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あねおれ!~姉と弟(おれ)の楽しい異世界生活~  作者: 藤原ロングウェイ
第十九章 海だ!水着だ!あと旅行と魔物と・・・変態だ!?編
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第百四十八姉「それは確実に通報されるな。」

読者さんからメッセージいただきました。

なんでも某スコップサイトであねおれの名前を挙げて下さった方がいたようで。ありがとうございます。

「ついにあねおれもなろうの姉弟ものとして認知されてきたか……でゅふふふ!」と思って見てみると、そこには『ひたすら馬鹿が馬鹿やるギャグ物でおすすめない?』という文字が。

「ギャグなんか~い。姉弟ものじゃないんか~い。」と思わずつっこんでしまいました。

いや、嬉しいですけどね?(笑


新章です。ネタを考え付いたのは2月でしたが、気付いたらもう6月。

月日が経つのは早いものです。

「くそあちぃ・・・ヒロ~、氷追加~」

「あいよ~。」


 猛暑。これに尽きる。

 もともとトポリス王国は年中暖かい。

 ちょっと肌寒い時期があったりちょっと暑い時期があったりするが、基本的に常春の国といっていいだろう。

 にも関わらずのこの暑さ。

 数日暑い日が続くようなことはあっても、一週間以上続くことは珍しいらしい。


「すまんなヒイロ。氷魔法使いがいると、こういう時便利だな。」

「気にしないでくださいノエルさん。いつもお世話になってるし、これくらいは。」


 俺達は今、三人で風呂にはいっている。

 いつもは川の水を露天風呂に引いた後に火魔法で暖めるが、今日はそのまま冷水だ。

 それでも生ぬるいので、俺が魔法で氷を作りプカプカ浮かべている。

 ここだけ動物園の北極ゾーンみたいな感じになってるぜ。

 水に浸かっているのはクマよりも強くペンギンよりもかわいらしい二人だが。


「「「だる~ん・・・」」」


 こうして、俺達の熱い暑い春が始まった。




「お師匠さまー!」


 家のほうからクリスの声が聞こえる。

 現在クリスは魔法学校の夏休みを利用してアルゼンに長期滞在している。

 さすがにノエルさんちに泊めることはできないので、ヴォルフたちと同じ宿に泊まっているが。

 しっかしあいつはこんな暑い日でも元気やなー。

 あいつはあつい。字面が似てるね。どうでもいいけど。


「お師匠さまー!お留守ですかー!」


 ノエルさんに目を向けると、ダルそうにうんうん頷いている。

 お許しがでたので呼んでやるか。


「おーい。こっちー。裏手裏手ー!」


 するとタッタッタッタと走ってくる足音が。


「お師匠様、こちら、に!?な、なんて格好をされているんですか!?」

「え?なんか変?」

「へ、変というか、刺激が強すぎるというか・・・」


 顔を赤くして動揺するクリス。

 なんだ?半裸なだけだが。

 もちろん上半身ね。下半身が半裸だったら単なるHENTAIだからね。

 ちなみにさきねぇは自分が立ち上げたオリジナルブランド『MURASAKI』の水着を着ている。

 さきねぇ渾身のデザインである、エメラルドグリーンのセパレート水着だ。

 MURASAKIなのにエメラルドグリーンなの?というツッコミはなしだ。

 それが安定のお姉さまクオリティ。

 しかし、相変わらず俺のお姉さまの美しさは留まることを知らない。

 ノエルさんはノエルさんで透けないTシャツに短パンで水に浸かっている。

 ロリコンには見せられないかわいさである。


「刺激って・・・別に街中でセクシーコ○ンドーやってるわけじゃないんだから。」

「それは確実に通報されるな。」


 しかしクリスはすごいな。

 水着姿のさきねぇと夏のJS風ノエルさんを前にして、一切の邪な感情が見えん。

 オリハルコンマインドの持ち主だ。オリハルコンクリスと呼んでやろう。

 あーだめだ、暑くて何考えてんのか自分でもよくわかんね。


「あぢ~・・・んで、どうしたクリス。アルゼンで何かあったの?コロニーでも落ちてきた?」

「大丈夫よヒロ。落ちてきたコロニーは私が阻止限界点で破壊したから。」

「マジかよ姉さますげぇ。」

「破片は勘弁な。」

「・・・いえ、よくわかりませんが。今日はギルドでクエストを受けないのでしょうか?」

「「真面目か。」」


 こんな暑い中でクエストとか・・・

 あ、クリスは冒険者になりました。正確には『魔法学校の生徒であると同時に冒険者見習い』に。

 一応魔法力測定と魔法量測定も受けてもらったけど、やはりC・Cだった。ちくしょう。

【冒険者の指輪】は一番最初に冒険者登録した場所がデータとして残るため、わざわざ王都まで出かけて

 王都で冒険者登録をするという、自らの出身地に誇りを持たない不届き者も多くいる。

 そんな中、クリスは実家も学校も王都にあるにも関わらずアルゼンで冒険者登録をした、かなり珍しいケースだといえる。

 総合魔力Cであり、名門クリフレッド家の魔法使いがアルゼン冒険者として登録されたため、アルゼン大好きなラムサスさんとガルダじいの二人は笑いが止まらなくて大変だったようだ。

