一回転の五話
難産でした。
高速思考中に思い出したが、俺はあのイケメンのことを少なからず知っていた。
‐アンリ目当てによくクラスに来ていた情報科の転入生だ。
‐確か名前は壱岐シュトルナート。
‐日本人とイギリス人のハーフ。
‐今年の初めに他高専との交流という名目で「花鈴高専」から、この「葉佩高専」に来た。
‐ケンカに強く、女遊びが趣味。
‐だが、成績優秀で実家は資産家。
‐故に教官も手を出せない。
‐典型的な不良的優等生。
=結論、ちょっとぐらい痛い目を見てもらっても問題はない。
※
そんなこんなで、我が物顔でアンリを連れて行こうとした三流ナンパ男を退散させることに成功した。
‐えらい端折ったな……。
‐しょうがないだろ、思い出したくもない出来事だったんだ。
‐いやな、出来事だったね。
だが、それでも有益な情報を落としてくれた。
‐曰わく、『神に選ばれた』
‐曰わく、『オリ主』
‐曰わく、『誰にも負けないチート』
‐曰わく、『女は俺に惚れるて当たり前』
とりあえず、自意識過剰だということは確定した。
‐アンリの存在を知らなかったら、単なる痛々しい中二病なんだが……
‐我が右手に封印された邪竜がぁぁぁ!
‐スーパー、オレ、カッコイイ!
/カニェッツ、今それを考えても仕方がない。
「えぇっと、その、ありがとう……?」
‐アンリたんがお礼を言ってきた。
‐めんどくさい羽虫を追い払ってくれてありがとう、てところか。
「気にしなくていい。まぁ、あえていうなら、これでレポート分の貸し借りはなしと言うことで頼むよ、扶桑さん?」
‐だが、追い払っただけだ。
‐明日ぐらいにまたやってくるだろう。
‐そもそも、本気を出せば楽だろうに。
‐奴さんには奴さんの事情と云うモノがあるやろ。
「じゃあ、そういうことにしとくね。呼び方が扶桑さんに戻ってる点も含めて」
‐一旦は万事解決、でいいのか。
‐煮え切らない。
‐しょうがないさ、全てはレポートの為にしたことなんだ。
‐チグハグになるくらいなら、完全に足をつっこもう。
/カニェッツ、そろそろレポート制作に戻らないと、終わらない。
~高専名
やっつけ仕事。漢字変換でそれっぽいのをチョイスしたらこうなった。
~不良的優等生
何故かモテるイメージがある。
~端折った理由
そんなこんなを書いていたのですが、私に論破なんて無理でした……。
よって、必要な部分だけを抜き出して継ぎ接ぎで今話を制作。