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LAST GAME  作者: よむよみ
第四章 魔王の秘密

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第三十九話 十四日目

 10月14日(日)。


 今日は最終日。

 掲示板への書き込みを辞めてから3日が過ぎていた。

 サーバー最終日の今日は書かなくては、と記事を書く。


 この3日間、攻略記事を書く気にはなれなかった。

 というか、そもそも、記事にするようなことが起きていなかった。


 ずっと、南の平原にある謎の建物はTKGによって護衛されていた。

 当然、悪魔討伐は記事にならなかったし、塔出現の記事も出なかった。

 前回は、塔出現のイベントが毎日のように起きていたが、今回のサーバーでは起きなかった。

 何も起きないサーバー。当然、サーバーで遊んでいる人たちは気が付いている。


「このサーバー。何も起きないね」

「だな。退屈だな」

「前回はどうだったの?」

「前回は毎日のように塔が出現していたよ」

「なんで、出現しないの?」

「うーん。前回は悪魔討伐の記事があったような……」

「今回は、悪魔討伐していないの?」

「そだね。TKGってチームが邪魔してる」


 こんな会話が、全体チャットで繰り広げられている。

 しかし、TKGを倒そうとはしなかった。

 そもそも、本来TKGを倒すべき大同盟の我々が敗れ、何もできないのだ。

 小さい同盟や、個人の人々には何もできるはずがない。

 当然、我々も批判の対象にされた。


「大きい同盟あるよね。何やってんの?」

「一度敗れて以来、それっきり」

「あー。あのチーム。PKは許さない同盟じゃなかったのかよ」

「治安維持をしていた同盟だったはずなのにな」

「何やってんだよ」「つかえねーな」

 心無い言葉が、私の心に突き刺さる。


 参加人数だってぐっと減った。

「他のサーバー行くか。このサーバーつまんねーし」

「そだな。そうしよう」

 それは、私たちの同盟でも同じだった。

「私、他のサーバーに遊びに行ってきますね」「あっ、俺も」

 同盟チャットにもこんなコメントが増えてきた。

 このサーバーを遊ぶ人は減っていった。


 TKGは、経験値稼ぎの場でのPKプレイヤーキルはしなくなっていた。

 といっても、イベントが起こらないサーバーでのレベル上げは意味は無い。

 最後の日に、経験値稼ぎしているのはTKGだけだった。


 残った同盟員や解析班たちは、次はどうするか考えている。

 似たような事象が起きた時にどうすればいいか、考えていた。

「一度負けると、こうなるのか……、気を付けないといけないね」

「レベル上げ大事だね……」「キャラ選択も適度に選んだ方がいいね……」

「それもそうだけど、経験値稼ぎ場所の維持も必要だね」


 総裁のケンイチは、ずっと考え事をしているようだ。

 ログインしているようだけれど、あまり活動はしていない。

 声をかけても、反応は薄い。


 この同盟は、もしかしたら、もうだめかもしれない……。


 楽しかった思い出がよみがえる。

 私の無茶ぶりに、努力と根性で答えてくれる同盟員たち。

 私がどんな無謀な事をしても、平然と守ってくれた。

 懐かしかった。楽しかった。


 21時。いつの間にかコアタイムになっていた。


 ゴゴゴゴゴォォォォ。

 4つの塔が、同時に出現した。

 最終日のコアタイムになって出現したとしても、もう意味は無い。

 攻略する時間はない。


 地割れと同時に、大きな手が現れる。

 以前の悪魔より大きい角ばった手だ。

 その手を頼りに、巨体が現れる。魔王が登場した。

 前回の魔王と違って、黄色い。土でできているみたいだ。

 魔王というより、巨大なゴーレムといった方が近い気がする。


「グギャーウ」文字にならない雄たけびが響き渡る。

 ゴーレムの叫びなのだろう。

 前回の魔王と同じように、左手を上げポーズをとった。

 BGMが切り替わる。戦闘が始まった。


 もし負けてしまったら、この同盟は無くなってしまうかもしれない。

 私の居場所がなくなってしまうかもしれない。

 そんな気がした。


 塔の攻略もしていないけれど、私はわずかな可能性に賭けてお祈りしていた。


 いつも通りの村人のお祈りのターン。村人の祈りが勇者たちの心に届く。


 続いて勇者たちの攻撃のターン。

 悪魔が一軒家に住むというカットと、ゴーレムに影が取りついていくカットが映し出される。

 そして、画面6等分の下二つに、その二つのカットが収まった。

 やっぱり6個、攻略しないといけないみたいだ。

 残りの4つの攻略……、イベント自体何も起きていない、絶望的だ……。


 ゴーレムのような魔王は、左手を下げると右手を天高くにかかげた。

「グギャーオウ」

 白い光に包まれ、上から、文字が落ちてくる。


「GAME OVER」


 ダメだ…。言葉に出来ない……。

( T_T)

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