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あねおれ!~姉と弟(おれ)の楽しい異世界生活~  作者: 藤原ロングウェイ
第二十三章 夢か現か?不思議なお茶会へようこそ!編
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第百七十三姉「・・・あの、どちら様ですか?」

新章で全四話ですが、二点お伝えすることがあります。

1、女の子の新キャラいっぱいでます!しかも(多分)今回限りのスポット参戦。大盤振る舞い!

2、以前あとがきや感想で「多分書きません(笑)」とか言っておきながら書いてしまいました。反省はしている。後悔はしていない。

「・・・ふあぁ~ぁあ。おはよう。」


 目を覚ます俺だが、すぐに違和感に気付く。


「あれ、さきねぇ?」


 ベッドを見るとさきねぇがいない。

 というより、ベッドにいた痕跡がない。

 おかしい、寝相の悪いさきねぇが一緒に寝てて、こんなに布団が整っているわけがない。


「いや、確かに一緒に寝てたはず・・・先に起きた?まさか。」


 あり得ない妄想を一瞬で放棄する。

 まぁいいか。リビングにいけばノエルさんがいるだろうし、聞いてみよう。

 ・・・あれ、そういやいつもは異世界鳥の変な鳴き声で起きるのに、今日に限っては普通に起きたな。

 さきねぇもいないし鳥も鳴かないとは、今日は世界が静かですね。

 部屋を出てリビングに向かう。

 お、話し声が聞こえる。


「さきねぇ、珍しく早起き・・・」

「「・・・・・・」」


 リビングに、見知らぬ美人と幼女がいた。






「・・・あの、どちら様ですか?」

「・・・少年、どうやってここに?」

「は?」


 どうやってここにって、普通にだけど。

 つーか誰やねん。背も高いしめっちゃ美人さんやな。胸部装甲は貧しいが。

 よく見るとノエルさんに雰囲気が似ている気がする。

 髪の色も似てるし、親戚か?

 いや、でもノエルさん同族嫌いだしな。

 この家に入る許可を出すはずがない、と思うんだが・・・


「おークソガキじゃないか!よくここに来れたな!アメでもやろう!ガハハハ!」

「・・・え?」


 どう見ても小学校低学年にしか見えない赤髪の幼女にクソガキ扱いされました。


「すまんな少年。鮮血の月は言葉遣いが悪くてね。あまり気にしないでくれ。」

「は、はぁ。」


 センケツノツキって何?というか人名なの?前衛的すぎね?


「まぁそこに掛けたまえ。立ち話もなんだろう?」

「は、はぁ。ここノエルさんちで俺んちみたいなもんですけど、わかりました。」


 素直にいつもの席に腰掛ける。

『いきなり自宅で我が物顔で話し込んでいる初対面の人物の言葉に素直に従うとかお前はバカか』と思われるかもしれないが、目の前の彼女から悪意を全く感じないのだ。

 大丈夫、ファ○通の攻略本だよ!


