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LAST GAME  作者: よむよみ
第二章 新米教師は妄想爆発中

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18/27

おまけ 妄想は続く

今日は入学式。少しドキドキして教室に入る。

この高校は進学校。残念ながら、自分の中学からこの高校に進学した人は他にいなかった。


まわりはすでに少しずつ打ち解けているみたいだ。

元から友達だった人も多いのだろう。

自分は、少し出遅れたみたいだ。


まわりを見ていると、高校生らしい気がした。

高校生に初めてなったから、高校生らしいなんてわかるわけがない。

けれど、中学生の時思い描いていた高校生って感じがする。

きゃぴきゃぴして、少しだけ大人で、でもまだ子供。

私には、皆、とても魅力的に見えた。


私は、本を読むことにした。


帰り道、同じ学校の生徒と電車が同じだった。

うちの高校の制服を着ていたからすぐわかった。

ちらりちらりと横目に見ていると、同じクラスの隆志だった。

隆志が降りるとき、一瞬目があった気がした。

私も急いで降りた。同じ駅で降りた。家は近いのかもしれない。


次の日、伊達眼鏡を買った。高校生のお小遣いなんてたかが知れている。

とても安い伊達眼鏡。黒くて太いフレームが、値段相応のダサさを醸し出していた。

ただ、自分の視線を少しだけ隠してくれている気がした。

その日から、私の高校生活の必需品になった。


隆志も初めは独りぼっちだった記憶がある。

でも今は、3人でつるんでいた。普通の高校生だった。輝かしい高校生だった。


二学期になって、新しいゲームを始めたみたいだ。

本を読んでいると、攻撃力や防御力、敵という単語が時々聞こえてきた。

RPG。ロールプレイングゲーム。

普段ゲームをやらない私でも、おそらくRPGだという事はわかった。

私は、本を読みながら、どんなゲームなんだろうと耳を傾けてた。


「真理子さん。今ちょっと時間いい?」

そんな隆志に初めて声をかけられた。

少しだけどきどきした。

隆志だってどちらかというと人見知りのはずだ。攻撃力は高くないはずだ。

でも、一学期中誰とも会話しなかった私の防御力はそれ以上によわよわだった。

だから、効果は抜群だ。

目は口程に物を言う。安くてダサい伊達眼鏡は、私の気持ちを隠してくれた。

普通の眼鏡より、少しだけ防御力が高かったみたいだ。

私への攻撃を軽減してくれた気がした。


そんな隆志が、今、私の家にいる。


――


「さわりたいの?さわってみる?」そう言ってMARIKOは俺に近づけてくる。

TAKASHIはMARIKOの家に来ていた。この時間は誰もいないらしい。

MARIKOの言葉に、TAKASHIはちょっとどきどきしながら触れてみた。

やわらくて、丸みを帯びていて、ふわふわしていた。

触っていると温かい体温を感じる。

それに、呼吸に合わせて体を上下させていた。

少しびくっとした。

「手を温めてからの方がいいかも」

TAKASHIは手を自分の体で温めなおしてから、再び触った。

「優しくしてね」


とてもかわいい猫だった。触り心地がよかった。

MARIKOはペットを飼っていた。


この国は少子化が進んでいるらしい。

その代わりに、犬や猫、ペットを飼う人は少しずつ増えている気がする。

人間の赤ちゃんの代わりに、犬や猫が増えているのだ。

人間の子供を、犬や猫が保管しているのだ。

ペットたちによる人類補完計画だ。


人はこのかわいさに騙されてはいけない。補完計画は断固拒否だ。

負けてはならない。人類のために。


TAKASHIは不意にMARIKOの名前を呼んだ。

ガバッ「きゃー。TAKASHI。そうよ、ペットたちの補完計画なんてつぶさないとだめよ」

「でもでもでもでも、あなたたちは高校生よ。まだ早すぎるわー」


新米教師の妄想は、今日も敵を作っていた。ペットやその飼い主だ。

でも今日の敵はあまり恐ろしくなかった。

ペットやその飼い主たちは満たされているから、とても心が寛大なのだ。

だから今日は問題なかった。


新米教師は、自身の妄想でいつも一喜一憂している。

妄想豊かだと心の浮き沈みが激しくなるものなのだ。

新米教師の日常は、今日もいつも通り進んでいく。

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