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あねおれ!~姉と弟(おれ)の楽しい異世界生活~  作者: 藤原ロングウェイ
第二章 異世界の町にいってみよう!編
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第十六姉 「ベギ○マー!」

短くはしましたが、半分説明回です。

とりあえず章の頭ということで、少しだけご辛抱ください。

「・・・敵かな?味方かな?」

「!!!!????ふ、二人は敵同士だったのか!?!?!?!?」

「もう、お前ら、黙れ。」


 もうやだこのおもしろガールズ。




 事情を説明し、やっと納得してもらう。


「す、すまない。私の早とちりだったみたいだな。」

「まぁ姉の悪ノリの結果でもあるんで。気にせんでください。」

「ねぇーあたしおなかすいたーはやくたべたいー!はりーはりーはりーはりー!」

「張っ倒すぞ!」


 朝飯が遅れてるのは9割あんたのせいだよ。

 ・・・残り1割は俺かもしれんけど。


「では精霊に祈りを捧げよう。・・・さて、食べるか。おかわりもあるからな。」

「「いただきまーす!」」




 あの『どんぐりころころどんぐりこ、お池にはまってさぁ異世界事件』から数日が経った。

 ノエルさんの善意によりこの家に泊めてもらいつつ、この『大陸』について教わった。


 今俺たちがいる場所はトポリス王国という国の、都会と田舎の中間な地方らしい。

 ここは森の中だからわからなかったが、ここから歩いて一時間くらいのところに『アルゼン』という街があるそうだ。

 よく考えると、ここに一人で住んでいて街まで一時間なんてけっこう大変だ。

 もし病気にでもなったらどうするんだろうか?

 そもそもなんでこんな森の中にぽつんと家なんて建てたんだろうか?

 ノエルさんに聞いてみたのだが


「・・・色々あってね。でも、ここに家を建てて良かったよ。君たちに出会えた。私の長い人生で二回目のファインプレーかな。」


 とのお言葉を頂戴した。ちょっと照れくさい。

 あ、あと、文字も教わった。

 というより、まんま漢字とカタカナだった。

 漢字は貴族が使うかっこいい文字で、カタカナは全種族共通文字らしい。

 世界観や名前はファンタジーなのに、なんで文字や言葉は日本語なの?バカなの?とも思ったが、最初から新しい言語や文字を覚えなくていいぶん、精神的にかなり楽だ。

 こちとら日本語と英語だけで精一杯だっつうの。

 それから、暦も存在していた。

 まぁ古代バビロニアのギル様時代からあったみたいだから、そりゃあるよね。

 でも曜日が『日月火水木金土』なのは驚いた。

 ただ、日本と違って、最初が『第一の日の日』『第一の月の日』・・・と続いて、最後が『第五十二の土の日』で一年が終わるらしい。長ぇよ。

 つまり『年』と『日』はあっても『月』は存在しないようだ。

 ここ実は日本なんじゃね?ユニバーサルなスタジオ的な。

 まぁ覚えやすいからよしとしよう。

 これで『今日は竜の年の火の月の氷の日です。』とか言われても困る。

 いったい今日は何日なのかアラビア数字ではっきりさせろよ、と。

 まぁこんな日本ライクなところもさきねぇの持つラッキーパワーのおかげだと思うことにしよう。

 さすがに通貨は違ったけどね。単位はパルだって。

 なんでパル?とも思ったが、一番高価な貨幣が紫貨らしいので、パープルがパルになったんじゃないかと予想。ゲームでよくある『ゴールド』だって金貨だからゴールドだし。

 魔法に関しても教わったが、基本的な知識だけで、使い方はおしえてもらえなかった。

 ノエルさん曰く『自分の適性や力を知らずに魔法を使えてしまったら、大きな事故を引き起こす可能性があるからダメ。適性検査終わったらな。』ということだった。


 言われてみれば、確かにそうだ。

 この広い世界には休日、ニュースを見ていたらいきなり立ち上がり、ポーズをとって


「ベギ○マー!」


 とか言い出す人間も存在するのだ。

 もちろん、うちの姉のことだが。

 もし実際に出てしまったらテレビはぶっ壊れていたし、家が火事になっていただろう。

 もちろん出るはずもなく、何もなかったかのように座ってテレビを見直していた。

 本人に聞いたら『なんか、今日はできるかもしれないと思った』と言っていた。

 もちろん根拠はなしだ。

 そこで俺は


「ベギ○マはあれで高等呪文らしいから、最初はメ○とかギ○あたりからはじめたほうがいいんじゃないかな?本当に出たときのことを考えると、庭でヒャ○を使ってくれるのが一番安全だけどね。」


 とアドバイスを送った。

 姉は『確かに!こいつ、天才か・・・』って顔をしていた。

 バカにしてんのか。

 しかし、次に練習した呪文はフィンガー・フ○ア・ボムズだった。

 めっちゃランクあがってるやん。

『できるかもしれないと思った』らしい。

 できるかもしれない、で本当に出来たらこの家どころか辺り一帯が焼け野原になってるんですけど。

 それを聞いて、きっとライト兄弟とかダヴィンチもこういう人たちだったんじゃないかなーなんて思ってしまった。

『今日は飛べるかもしれないと思った』みたいな。

 そう考えると、偉人の家族や友人は俺のように大変だったんだろうな、なんて見知らぬ方々に親近感を持つようになった。




 そんなこんなで朝食を食べ終える。「おかわり!」

 なんの卵とソーセージなのかはわからないが、美味しかった。

 聞くのはやめておこう。

『ウミガメのスープの話』みたいなことになってたら、すでに何度も食べてるから手遅れだし。「もいっちょおかわり!」

 今日はどうしようかな。散策もいいけど、タダメシ食ってばっかじゃ申し訳ない。

 薪割りして・・・あとは森でキノコでも採ってくるか?ありそうだし。

 でも毒キノコの見分けなんてつかないしな~。「それからどした~!のおかわり!」


「お前マジでやめろよ!恥ずかしいよ!立場を考えろ!」

「え、だっておかわり自由のおさわり自由だって、エルエルが・・・」

「いや、おかわりはしていいが、え?おさわり?なにを?」

「ほら、気にしだしちゃった!紫のおバカ!変態を移さないの!めっ!」

「・・・うりゃ~!ムラサキ菌だぞ~!HENTAIになっちゃうぞ~!」

「え、なに!?なんだ!?どういうことだ!?な、なぜ触ろうとしてくる!?!?」


 テーブルの周りをグルグル回り始めて追いかけっこをはじめる姉と幼女。

 朝から元気だな。

 俺はリンゴジュースっぽいものを飲みながら一服していた。



「ねぇエルエル、私ね、街にいきたい。」


 追いかけっこが終わり、三人でまったり飲み物を飲んでいると姉がそんなことを言い出した。




ここまでお読みいただきありがとうございました。

ご意見、ご感想ありましたらよろしくお願いいたします。

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