「さて、私たちは少年のことを知っているが、少年は私たちのことを知らない・・・わけではないが、気付いていないだろう?とりあえず自己紹介しておこうか。」

「あ、お願いします。俺はヒイロ・ウイヅキです。」

「ご丁寧にどうも。私は月光剣と呼ばれているものだ。こっちは鮮血の月。」

「よろしくなクソガキ!ガハハハ!」

「・・・?」


 眉をひそめる。

 このお姉さんが何言ってるのか全くわからないのは、俺がバカだからなのだろうか。


「わかりやすく言うと、君の師であるノエルが所有する魔剣【月光剣ムーンライトブレード】と【鮮血の月ブラッディマンデー】の精霊さ。」

「・・・はぁ!?」

「ついでに言うと、ここは剣界。武器の精霊が集まる隔離世の一部だ。」

「・・・・・・うん?ケンカイ?カクリヨ?すいません、ほんと申し訳ないんですけど、全然わからないんですが。」

「こんだけ説明してもわかんねーのかよ!ほんとにクソガキだなお前は!あとで勉強を見てやろう!ガハハハ!」


 何が面白いのか、爆笑している幼女。


「剣の世界という意味で剣界だ。まぁ剣以外にも武器であり、なおかつ精霊が宿っていればここに存在することはできるがね。」

「・・・・・・」


 ふぅー。落ち着こう、まだ慌てる時間じゃない。

 とりあえず、全てにおいて『意味がわからん!』と声を大にして叫びたいところだが、それで物事が解決するはずもなし。

 ならば、逆に『彼女らの言っていることが全て真実である』という前提で考えるか。

 もしドッキリなら後で笑い者になればいいだけの話。


「納得はしてませんが、理解はしました。あなた方は魔剣の精霊であり、ここは武器の精霊が集まる異界である、と。」

「ふむ、やはり少年は聡いし素直で良いな。ノエルが可愛がるのもわかるというものだ。」

「ありがとうございます。えっと、それでお聞きしたいのですが、ノエルさんやさきねぇはここには?」

「いや、いないよ。そもそもただの人間が入ってこられるような場所じゃないんだがね。」


 困ったような顔をしているお姉さん、いや、月光剣さん。


「つまり俺はイレギュラーってことですか。」

「まぁそういうこったな!きっと寝てる最中に混線したんだろ!目が覚めりゃあいつもの生活さ!難しく考えないで、気楽にいこうぜ気楽によ!ガハハハ!」


 偉そうに両腕を組んで爆笑する鮮血の月さん。

 このちっちゃいくせに無駄に説得力のあるかっこよさはノエルさんに通じるものがあるな。


「しかし、偶然とはいえ少年ですらここにこられるのに、ノエルは私たちを所有してから百年近く経つのに何をやっているんだか。」

「ははは・・・あ、そういやなんでここノエルさんちにそっくりなんですか?剣界っていう異界なんですよね?」

「ん? ああ、わかりやすく言うと鏡の中の世界みたいなものと考えてくれればいい。私たちは普段ここで生活しているから、この姿でもここに顕現したというだけさ。」

「なるほど。つまり剣の状態の時に馴染みのある場所を形作る感じですかね?」

「ああ、そういう感じでとらえてもらえばいい。」


 ・・・お?ということは?


「お二方、さっきから何を騒いでますの?・・・ってあら。もしかしてヒイロさんではなくて?」


 突然リビングにやってきた金髪縦ロールのお嬢様っぽい女性から声をかけられる。


「あの・・・あなたは?」

「わたくしですか?嫌だわ、ヒイロさんったら。わたくし、ミカエルですわ。」

「ミカエル、ですか。奇遇ですね。私の姉の武器もミカエルって言うんですよ。ミカエルくんって呼んでますが。」

「ですから、そのミカエルですわ。あなたのお姉さんがいつも使っているハンマーの。」

「え、ほんとにミカエルくん!?普通にかわいい女の子じゃん!!」

「あらいやだ。ヒイロさんってばお上手ですわね。ウフフ。」


 口元に手を当てて、クスクスと笑うミカエルくん、じゃなくてミカエルさん。

 お上品ですね。持ち主にも見習わせたいですね。


「三人ともー!ヒイロさんがお見えになってますわよー!」


 その声を受けてドタタタタタ!と走ってくる音が。

 そして。


「わぁー!本物のヒロちゃんだぁー!かわうぃーねー!」


 ロリ巨乳に抱きしめられる。

 おっぱいすげぇ!でけぇ!さきねぇクラスかそれ以上あるとかやべぇ!


「だ、誰!?」

「わたしー?ノブナガだよー?」

「ノ、ノブナガさま!?え、だって本体めっちゃおっきいじゃん!?」

「えー?わたしもおっきいよ?」


 俺から離れ、服の上から自分の胸をもにゅもにゅ揉みだすノブナガさま。つーかノブナガちゃん。


「こ、こら!女の子が男の目の前で胸なんか揉まないの!お兄さん怒りますよ!」

「あははー!はーい!」


 ピュー!っと駆け出すノブナガちゃん。

 あの自由奔放さ、さきねぇの武器!って感じだなぁ・・・

 そして・・・


「・・・・・・」


 終始無言で佇んでいる中肉中背の茶髪の女の子。


「えっと、君はマサムネちゃん・・・でいいのかな?」

「・・・・・・(コクッ)」


 なんでしゃべんないのこの子。

 性格なのか、それともこういうキャラ作りなのか・・・刀だし侍っぽく。


「ヒロちゃーん!連れてきたー!」

「わ、わたしはいいよぅ・・・」


 ノブナガちゃんがいかにも地味ーな感じのおさげ少女を連れてくる。

 まさか、この地味子ちゃんは。


「ほらー棍棒ちゃんごあいさつー!」

「あの、えっと、その・・・ス、スマート棍棒です。」


 やっぱり・・・棍棒まで精霊がいるのか。


「・・・君が、俺の相棒さんですか。」

「じ、地味ですいません・・・」

「い、いやいや、俺のほうこそ地味ですいません・・・」

「そんなことないです!わたしのほうが!」

「いやいやいやいや、俺のほうが!」

「・・・少年。いつまで続ける気かわからんが、そのへんにしておいたらどうだ?お茶でも飲んでゆっくりしたまえ。」


 月光剣さんが苦笑しながらも止めてくれました。


ここまでお読みいただきありがとうございました。

ご意見、ご感想ありましたらよろしくお願いいたします。


剣の精霊は魔剣だと標準装備ですが、普通の武器も長年使われていたり大事に使われてたりすると憑きます。

あれ、もしかして精霊っていうより、妖怪?

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