第二十六話 最終日
今日は日曜日、ゲームは今日が最終日だ。
自分のサーバーは21時からだが、今日は朝から他のサーバーを見ていた。
月曜日から始まって日曜日に終わるサーバーが多い。
エンディングはお休みである日曜日にして、できるだけ多くの人に参加してもらいたいからだろう。
一週間で終わるようにしたのは、小説としての都合だ。
季節の変化が多すぎるとテンポが悪くなって退屈しそうだからだ。
WEB小説たるものテンポが重要なのだ。
作者は、もしこういうゲームを作るのなら実際は3か月単位になるだろうと想像している。
学生向けの勉強サーバーもあった。洋風、和風、魔界、妖怪風、いろいろなサーバーがあった。
どのサーバーにも工夫があった。
どのサーバーもエンディングは盛り上がっていた。
多くのサーバーはクリアしていたが、いくつかのサーバーはBADエンドとなっていた。
BADエンドを迎えたサーバーでは、人数が不足していたのかな、あの攻略が足りなかったのかなとか考え合っていた。
どのサーバーもとても楽しそうだった。
このゲームは、すごいと思った。
全てのストーリ、イベントをできるだけ汎用的に作っているのだろう。
だから、修正が簡単なのだ。個人でもゲームが作れるんだ。
――欲しいものが無いのかい。なら……。
青い猫型ロボットが一瞬見えた。
21時になった。全体チャットでのプレイヤーのカウントダウンと共に、エンディングが始まる。
盛り上がりは、どのサーバーもほとんど同じみたいだ。
オープニングで王様が言っていた通り、ドラゴンが現れる。
言葉にすると大したことないが、緊迫感あふれる音楽に少しドキドキする。
赤くて巨大なドラゴンだ。
観戦者のお祈りのターンは、他のサーバーと同様だったが、ここから先少し違った。
観戦者の中の農民だけがピックアップされて表示されて、最も稼いだ農民が画面に映る。
そのプレイヤーは「やったー!」とコメントした。
勇者達とドラゴンの戦いの前に、町の人たちの表彰式が行われているようだ。
続いて、薬師の表彰が終わり、鍛冶屋のターン。
画面に鍛冶屋のプレイヤーが表示されている。もちろん背の低いドワーフがいる。俺のキャラクターだ。
ドラゴンの攻撃と共に少しずつ減っていき、最後にドワーフが残った。
まるで、パチンコみたいだ。パチンコよりも興奮した。パチンコのようにお金はかからなかった。
何かコメントを残さないといけなかったが、興奮していていい言葉は思いつかない。
「か~~じや~~」と謎の自分の職業を、花火を見ている時みたいにコメントした。
少しだけ、恥ずかしかった。けれど嬉しかった。
そして、続いて、勇者たちとドラゴンの戦いになった。
勇者の抽選のターン。魔法使いのぐーやが選ばれた。
俺の作った、「神の杖+200」を装備していた。
最大火力として選ばれたようだった。
ぐーやは「ケータさんありがとう!!!」と言っていた。
いいコメントだと思った。
そして、そのコメントと共に、ドラゴンは倒れ、消えていった。
軽いエンディングムービーの後、最後に文字が大きめに表示された。
「ForT」このサーバー名だ。
そして、少し間をおいて、その名前がゆっくり変化する。
「For Town People ~町人、観戦者のために」
このサーバーは観戦者のために作られたようだ。
――欲しいものが無いのかい。なら、欲しいものを作ればいいんだよ。○○タ君
青い猫型ロボットの声が、はっきりと聞こえた気がした。
○○タには、もちろん、俺の名前のケイタが入る。
でもわざわざ作者は○○タにしている。不思議だ。
そうだ。作ればいいんだ。
町人、観戦者用のサーバーが無いなら作ればいい。
時間が取れないなら短時間で遊べる用のゲームを作ればいい。
一日一時間までなら一時間用のサーバーを作ればいい。
欲しいものが無ければ、自分で作ればいいんだ。
やりたいことが無ければ、自分で作ればいいんだ。
LASTGAME、ここに俺のための猫型ロボットがいた。
やりたい事、やれる事が一気に増えた気がする。
やりたい事が渋滞している気がする。
試しに、まず一つ目をやることにした。
加入申請。もちろん、相手はチームTKG。
「た」「ま」「ご」「か」「け」のケイタ。
入れてもらえる気がした。
「LASTGAME」
最後のゲームだなんてとんでもない。
いつまでも続くゲームの始まりだ。
第三章はこれで終わりです。
第四章の構想はあるのですが、一旦他の作品を書こうと思っています。
続きはしばらくお待ちください。。。




