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あねおれ!~姉と弟(おれ)の楽しい異世界生活~  作者: 藤原ロングウェイ
第二章 異世界の町にいってみよう!編
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第十九姉 「なんで持ってんの?なんで持ってんの?食べてみたいから持ってるの!」

みなさん、おまたせ(?)しました!

19話にして、ついに魔物の登場です!熱い激突シーンにご期待ください!

「あ、その前にお花摘みいってくるお!」

「・・・嘘だろ」


 いつもどおりのお姉さまだった。



 お花摘みを終え、家を出発し、三人並んで森の中を歩いていく。

 もちろんアスファルトのように舗装されているわけはない。

 デコボコしているし、雨でも降ったら大変なことになること確実な地面むき出しだ。

 まぁ田舎の田んぼ道みたいなもんだ。

 なので、当然姉と俺は手を繋いでいる。

 何が出てくるかわからないからな。

 姉は俺が守る!キリッ!

 まぁ実際は姉のほうが数倍強いみたいだけどね・・・


「ででででー!でででー!でででー!でででーでっでででででー!ででででー!」


 姉は上機嫌に有名RPGのフィールド音楽を口ずさんでいる。3だ。

 そのうち角の生えたウサギとかでてきそうだな。

 しかし、うちのお姉さんはすごい美少女なんだが、こういう子供っぽいというか、無邪気なところがあるから余計にかわいいんだよな。無敵なんじゃないか?


「・・・さっきから歩いてるけど、魔物が全然出ないわね?」

「そんなちょっと歩いたくらいで魔物がでるような場所に家なんて建てるか。」


 そりゃそうだ。


「それに、あの家の周囲は私の火魔法と土魔法に加え、エルフの秘儀で守りを固めている。このあたりに出現する魔物程度では近づけないよ。」

「へー。もしかして、結界ってやつですか?」

「お、よく知ってるなヒイロ。土魔法で溝を作り、その溝を火魔法で焼くんだ。それで周囲を囲う。強い魔法力をこめれば、魔物は溝に近づくだけで『強力な力をもったナニカがいる』という恐怖を感じて逃げ出すのさ。さらにエルフの詩の影響で、生物は無意識にこのあたり一帯に近づき難くなっている。」

「・・・なんか想像してた『結界』と違うわね。どちらかというと『熊のナワバリ』みたい。」

「ぶっ!ははは!確かに!」


 ドヤ顔をしていたノエルさんがちょっとムッとした顔に変化する。


「む!ちゃんとした結界も使えるぞ!ただ、あれは使用中に動くことが難しいんだ。建物に結界を張るなんて防衛戦くらいなものだ。それに、熊はエルフの詩なんて歌わないぞ!」

「わかったわかったよジョニー。で、エルフの詩ってどんなもんなの?シマ○タ?」

「マジか・・・エルフ=沖縄人説とか新しすぎて誰もついてこれないな。」


 でも、ちょっと面白いと思ってしまったことは秘密だ。




 そんな話をしつつ30分ほど歩くと森を出た。

 森を抜けると、草原が広がっていた。

 遠くにちっちゃな石造りの建物が見える。あれが街かな?

 ちょっとした林や草むらはあるが、マンションみたいな背の高い遮蔽物がないから遠くまで良く見える。

 テレビで見たサバンナみたいだ。


「魔物いないわねー。魔物やーい、出ておいでー?出ないと目玉をほじくるぞー?」

「こわっ!」


 さすがのジ○リも異世界人には通用しないか。


「そんなこといってっと、本当にでてきちゃうぞ。いきなりアークデー○ンとか出てきたらどうすんだよ。」

「魔物がでてきたら『きゃーこわーい♪』とか言ってヒロに抱きつこうと思ってる。」

「そんなことはきいとらん。」


 そんな会話のせいか、あたりをキョロキョロ見渡しながら歩く。

 あれ、なんか草むらがガサガサしてる。

 え、ボーリングの玉がゆっくり転がってきたぞ?

 なんぞこれ。


「お、ほら、念願の魔物だぞ。」

「「え?」」


 ノエルさんがボーリングの玉を指差す。

 その間にムラサキ色のボーリングの玉が近づいてくる。

 あ、ちょっと透けてる。

 あと真ん中に石みたいのが見える。


「も、もしや、これがあの有名なスライ「おらぁ!」


 むらさき せんしゅの きょうれつな きっく !