『個人戦でも団体戦でも優勝は確実ですね!あっはっはっは!』『全くじゃ。しかも圧倒的勝利で蹴散らせるの!ヒイロ様々じゃ!ほーっほっほっほっほ!』という怪しい言葉も聞こえたが気にしない。

 僕らは汚い大人の政治の道具なんかにならない!キリッ!


「ここ森の中よ?にも関わらずこの暑さよ?無理したら死んじゃうから今日はお休み。」

「右に同じ!」

「そうですか・・・ギルドで特別クエストが張り出されていたので、お師匠様と一緒に参加しようと思ったのですが・・・」

「「特別クエスト?」」

「はい。なんでも、貴族の管理している土地で海開きをするための準備だそうです。」

「ふ~ん・・・え?もう一回。」

「貴族の管理している土地で海開きを「「海!」」


 水風呂からザバァっと立ち上がるさきねぇと俺。


「何それ、海に入れるってこと!?」

「詳しくはわかりませんが、海辺の魔物を一掃した後は自由行動と「ヒロ!30秒で支度しなさい!」「サー、イエッサー!クリス!お前もすぐ出かける準備をするんだ!」え!?は、はい!」


 急いで家の中に入り布で体を拭き、すぐに着替える。

 くっそ暑いのでブラックサンダー装備ははずしていこう。ブラックサンダー皮靴とかめっちゃ蒸れちゃうからね。

 結局Tシャツにハーパンにランニングシューズという、どこのコンビニに買い物にいくのかという格好だ。

 暑いんだよ!


「大佐!準備できました!」

「よし、目標はアルゼンギルド!邪魔するものは踏み潰しなぎ払え!トラトラトラァ!」

「トラトラトラァ!」

「え?え?」


 キョドっているクリスを放置して駆け出す俺たち姉弟。


「「いってきまーす!」」

「おー。怪我しないようになー。」




 ノエルの森を疾走する俺たち。その大分後ろにクリスがいる。

 待ってあげたいところだが、こういうのは時間との勝負だからな。

 速度を落とし、クリスに併走する。


「クリース!」

「はぁ、はぁ、はぁ・・・はい!お師匠様!」


 大分きつそうだな。


「きついか?」

「こ、これしき!はぁ、はぁ、はぁ・・・」

「・・・クリス。誰かに負けるのは、いい。だが、自分に負けるな!」

「!?」

「お前が戦うのは自分自身だ!走るのをやめることはいつでもできる。だがそれは自分への敗北を意味する!遅くてもいい、足を止めるな!イメージするのは、最強の自分だ!」

「最強の・・・自分!」


 クリスの目に炎が灯る。

 いやー、熱いセリフですね!完全にパクってるけど!


「俺は先にいく。お前は自分に勝利してアルゼンに着くのだ!」

「はい!お師匠様!必ず追いつきます!」


 クリスを置いて速度を上げる。

 まぁもし魔物に襲われてもクリスなら余裕だろ。装備も俺たちとお揃いの【飛龍のローブ】をはじめ、金に物を言わせて高級品らしいし。

 そして速度を落としていたさきねぇに追いつく。


「クリボーは体力ないわねぇ。もやしっ子め。」

「まぁ純魔法使いだからね。こっちにいる間は基礎体力向上が目標かな?」

「魔法が使えても体力なかったら使えないキソ。」

「つっこまないからな。」


 ちなみに、走りながらも魔物は全部俺が魔法でスパスパ真っ二つにしている。

 玄武さんに会ってから水魔法の調子が良すぎて≪水鋭刃アクアチャクラム≫も絶好調だ。

 ひょっとしたら俺の地味さを哀れに思った玄武さんが祝福的なものをくれたのかもしれない。

 ありがたやありがたや。

 いつか時間が出来たら1/10玄武さん像でも木彫りで作りたい。手先ぶきっちょだけど。




ここまでお読みいただきありがとうございました。

ご意見、ご感想ありましたらよろしくお願いいたします。

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