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LAST GAME  作者: よむよみ
第一章 TKGのはじまり

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第七話 南の聖堂

昨日は記録に残りそうな事はしていない。けれど、やっぱり気になってしまう。

アンケートに答えてログインボーナスをもらいつつ、ログインする。

これは、朝、目が覚めたらログインするのが日課になりそうだ。


昨日は、サーバーで大きな出来事は起きなかったみたいだ。

当然、自分たちの活躍が新聞に載るなんてことも無い。

なんか少しがっかりして朝の支度を始めた。

やっぱり、初日と二日目ができすぎだったのだ。


――


「おっす」

「ああ、おはよう」「はろー」教室で、浩司と裕也に声をかける。


「そういえば、西の洞窟、初見攻略はさすがだな」浩司がほめてくれた。

「見ている感じ、結構少ないみたいだよ。こいつも失敗したし」と裕也を見る。

「うるせー。俺はあの手のミニゲーム、苦手なんだよ」裕也は少し不貞腐れた。

心理を読んだり、戦術面では優れているのに、足し算引き算の遊びが苦手ってなんか不思議な奴だ。

「次は、南の聖堂だな」

「うん。楽しみだ。また放課後」俺の言葉に、浩司の裕也もああと頷いた。


――


放課後、いつもの作戦会議が始まる。

「西の洞窟攻略時に、盾がもらえているはずだから、装備しておけよ」

浩司の言葉にログインして確認すると、「勇者の盾」を持っていた。早速装備した。


「で、今日は、南の聖堂だな。南の聖堂には迷宮がある。

毎回、新しいマップが生成されるんだ。だから時間との勝負になりがちなんだ。

加速ドリンクは多めに持っていった方がいい」

「結構長くて、途中、迷子になるんだよな。次どっちだっけみたいな」

「前回はどうやってクリアしたんだっけ?」

「確かずっと右の壁を触ってたはず」

右側の壁をずっとたどって進むのは、二次元迷路を確実に攻略する方法の一つだ。

常に右側の分岐を確認するという方針と定めることで、迷路を考えずに済む。

いずれ確実にゴールにたどり着く代わりに、それなりに無駄な道を進むことになる。


「そんなに長いの?」

「ああ、初めのうちはマップを作ろうとしたけれど、長くてあきらめた」

「なるほど。ちょっと大変そうだね」ああ、大変だったよなと二人、目を合わせている。

「ボスは多分楽勝なんだよな」「多分な」


一旦作戦会議は、終わった。その後、適当に雑談して解散した。

「じゃあ、次は21時だな」


――


21時になった。もちろん、3人集まっている。

道具屋で加速ドリンクを主として必要なアイテムを揃えて、南の聖堂に向かった。


MAPで移動すると、聖堂を見上げる映像が流れる。

中世にありがちな整った聖堂だ。少しだけ厳かな印象を受けた。

青と赤の背景をバックに矢印が交互に二つ並んだ旗がなびいていた。

小説とかだと聖堂に何かしら意味を持たせがちだけど、ゲームだと特に意味は無い事が多い。

余計な細かい設定は、ゲームの爽快感の邪魔になるもんね。特に気にせず進んだ。


中に入ると、浩司が早速、祭壇を調べ始めた。

「ここに階段があるんだ」ずかずかと進んでいく。裕也の後ろに続いて自分も階段を下りていく。

確かに迷宮だ。不思議な明かりで照らされていて、薄暗いながら見えないことは無い。


浩司は、時間をかけるのはもったいないとばかりに右伝いにどんどん先へ進んでいく。

敵のシンボルが追ってくるのを交わしながら進む。敵のシンボルは黄色いガイコツの姿だった。

「この敵が厄介なんだ。敵と戦っているうちに方向感覚がなくなるんだ。できるだけ避けよう」

今は、右伝いに動いている。敵と戦っているうちに前後を忘れたら確実に迷子になる。

「行き止まりだ。右伝いに戻るぞ」浩司の言葉に引き返す。

さっきの黄色いガイコツの接近を避けて、進んでいく。

今度は青いガイコツがいた。よけて先へ進んでいく。


また分岐がある。また、ガイコツが少し先で待ち伏せしている。今度は左が赤で、右が青だ。

さっきは青のガイコツが正解だったってことだよな、とか考えながら、右伝いに歩く浩司の後を急ぐ。

「ちっ。行き止まりか。面倒くせーな」いつも落ち着いている浩司が少し苛立っている。

今度は青ではなく、赤いガイコツが正解だったようだ。

ま、ガイコツの色なんか当てにならないね。


次の分岐では、緑と青のガイコツ。右伝いに青のガイコツを交わして先へ進んだ。

今度は当たりだったようだ。青、赤、青。


青、赤……。ふと、聖堂の映像を思い出す。


疑問に思って、先頭の浩司に聞いた。

「なあ、できるだけ早くボスにたどり着いた方がいいんだよな」「ああ、もちろん」

「外れの道を優先したいってことは無いんだよな」

「時間制限のある冒険だからな。できるだけ外れは避けたい。

このゲームでは、宝箱探しよりボス撃破が優先だ」浩司は、当然だというように答えた。


「なあ、先頭は、俺がやってもいいか」俺は聞いてみた。「ああ、構わない」

先頭を譲られると、急いで先へ進む。

次の分岐では、赤いガイコツと青いガイコツが待ち伏せしている。


俺は、赤いガイコツの方、左側の道へ進んだ。

「おい、右伝いならこっちだぞ」裕也の声が聞こえるが構わず先へ進んだ。

しぶしぶついてくる足音が聞こえる。


次の分岐でも、青いガイコツと赤いガイコツが待ち伏せしていた。

今度は、左側の青いガイコツの道を進む。

どうやら何か気が付いたんじゃない、と二人は黙ってついてきている。


順調に正解を選んでいるようだ。聖堂の旗がヒントだった。

二つの矢印は、青の次は赤、赤の次は青という意味を持っていた。

ガイコツの色に着目して、青、赤、青と順に進んでいけばいい。


順調に進んでいた。次の分岐では赤を選べばいいはずだった。

でも、この分岐では、3方向に分かれていた。初めてだ。

紫、赤、黄色のガイコツが待ち伏せしている。

次は赤のはず、赤が正解だろう。ただ、紫って何だろう?なんとなく気になった。

「ちょっとだけ、寄り道する」俺はそう言って、紫の分岐へ進んだ。

宝箱があって、手紙の切れ端というアイテムを手に入れた。


途中、3方向に分かれて、紫がある場合は、全て紫に寄り道した。

やはり宝箱があって、手紙の切れ端が手に入った。合計すると5つになった。

浩司と裕也はすごい不思議そうにしていた。


順調に進んでいると「この扉の先はボス戦だ」と浩司が言った。

「ここのボス、少しだけ手ごわいから気を付けて」裕也が慎重な発言をした。


慎重に扉を開くと神父の姿をしたガイコツが現れた。ボスに違いない。

ただ、いつものボスの重厚な音楽ではなかった。清らかな音楽が流れる。


「おお、その手紙、私にくれないか」神父のガイコツがしゃべった。

手紙の切れ端の事を指しているのだろう。

お決まりの、「はい」と「いいえ」の選択肢が現れる。

「いいえ」を選びたい気持ちをギリギリのところで抑えて、「はい」を選択した。


ムービーが流れて、持っていた手紙が一つにまとまって神父の手に渡る。

神父は手紙を読むと「ありがとう」と言って、アイテムをくれた。


「勇者の聖なる鎧」だ。


ボス戦は無かった。加速ドリンクを使い、迷わずに進んでいたから20分もかかっていない。


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