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LAST GAME  作者: よむよみ
第四章 魔王の秘密

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35/59

第三十四話 六日目

 10月6日(土)。


 日曜日はほぼお祭り騒ぎの結果発表だけになるから、実質今日が最後のコアタイムだ。

 ぶっちゃけ、我々大同盟が参加すると、土曜日は消化試合になるんだよね。

 今日の記事は、「北の塔の出現」がメインテーマになるのだけれど、それだけでは物足りないので雑談を一つ。


 昨日の22時半ごろのことだ。

 コアタイムが終わって、サーバーはいつも通り少しまったりとし始めた。

 寝たのか仕事に戻ったのか勉強を始めたのか、皆さん、私生活というものがあるんだろう。


 そんな時でも、サーバーに参加するプレイヤー全員と会話できる全体チャットは時々盛り上がる。


「みなさん、こんばんは!」

「こんばんは^^」

「こん!」

「どんな漫画が好きですか? よかったら教えてください。 私はワン〇ース」

「あー、あの漫画、面白いよね。シカの話がいいのよね」


 とても静かな空間だった。寝る前の子守歌のような安らかなひと時だった。

 ただ、そんな時間が一瞬で壊れた。


「俺は、金玉のばして突く話」


「えっ」「そんな卑猥なお話あったっけ?」「いや国民的漫画だぞ。そんな話はない」


 言った本人は「えっ、俺、変な事言った?」と戸惑っている。


 ひたすら非難の言葉が続く中、一人だけ、爆笑している人がいた。

「wwwwwwwwwwwwwwwwwww」

「空島編ですね。金の玉を装備して腕を伸ばして、神ごと突いて、黄金の鐘を鳴らすんですよね」


「そうそう、それ」

「私もその話、好きですよ」


「草」「大草原不可避」非難していた人たちも、コメントの言葉足らずに気付いて笑い始めた。


 掲示板に黙々と書き込んでいた自分は、その謎の盛り上がりにようやく気付き、チャット欄を見返した。

 最初はいつも通り、静かだった。突然、チャット欄の空気が変わっている。

 なごやかな空気を凍らせたのは、TKGの「ケータ」だった。

 ゲームIQも高く、場を笑わせる能力もある。負けられないと思った。



 そんな事を掲示板に書き込んでいると、コアタイムの時間だ。

 私は早速、今日出現したばかりの北の塔に向かう。


 街の北門を抜け、北の平原を最速で通り抜け、「北の塔」の前にたつ。

 うっすらとツタの緑を身にまとう緑の塔を見上げた。


 今日はとても慎重にゆっくりと、門に反応されないようにゆっくりと近づいた。

 門もゆっくりと開いていった。現実世界の自動ドアの仕組みとは違うみたいだ。

 門の右側を見ると「Ro」と書かれている。


 部屋に入ると、色の違うタイルがいっぱい並ぶ広い空間だった。

 今回の罠は、回転床「Rotating platform」に違いない。


 回転床なんて、ゲームで見慣れている。きっと簡単だ。問題ない。そう思ってた。

 でも、実際にやってみて気づいた。これは非常に難しいトラップだ。


 この部屋は、タイルが回転するだけでなく、迷路のように壁がせりあがってくることがある。

 そして、回転しているうちにどちらに向かえばいいかわからなくなってくる。

 くるりくるりと回るうちに、だんだん画面酔いも起きてくる。


 そんな迷宮を努力と根性で切り抜けて、最上階まで抜けていく。


 緑色のドラゴンを、瞬殺して、ハート形の緑色のクリスタルに触れる。

 不思議な光が、装備していた、剣、鎧、盾と共鳴し、技を授かった。



 そういえば、今日の新聞を読み忘れていたことに気が付いた。

 昨日の南の塔の最速攻略は、我が同盟だった。

 皆が、加速ドリンクをがぶ飲みするのなら、人数の多い我が同盟の方が有利だ。

 TKGよ。よく頑張ったが、ここまでだ。


 TKGと言えば、一人メンバーが増えていた。

 新規メンバーの名前は「ごはん」じゃなかった。「AYATO」だった。

 我々解析班の予想が外れた。少し残念だ。

 それに、一人メンバーの名前が変わっていた。


「TA」TAKASHI

「マ」マリオ

「ご」ごーや

「K」KOJI ←カージから変わった。

「A」AYATO ←新規

「ケ」ケータ


 残念ながら、今回の追加メンバーでは、卵かけご飯は完成しなかった。

 私は、夜食としておいしく食すことにしよう。


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