第五話 経験値稼ぎ
20時、食事を終えて、PCの前に座る。十分に準備をしておきたい。早速ログインした。
浩司に言われた通り、早速手持ちの買い戻し可能なアイテムは売る。半額で買い取ってもらえた。
「経験値稼ぎならここ」というタイトルの新聞を読み進めた。
場所は西の炭鉱。出るモンスターがとても特殊らしい。
エンカウントするモンスターは3種類。形は似ているんだけれど、赤、青、黄とそれぞれ色が異なる。
エンカウントすると、そのうちの1種類が大量に現れる。
しかし、ほとんどのやつは偽物で、本物を見分けるには弱点属性の魔法を使う必要があるらしい。
赤には水属性の攻撃を、青には雷属性の攻撃を、そして黄色には炎属性の攻撃をかける。
すると、弱点を突かれた本物は形を保てなくなって、崩れる。
そこを攻撃するという手順だ。
俺たちのパーティーでは、裕也が魔法の全体攻撃、そして俺がとどめの攻撃役かな。
それと、盾役が必要になる。先制されたり、間違えたやつを攻撃した場合に攻撃をもらう。
盾役は浩司にお願いすることになるな。
魔法→攻撃と、攻撃順がとても大切になる。裕也 → 俺の順で攻撃したい。
新聞を読むと、装備品まで書かれている。
魔法使い役は、風のバンダナ、攻撃役は力のリストバンドを買っている。
昨日道具屋で売られていたことを思い出した。
とすると、今日買うものは――
加速ドリンク:時間制限つきで急ぎたい時はいつでも必須。
MP回復薬:大技を使いたい時はいつでも必須。
回復薬:いつでも必須。レベルが上がるとHP回復するから多くは必要ない。念のためね。
風のバンダナ:敏捷さ上昇。魔法使いの速度上昇。
力のリストバンド:敏捷さ減少の代わりに、力上昇。とどめの攻撃役の速度低下。
と言った感じかな。
そんなことを考えていたら、45分になった。
「うす」と浩司がログインしてきた。
「もういたのか」「ああ、20時頃から入って確認してた」
「いい心がけだな。まだ裕也は来ていなさそうだな」
55分になった。「やっほー」と裕也が訪れた。
「買い物の確認しておく?」俺は気になっていたことを聞いた。
「おっ、聞いてこないってことは、学習してたんだな。じゃあ確認不要だろ」
「じゃあ、今日は事前確認なしでやってみるか。まあ経験値稼ぎだし、多少遊んでもいいか。
何か不足していたら、都度声かけよう。多分誰かしら持っているだろう」
「わかった。そうしよう」
21時になってコアタイムが始まった。
自分は想定通りに、力のリストバンドと加速ドリンクを必要数分、残りはMP回復薬を大量に買った。
風のバンダナは裕也が、回復薬は浩司が買うだろうと予測した。
力のリストバンドを装備、加速ドリンクを一つ消費し、西の炭鉱に早速行った。
浩司と裕也もすぐに訪れた。裕也は風のバンダナを装備している。予想通りだ。
そのまま、無言でひたすら経験値稼ぎを続けた。
裕也は、色で間違えることなく魔法を使い分けた。そして自分は本物を瞬時に見つけて倒した。
時々、ボーナスとして、全て本物の時があった。自分は落ち着いて全体攻撃の技を繰り出して一掃した。
時々、裕也が「MP回復薬くれ」と声を上げる。瞬時に俺はアイテムを渡す。
MP消費は、全体魔法を唱える裕也が一番多い。こうなることは想定済みだ。
それ以外は、ほぼ無言でひたすら60分間借り続けた。
ゲームは作業になると集中力を必要とする。固定時間の場合はなおさらだった。
時間ぎりぎりまで倒し続けた。アイテムにはまだ少し余裕はあった。
「ふぅ~」一時間経過した。初期地点に戻される。
「お疲れ~」皆の気が少しずつ抜けてきた。
「うまくいったな」「だな」裕也の声に浩司が返した。
「俺上手く動けたかな」「いや、力のリストバンドといい完璧な立ち回りでしょ」裕也がほめてくれた。
「よし、今日はこれぐらいにするか」浩司の言葉に「そうしよう。また明日な」と解散した。
経験値稼ぎって、奥が深いんだな。短時間に最大限の立ち回りって案外頭使う。
RPGのようでいて、アクション要素も強い、面白いゲームだと思った。




