表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
LAST GAME  作者: よむよみ
第四章 魔王の秘密

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/59

第二十九話 初日

 10月1日(月)21時頃。


 私は昨日に引き続き、長浜城の最上階にて書記担当をしている。


 昨日投稿した「魔王降臨」サーバーの初回投稿は概ね好評だった。

 けれど、総裁、副総裁には真面目に書けと怒られてしまった。

 自分的には顔色までわかるようにしたつもりだけど、ダメらしい。

 何がダメだったんだろう、今日はもっと丁寧に記事を書こうと思う。


 今日から、我が同盟にて「魔王降臨」サーバーの攻略が始まる。

 攻略に先立ち、事前にログインしてみた。

 昨日まで情報をたくさん受けていたが、やはり実際にログインしてみると、いろいろと分かることがある。

 百聞は一見に如かずというやつだ。


 まず第一に、オープニングが無かった。

 気のせいかと思って、新聞屋まで行ったが、オープニングの新聞は無かったから間違いないだろう。

 通常、この世界の目的としてオープニングを簡単にまとめた新聞が売られているはずだが、無かった。

 そこまで意識する事でもないのかもしれないが、少しだけ違和感が感じられた。


 二つ目は、職業として「暗殺者」が実装されていた。

 文字通り、暗殺――プレイヤーキルができる職業だ。

 この「LASTGAME」では、基本的にはPKプレイヤーキルは出来ない仕様になっている。

 もちろん、例外的にPKプレイヤーキル可能なサーバーもあった。

 このサーバーでは、さらに例外的に「暗殺者」にだけ、PKプレイヤーキルが許されているようだ。

 ただし、PKプレイヤーキルしたプレイヤーは敵キャラクター扱いとなり、24時間多くのプレイヤーから狙われ続ける事となる。


 他の職業は、攻撃力や防御力にボーナスが付いたりするが、暗殺者にはボーナスは無いようだ。

 その代わりに、経験値取得にボーナスが付いている。

 同じ量の経験値を稼いだ場合、暗殺者の方がレベルが高く強くなるってことだろう。

 とは言え、一人では多勢に無勢。狙われたらひとたまりもない。


 ちなみに、掲示板の「はじめに」にも記載してあるが、我が同盟ではPKプレイヤーキル禁止だ。

 だから、我が同盟のプレイヤーで暗殺者を選ぶプレイヤーはおそらくいないだろう。

 それに、我が同盟は、治安維持活動もしている。

 PKプレイヤーキルしないだけでなく、PKプレイヤーキルをしたプレイヤーを決して許さない。

 周囲の同盟からは、優しくそして敵に回したら恐ろしい同盟として知られている。


 事前のログインの試行が終わって、長浜城に戻ってくると、様々なサーバーの同盟チャットが騒がしい。

 サーバー初日は、多くのコメントが飛び交うものだ。

 特に多いコメントは、モンスター情報。

 発見場所、経験値、HP、戦った所感の情報がずらりと並んでいる。

 サーバーごとに効率のいい経験値稼ぎの場所を探すために、我が同盟の解析班が調査してくれている。

 私は、その情報を取捨選択し、掲示板に記載する書記。

 だから、初日はとっても忙しい。


 今日も解析班のおかげで、あらかたのサーバーのモンスター情報が出揃い、経験値稼ぎの場所が特定されていた。

 それを掲示板に記載しほっと一息ついていると、総裁のケンイチと副総裁のモールが戻ってきた。

 時計を見ると、22時。今日のコアタイムは終わったようだ。


( - ω-)y─┛~~      VS         (-_- )

               ファイッ カーン


「やはり解析班は優秀だ。大量に経験値が手に入った。

 明日の新聞は期待できるのではないか?」


                                 「……」


「んっ?何か問題でもあったかな?懸念事項があるのなら、言いたまえ」


       「はいっ。どうやら、もっと経験値の多い場所があったようです」


「なにっ?解析班の仕事にミスがあったというのか。なんてことだ。減給だ」


「いえ。それが、そのモンスターはコアタイムにしか出現しない仕様のようです」


「ふむ。今日がこのサーバー初日。

 初めてのコアタイムなのだから仕方がないということだ。

 しかし、その情報は他の人たちには知られていないのだろう。

 やはり解析班は優秀だ」


            「いえ、それが、それに気づいたのは解析班ではなく、

                   ただの通りがかった同盟員のようです」


「ほう。解析班でもなく、気づいたとはなかなかやるではないか。

 では解析班に加わってもらおう。

 ちなみに、どうやって気づいたのかね」


 「はい。他のチームが集まって狩りをしているのを見て、気が付いたそうです」


「なに?我が同盟の解析班も知らない情報を知っていたとな。

 そのチームは以前からこのサーバーにいたということか?」


   「いいえ、どうやら、魔王降臨サーバーでみかけたのは初めてのようです。

              解析班にも確認いたしましたが間違いありません。

                  今までは、他のサーバーにいたようです。

         他のサーバーでの活躍であれば私も時折目にしておりました」


「では、初見で経験値稼ぎの場所を発見したというのか」


                      「はい。そのようでございます」


「我が同盟の解析班をも上回る。

 我が同盟が最大勢力と思っていたが、規模の大きい新興勢力か?」


       「いいえ、暗殺者2、僧侶、魔法使い、戦士の計5名のチームです」


「ふむ。たった5名ながら侮れん。ちなみにチーム名は何という」


    「はい。TKG。このゲームをつい最近始めたばかりのチームのようです。

              解析班によると、彼らのコアタイムは21時~22時。

                     他の時間の目撃情報はありません」


「TKG。お腹の減る名前だ。少ない人数ながらもやるようだ。

 我々も負けてられんと皆に伝えよ」


                        「はっ。かしこまりました」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