ギルド加入
「そろそろ俺達もギルドに入らないか?」
「確かにギルド無所属のアビリティマスターなんて聞いたことないっすね」
俺が言うとめずらしくドランが乗っかってきた。
「そうです、入った方が良いです」
「悪くは無い」
ティア、アリエルも賛成してくれた。
アビリティマスターとは人が必ずしも持っている力に覚醒した者を指す。
今ではアビリティマスターに勝つにはアビリティマスターしかない。
警察も軍隊も政治もすべてアビリティマスターが治めている。
そして俺らはそのアビリティマスターである。
「でもここら辺にギルドってあったか?」
「うーん、確か隣町にエンシャントウルフってギルドあった気がするっす」
「「・・・・・」」
何故かティアとアリエルは黙っていた。
「エンシャントウルフってどういうギルドなんだ?」
「エンシャントウルフはこの国で一番弱い最弱ギルドですよ」
俺の質問にティアが答えてくれた。
「よし、俺はそのギルドに入ることに決めたぞ。」
「ちょっとまってくださいです。まだ他にもギルドはいくつかありますです。わざわざ弱いとこに入らなくてもいいとおもいますです」
その『です』はなんなんだ。
「俺はエンシャントウルフに決めたんだ。そこに入るって言ったら入るの」
「だめっすよ、こいつ、一度いいだしたら聞かないっす。別に俺らがそのギルド強くすればすむ話っす。」
「ドランが言うなら良いですけどです」
「アリエルはどうだ?」
「しょーがない。そのかわり私たちに汚名つく」
「よし、じゃ決まりだな。で、エンシャントウルフってどこにあるんだっけ?」
「隣町っす‼」
「隣町とドランが言ったはずです‼」
「と な り ま ち ‼」
俺が言うと3人に怒られた。
そしてエンシャントウルフというギルドについた。
入口には「太古の獣」と書いてある。
大きいギルドだ。
「こんにちは、このギルドに入れてくれ」
受付にいたお姉さんに言った。
「ギルドの加入はマスターの許可が必要です。ただいまマスターを呼んできます。」
少したつとおおきなお爺さんがやってきた。
「ギルド加入の条件はただ一つ。ギルドの仲間、それすなわち家族は何万の命よりも何億の富よりも大切。第一に考えること。守れるか?」
「もちろんだ」
「もちろんっす」
「もちろんです」
「ああ」
みんなではもる。
なんだちゃんとしているじゃないか。
何が最弱ギルドだよ。
そんなの嘘じゃねーのか。
「では正式にエンシャントウルフの加入を認めよう。これを」
なにやら腕輪を渡された。
「これはエンシャントウルフに属している証拠。もし何かあればその腕輪が仲間に教えてくれる。ずっと付けているように。むろん風呂に入る時もだ」
風呂もか。
「では自己紹介をお願いできるか?」
「わかった。俺はリュウ。氷のアビリティを使う。よろしく頼む」
「俺はドランっす。雷のアビリティを使うっす。よろしくっす」
「私はティアです。召喚獣を出すアビリティです。よろしくお願いしますです」
「私はアリエル。ソードというアビリティ。よろしく」
一通り自己紹介が終わった。
「私はここのマスター、タレーランだ。エンシャントというアビリティを使う。名前だけでは分かりにくいがな。そのうちわかるだろ。」
「このギルドはこの国で最弱のギルドとなっている。お前たちにもその汚名はまとわりつくから覚悟しとけよ」
「そんなのすぐ最強にしてやるよ」
「最弱はさすがに困るっす」
「まあ、見ててくださいです」
「どうでもいい」
「頼もしい限りだな」
こうして俺たちは古代の獣に入った。