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全ては混沌のせい。  作者: 蛇月夜
海の姫の暇つぶし
11/18

氾濫する河

 月明かり以外に光源のない暗い海岸で、吸い慣れないタバコに火を灯して口にくわえる。

 一口吸えば、まだ味を感じられない煙が肺を満たしていく。

 海に呼ばれて、数十分が経った。

 彼女はまだ、現れない。





詳細を省けば、よくある悲哀系の恋愛小説のような内容だった。

‐クトゥルフ神話体系としては異端。

‐文章力も御大や大先とは比べてはいけないかもしれないが、はっきり言って低い。

‐言ってしまえば三流だ。

/カニェッツ、趣味としては、充分だろ。


「あらすじは理解した。これを読まされた意味も理解した。これが実話だとして、最近の星辰の異常を鑑みて、好奇心を刺激されたのか」

「その通り。理解が早くて本当に助かるよ」

何時(いつ)お出迎え?」

「今日の夜八時」

「もっと早く言えや」

「ギリギリに言わないと、逃げるでしょ?」

「昨日と云う選択肢は無かったのか」

「無いね」


笑顔で返しやがった。

‐殴りたい、この笑顔!

‐今なら、殴っても罪にならない気がする。

‐クラスの奴らも、厄介事だとわかると蜘蛛の子を散らすように居なくなったから、目撃者はほぼゼロだ。

‐今殴ろう。

‐すぐ殴ろう。

‐骨まで砕けろ。

/カニェッツ、色々と危ない。


「異論が無いのなら、予定通りに向かいに行くけど、良いの?」

「異論を挟む余地がないな」

「じゃあ、決定だね。まった後でね」


‐諸悪の根元が不安を残して去っていく……

‐サヨナラ、平穏な俺の日常よ。

‐こんにちは、不穏な奴の日常よ。

‐家に帰ったら、最低限死ににいく準備でもしとかないと。

/カニェッツ、死なないようにもがくのが人間だ。

~タバコ

 タバコは二十歳になってから。


~御大

 御大将の略。

 言わずと知れた、かの人のこと。


~大先

 大先生の略。

 御大の事を後世に伝えるために奮闘した内の一人。

 何かと批判されてるけど、それもまたクトゥルフ神話の一つの考え方と思えば良いの。


~好奇心

 死亡フラグの筆頭。


~訛り

 私自身が何処の方言を喋っているのかわからないので、いろいろ混ざってしまいます。


~死ににいく準備

 TRPGではよくある事。

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