表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あねおれ!~姉と弟(おれ)の楽しい異世界生活~  作者: 藤原ロングウェイ
第四章 冒険者になる前に魔法の訓練をしなさいって、おばあちゃんが言ってた!編
45/191

第四十五姉 「初めてやったゲームは4歳の時の『アトラン○ィスの謎』だもんね!」

読者さんから感想をいただきました。

よかった、紫お姉ちゃんは受け入れられているようだ・・・。

紫さんが、よくある『王道の姉キャラ』から外れているのは自覚していたので、好まれないかもしれないとちょっと不安でした。

まぁそれでも書くんですけど。


すいません、前回に続き、またもや説明回です・・・大変申し訳ない。

次話からはいつもどおりな感じです!

それと、この章短くなるとかいいましたが、それほど短くはならないっぽいです。

ToLOVEる回なんて作るから・・・

「!?ど、どうしたの?」

「わ、わからないところがあったか?」

「いや、あの・・・できたんですけど。」

「「は?」」


 俺の手のひらには、水の塊がふよふよ浮かんでいた。




「おおー、どっからどうみても、見事に『水球ウォーターボール!』って感じね!すごいじゃない!」

「ま、待て!すごいなんて話じゃないぞ!?どうなってる!?どうやったんだヒイロ!?」


 なんか、ノエルさんがすごい興奮してる。

 ちょっとひくくらいだ。


「え、いや、あの、言われたとおりに水の玉を想像したんですけど・・・」

「だ、だからといって早すぎる!川に手もつけていないじゃないか!」

「川に手?」

「普通、水魔法の練習は水に手をつけて行うんだ!そこから水を掬って、それを動かすところから始める!」

「え、エルエルそれ教えなかったじゃない。もったいつけすぎでしょ?」


 確かに。初心者用の練習方法があるならそれを教えてくれってばよ!


「それに慣れてしまうと、戦闘中に創造するのに時間がかかるようになってしまうんだ。だから、最初は普通にやらせて、できなそうであればそっちに移行しようかと思っていたんだが・・・まさか、一日、いや、数分でできてしまうなんて・・・ヒイロ。君は自分を凡人だといっていたが、過小評価だ。君は私を超える天才かもしれん。」

「!だってよヒロ!すごいじゃない!さすが私のかわいいヒロ!」

「お、おう・・・」


 褒められることに慣れていないせいか、褒められすぎて逆に怖い。落とし穴がありそうで。


「でも、こんだけ空気中に水分が含まれているところでやれば、水を集めるなんて簡単じゃないですか?だからここを選んだんだと思ったんですが。」

「クウキチュウニスイブン?どういうことだ?」

「え、だから・・・」


 簡単に化学の説明をする。

 めんどうだからはしょるが、俺自身、完全なるバカ文系だから説明に苦労した。


「この『まわりの空気の中に目に見えない、触れられないほどの大きさの水がある』とは・・・驚きだ。その、もういっかいやってみせてもらっていいか?」

「了解です、先生。」

「せ、せんせい!そ、そうか・・・先生か・・・」


 なぜかニヤニヤしだすノエルさん。

 教え方も上手いし、先生にもってこいの人だと思うんだが、そういう経験はないみたいだな。

 とりあえず、目を閉じる。




 一番初めに思ったことは、何もない空間から水を作り出すより、すでにある水を利用すればいいのではないかと考えた。

 まぁ当然だ。そのために水辺に来たと思っていたからな。

 ただ、少し離れた川から水を持ってくるのはダメな気がする。

 実戦で『近くに水がないから水魔法使えません(><)』とかいってる魔法使いがいたらぶっ飛ばすよね。

 というわけで、空気中の水分を使ってみようと思った。


 空気中には水分が含まれる。学校で学んでそれを知っている。

 運よく水属性だった俺は、それを集めればいいだけだ。

 もちろん、空気中の水分なんてどうやって集めるんだという話になる。


 そこが異世界クオリティ、つまり『魔法』のすごいところだ。

 多分、俺たちがよく知ってる物理法則などをねじまげることができるっぽい。

 でなければ、ノエルさんが実演してくれたように『何もないところから火の玉を出現させ、宙に浮かせる』などできるはずがないからだ。


 なので、俺がするイメージは『周りの水が手のひらに集まって、ビー玉のような綺麗な玉になるイメージ』だ。

 すると、体の中から、少しだが何かが減っていく感じがする。

 これが『魔力を消費する感覚』ってやつなのか?

