形成された渓流
あの日の事は、三十年経った今でも鮮明に思い出せる。
これはきっと恋なんだと、当時九歳だった僕は信じ込んだ。
そして、最後にしたあの指切り。
それが、終わりであり始まりだった。
※
ホッチキスで留められたら、十数ページ程度のチープな小冊子。
学園祭とかで無料配布されていそうな、というか、実際うちの文芸部が配布しているのにそっくりだ。
‐読めと言われても、どのページを読めばいいんだ?
‐取り敢えず、題名を音読だ。
‐いや、まずはアトガキをだな。
‐まて、付箋が着いてる箇所があるから、そこからだろ。
‐違う、まずすべき事は探索の基本であるこれの出自を聞くことだ!
そうだな、読むより先に、不安の芽を摘み取るべきだな。
「定型的な質問として、これはなんだ、と聞いといてやる」
「ふふ。これはね、今から二十年前にこの学校に在籍していたとある文芸部員が書いた五冊の作品の一冊で、実際に起こった事件や事故を神話的に解釈した物語を纏めたやつだよ」
「ふーん。で、何ページから読み出したらいいんだ?」
「読んで欲しいのはこれだよ。三十年前に起こった失踪事件を題材にした話」
アンリはページをめくり、付箋三つ目の箇所を開いた。
‐題名は「僕は海へ行きます」
‐海……か。
‐いやな予感しかしないぜぇ。
/カニェッツ、それはフラグを作るだけだ。
~小冊子
うちの高専の文芸部が配布している物と同じもの。
~読み方
人それぞれ。
~とある文芸部員
イッタイダレナンダロウネ~、ボクニハゼンゼンワカラナイヤ~。
~リンク
「海の姫」にしようと思ったけど、やっぱり変更。
この章を書いたら、書き始めます。
~アトガキ
短くてすみません。




