第二十話 初日
そうして、俺の華々しい初日が始まった。
「俺の腕を見せてやろう。よし鍛冶をしよう」
と思ったものの、何をやるかいまいちわからない。
新聞を読むといいですよ、という言葉を思い出す。
新聞屋でどんな新聞が売られているか見てみる。
新規鍛冶屋用の新聞が売られていたので、100GCで買って読む。
ログインボーナスは200GCなので割と高額に思えた。
鍛冶屋には自宅が用意されており、自宅で鍛冶が可能らしい。
ちなみに帰宅のショートカットキーはhomeの「h」キーだ。
そして鍛冶台に向かってクリックして鍛冶用アイテムを選択すると、鍛冶ができるらしい。
「試しに、お試し鍛冶アイテムを鍛えてみよう」
「お試し鍛冶アイテムはみんな一つずつ持っているよ」
と書かれていた。さっき渡されたのはこのお試し用アイテムだった。
自分も最初に一つ持っていたから、計5つ持っていた。
21時になった。急にギルドからプレイヤーがいなくなった。
皆、冒険に向かったみたいだ。
自分も自宅に戻って鍛冶をしよう。
どんなリズムゲームかは新聞にも軽く載っていた。
初めてだけれど、アイテムは5個もある。5回もチャレンジできる。
気軽にできた。それがよかったみたいだ。
鍛冶を始めると、画面が切り替わり「3、2、1」のカウントダウン。
ゲームが始まった。
上から落ちてくるタイミングに合わせて、落ちてきた文字を打ち抜く。
タイピングとリズムゲームを組み合わせたようなゲームだ。
落ちてきたぎりぎりを狙うと高得点、失敗すると減点。
そのあたりはよくあるリズムゲームと同じだと感じた。
タイピングにも自信あり。よし、高得点を狙おう。
「かん!」「かん!」「かん!」と高音が響く。
昔はもっと難しいリズムゲームを極めていたのだ。
この鍛冶のゲームは、RPGのミニゲームとして、デフォルメされていて割合簡単だった。
「とん?」「ちん?」「かん!」
ただ、時々とんちんかんな音も混ざってしまった。
やはり、空白の期間は腕を鈍らせる。
5回の鍛冶が終わった。
昔ほどの出来栄えとは言えないが、久しぶりにしては上等な気がした。
「お試し鍛冶アイテム」は「最高級マント」になった。
うまくいくと+数値がついて、+補正が受けられるようだ。
作成したマントは+52~+58の補正がついていた。
現実の世界では「かん!」でも「とん?」でもマントができるわけはないが、まあゲームなのだ。
きっとそういうものなのだと思うことにした。
「最高級マント+55」のアイテムにカーソルを合わせると、効果が表示された。
効果は、防御力20、スピード補正+15.5%、防御補正+5.5%。多分上出来だ。
22時になった。5回の鍛冶で1時間ほど費やしてしまったらしい。
ギルドに戻った。
マリオやTAKASHIが戻ってきていた。ごーや、カージというプレイヤーも一緒だった。
4人そろって、TKGというチームを組んでいるらしい。
夕飯食べた後なのに、少しだけお腹が減ってきた。
軽い飯テロだ。あとでポテチでも食べよう。
作ったマントを渡したら、非常に喜んでくれた。
「すげーw」「最高級じゃん!!」「しかも+58って!!!」
「ありがとうございました!!!」
喜んでくれて、自分も鼻が高い。
まあこんなもんですね。私、神なんで。
もちろんそんな言葉を口にするはずはない。
「いえいえ大したことないですよ」
実際はそんな言葉をチャットしていたはずだ。
自分も「最高級マント+52」を装備してみた。
マップでの動きが早くなった気がする。素晴らしい!
マリオは「もしよかったら明日も作ってください」と言って、オリハルコンを渡された。
彼らは、今日、オリハルコンを取りに行っていたようだ。
大した時間ではないけれど、だいぶ楽しめた。続きは明日にしよう。
おやすみなさい。