 なら、いけんじゃね?

 しかも『水』だよ?幼い頃からあれほどさきねぇのおかげで慣れ親しんだ『水』だよ?

 回復オンリーとか、水属性無双なんて想像すらできない、地味なイメージがある『水』だよ?

 俺にピッタリじゃん!できないはず、なくね?

 俺は目を開ける。



 そこには、透き通った、綺麗な水の球体が浮かんでいた。


「これで、どうっすか?」

「す、すごいな・・・いや、なんか、すごいわ。私でさえ9歳になって初めて魔法を使えたんだぞ?」


 そっちのほうがよっぽどすげーよ。


「おおー、すごい綺麗ね。さっきエルエルが『どれだけ魔法に慣れ親しんでいるかで習得時間はかわる』って言ってたけど、ほんとみたいね。」

「あーなるほどね。だったら俺がすぐに魔法を使えても納得だわ。」

「初めてやったゲームは4歳の時の『アトラン○ィスの謎』だもんね!」


 ふっふっふ、俺たちが今までどれだけのゲームをやってきたと思っているのだ。

 持っている漫画だって千冊超えている。

 アニメだって、面白そうなものは全録画だ。

 つまり、幼少の頃より魔法の英才教育を受けてきたようなもんだ。

 ジャパンクオリティすげぇな!

 魔法大国日本万歳!


 とりあえず、わかったこと。

 ノエルさんは『創造力』が必要だといったが、『空想力』とか『妄想力』と呼んだほうが妥当な気がする。

 加えて、さきねぇの言った『思い込み』が大事っぽい。

 漫画などで、氷使いが『空気中の水分を凍らせて氷として使う』というやつがある。

 だが、本来、空気中の水分なんて目に見えないほど微細であり、量も少ないのだ。

 集めたところでたかが知れてるし、氷操れるんだったらそんなことしないで普通に氷作れよ、と思う。

 だが、この世界では、そんな理屈は必要ないのだ。

 必要なのは『当然のように、空気には水が含まれていることを知っていること。常識だろ?』だ。

 俺も空気中に水分があることは知っていても、どれくらいの量があるかなんて知らない。

 だが、実際問題として、俺の目の前にはバスケットボール大の水の玉が浮かんでいる。

 つまりはそういうことなんだろう。


 多分だが、物理や化学の法則として、間違っていたとしても問題ないかもしれない。

 ただ、『それが当然である』と『思い込んでいれば』創造できる可能性が高い。

 ノエルさんの火魔法がいい例だ。

 この分だと、風属性も十分使えるっぽいな。

 ノエルさんも含め、この世界のほとんどの人はきっと『見えない風の刃が敵を切り裂く』ところなんて見たことがないんだろう。

 だが、さきねぇと俺は『知っている』し『見たことがある』のだ。

 ウインドカッターだとか、バ○クロスだとか。

 そうなると、この世界でどれほど『独創的な魔法』だとしても、俺たち姉弟からすれば大抵のものは『ああ、あれね。○○のあいつが使ってたやつだ』だろう。

ること』は『ること』であり、『ること』は『ること』である、といった話を聞いたことがあるが、納得だ。

 ・・・いけるぞ。

 今まで学校で学んだ、フワっとした感じの理科の知識や、オタク知識がそのまま武器になりそうだ。

 文系の知識は・・・国語に日本史に英語か。

 うん、使えないね!




ここまでお読みいただきありがとうございました。


なんと、昨日一日で2件も評価をいただきました。

ありがとうございます。

紫お姉ちゃんも「フヒヒw」とか言って喜んでました。


この世界の魔法は『あの漫画であいつが使ってたあれ、使えるんじゃね?』と思って再現しようとすれば、大抵は使える感じです。

属性は関係ありますし、威力や規模などは魔法使用者の魔法力や魔法量に準じる形ですが。


ご意見、ご感想ありましたらよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