺の目の前でふよふよと浮かんでいる。


「・・・まさか、オールドタイプの俺が、な。感無量であります、大佐。」

「やはり、私の目に狂いはなかった・・・お前がエースだ。」

「「はっはっはっはっは!」」


 やっぱオリジナルよりコピーしたほうが強いし使いやすいな。

 ガンガンパクってアレンジしよう。

 あれ、ノエルさんの反応がないぞ?


「・・・ちょっと待て。何だ今のは?さっきまで普通だったのに、なぜいきなりあんな高速で複雑な動きをしだすんだ。ここまでくると、すごいというより異常だぞ?もしや、さっきまで手を抜いていたわけではないだろうな?説明、してもらうぞ。」


 あれ、なんかすごい怒ってる!なんで!?


「えっとですね・・・」


 さきねぇと二人がかりで説明をする。

 さっきのファン○ルは自分のオリジナルではなく、もとから知っているものをアレンジしただけということ。

 さっきまでしていた練習の結果が本当の自分の実力であり、手を抜いていたわけではないこと。

 怒らないでほしいということ。

 30分ほど説明して、なんとかわかってもらえた。




ここまでお読みいただきありがとうございました。

ご意見、ご感想ありましたらよろしくお願いいたします。

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