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LAST GAME  作者: よむよみ
第四章 魔王の秘密

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第四十三話 十八日目

 10月18日(木)20時頃。


 総裁になると、確認したいこと、考えたいことが山積みで忙しい。

 久しぶりに新聞を確認した。


 まずは、昨日の出来事のおさらいだ。

 以前なら、「悪魔討伐」「悪魔、闇落ち」というタイトルの記事が並んでいた。

 今回は、「謎のお店開店」「洞窟奥深くから不気味な声」というタイトル。


 一つ目は、南の平原に怪しげな子供が店番を務めるお店が開店したという記事だ。

 これまた実に怪しげなポーションを売っているらしい。

 間違いなく昨日の悪魔だ。変身の魔法でも使っているのだろう。


 二つ目は、昨日のオープニングの内容だった。

 村人が流れ星が落ちるのを見たようだ。

 その流れ星は、西の洞窟に入り込み、村人が追うと怪しげな声が響いてきたそうだ。

 そのまま、村人は逃げ帰ってきたという記事だ。


 ただ、今日の目玉はもちろんこの記事だ。「東の塔出現」。

 ついに、物語が進行したようだ。サーバーの攻略に一歩前進したと確信した。


 同盟チャットでも、皆で盛り上がっている。

「悪魔、防衛してよかったな」

「さすが、総裁だな。総裁のやることはいつもただしい!」

「お前、昨日まで総裁を疑ってたじゃねーか!」

「いや、そんなことないよ」

「こんなことして意味あるのか、とか言ってたじゃねーか」

「俺は言ってないね。俺がいつ言った?証拠は?地球が何回回転した時?」

「小坊乙……。orz」


 21時になった。いつも通り、気の合う仲間たちと塔の攻略に向かった。

 レベルは十分足りているだろう。以前は、トラップもなく簡単に攻略できたのを覚えている。


 東の平原に建つ塔を見上げる。

 不思議と前回と違って、どこかオーラをまとっているように見えた。

 赤い塔が、白く光っているような気がしたのだ。


 前回と同じように、近づくと門はゆっくりと自動で開いた。

 仲間たちは、前回、塔の攻略は速度勝負であったことを思い出したようだ。

「急げ。早く攻略して、新聞に載るぞ」と声を出すと、急いで走り始めた。


 俺は、胸騒ぎがして、入り口の門の右側を見た。

 前回の時は、かすんでいて見づらかったが、今回は、文字が赤白く輝きはっきりと見える。

 ローマ字で「Pi」とはっきり読めた。


「待て!トラップがあるかもしれない!注意しろ!」

 俺の声も無駄だったようだ。先頭を駆け抜けようとしていた仲間が、罠に引っかかる。


 落とし穴だ!


 一人が落ちると、なぜかチームを組んでいた全員が、地下へと落された。

 体を全員つないでいたわけでもないのに、なぜか全員で落ちた。

 一人ぐらい簡単に持ち上げられる力を持つのに、引っ張り上げることも出来ずに落ちた。

 落ちてみて分かった事がある。この現象は理解不能だ。理解不能な事がよく分かった。

 RPGとかで、この現象を何度も見てきたそんなものかと見逃してきたのにもかかわらず、理解不能だった。


「すまねえ」初めに落ちた仲間が言っていた。

 すぐに、一階への階段を見つけ、上に上るとそこは、入り口のすぐ横だった。

 再び、少し慎重になって進むも、結局落とされた。


 ただ……、なぜか、この塔の攻略、このトラップ……。見覚えがある……。

 そうだ……。掲示板だ……。


「ピレ……。ピレジを呼べ……。以前、掲示板に書いていた奴だ」

 近くの側近たちは、同盟チャットで、ピレジを呼び出した。

 幸い割と近くにいたようだ。

「ピレポリネートタグネスゲーサーでございます」そう名乗った。

「名前はどうでもいい…。この塔の攻略を考えてくれ。

 以前の記事の通りに落とし穴がある。

 なぜわかった。考えていたことを教えてくれ」


 ピレジは、じっくりと塔の一階を眺め始めた。

「やはり落とし穴があったのですね。

 ゲームが進行して罠が起動したと……。フフッ。面白い。

 では、私についてきてください」


 そう言うとピレジは、ゆっくりと慎重に歩き始めた。

 時々何もない所で曲がっている。やはりピレジには何かに気付いているようだ。

 俺は直ちに、チームにピレジを加え、ピレジの後を追った。

 皆、慎重にピレジの足の動きを観察しながら歩いている。


 ピレジの後を追いながら、じっくりと床を眺めると、確かに床には模様があった。

 その模様のうち、怪しげな模様を踏まないように、ピレジは進んでいるようだった。


 幸い、ピレジの後ろを追うようにしてから、落ちずに済んだ。


 随分と登ってきた。ここが最上階のようだ。

 赤いドラゴンが、クリスタルを守っている。


「ここまできて、負けるわけにはいかないぞ!

 念のため気を付けて戦おう!」

「おー」


「私は、レベルが低いのでずっと守りを固めておきます」

 皆が、気合を入れる中、ピレジだけは、盾で身を固めていた。


 以前戦った時より、ずっとレベルが高いはずだったが、ぎりぎりだった。

 楽勝だと思ってアイテムを買わずにいたのがよくなかった。

 暗殺者は、敵モンスターには弱いということを忘れていた。

 でも、多分、それだけじゃない。

 塔がトラップを起動したように、ボスも強くなっている気がする。


 明日はもう少し慎重に行動しよう。今日は倒せてよかった。運がよかった。


 赤いドラゴンを倒した奥に、細長い球の形をした赤いクリスタルがある。

 俺はそのクリスタルに触れた。

 不思議な赤い光に包まれて、封印の鎧が手に入った。


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