 きーぱーは はんのう できない !

 ぼーるは まっすぐに ごーるの なかへ !

 ぐちゃ!


 さきねぇに全力で蹴られたスライム(?)は木にぶつかって、どろどろに溶けだした。

 ノエルさんは笑顔でパチパチと拍手をしている。

 これが、初戦闘、だと・・・?


「ぱぱぱぱーぱーぱーぱっぱぱー!」

「え、ちょっと待っておかしくない!?なんでいきなり蹴るの!?もっと観察するとかしようよ!魔物だよ!?何してくるかわかんないんだし!あいつが実は硬かったらどうすんの!?つーか『きゃーこわーい♪』はどこいった!?」


 ちょっと期待してたのに!


「私は弟愛がアップ!弟愛がアップ!弟愛がアップ!」

「聞けよ!あと作品を統一しろ!メーカーは同じだけど!」

「なによ、柔らかかったわよ?マジでサッカーボールみたいだったわ。まぁ硬かったとしても、私のタイガーショットなら余裕だったけどね!あ、きゃー!こわーい!」

「いまさらだよ!思いっきり蹴り殺してるよ!」


 素敵な笑顔を見せ、俺に抱きついてくる紫お姉ちゃん。

 悔しいけどかわいい!ちくしょう!


「初めて出会った魔物がパープルグミーとは、幸先がいいな。」

「え、あいつ、パープルグミーって名前なんですか?」


 無難にスライムでよかったんじゃないか?

 なんだよグミーって。グミか。食べられるのか。

 無駄にオリジナリティ出そうとするなよ異大陸。


「なんで幸先いいの?メタル的なやつなの?」

「『メタル的』が何を意味するのかわからないが、他のグミー系と比べて圧倒的に数が少ない上にすぐ逃げるから、弱いくせに倒すのが大変なのさ。見かけたらその日はいいことが起こるといわれている。」

「じゃあ倒したから数日は超ラッキー状態が続きそうね!ヒロ、宝くじ当たったらどうしよう!」


 あんのか、異世界に宝くじ。

 当たったら、もらえるものは金なのかアイテムなのか。

 そんなやりとりの間に、ノエルさんがスタスタとパープルグミーの残骸に近づき、手ですくって食べた。

 ・・・え?ナニタベテルノ?


「美味いぞ。溶けないうちに食べたほうがいい。せっかくのごちそうだ。」

「「・・・・・・」」

「ちょっと、ヒロ食べてきてよ。」


さきねぇにヒジでつつかれる。


「え、俺?俺なの?さきねぇいってきてよ。」

「お姉ちゃんにあんなの食べさせるの!?」

「弟にあんなの食べさせるの!?」

「お姉ちゃんの言うこと聞きなさい!」

「聞きます!」


 反射的に答えてしまった・・・。

 しかたなく、パープルグミーの残骸に手を突っ込む。

 うわぁ、めっちゃぷるぷるしてるよー。


「なんで持ってんの?なんで持ってんの?食べてみたいから持ってるの!」

「ちょ、静かに待ってろよ!今食べるから!」


 なんで持ってんのコールがかかってしまった。

 食べるしかない。

 ヒイロ少尉、突貫します!


「・・・・・・」

「どう?どう?どんな感じ?やばい?」

「あー・・・これは完全にブドウ味のグミだわ。美味い。」

「オレンジグミーならオレンジ味、レッドグミーならいちご味だ。」

「ちょっとヒロ、ずるいわよ!私にもちょうだい!あーん!」


 姉はさすがの変わり身の早さを見せた。

 そして結局、半分近くをあーんで食べさせっこした。

 残りはノエルさんが魔法袋に保管してくれた。

 おやつ、ゲットだぜ!




ここまでお読みいただきありがとうございました。

ご意見、ご感想ありましたらよろしくお願いいたします。


まぁこんなもんです。今後もこのレベルでいくと思います。

冒険者になったらもっと強い魔物と戦うと思いますけど、当分はこんな感じで。

最初は『ゴブリンがでてくるが、ノエルさんが火魔法で瞬殺。返して!わたしたちの魔物との初遭遇っていうときめきを返して!と叫ぶ紫さん』という内容でした。書いているうちにどんどん新しいことが付け足されていきます。

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