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LAST GAME  作者: よむよみ
第二章 新米教師は妄想爆発中

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第十四話 心の洞窟

今日は木曜日。ちなみにチームTKGは昨日攻略に失敗してた。

国語をテーマにした「心の洞窟」だ。


数学をテーマにした「知力の塔」は、難なく攻略してた。

だからきっと大丈夫だろう、彼らはゲームIQは高いし賢いし、と思っていたが駄目だった。

TKGは男3人組、一般的には男は理系脳と言われる。

「ちょっと難しくしすぎたのかな……」

テストプレイはしていない。というか個人でそこまで精度の高いゲームはつくれない。

きっと多くのプレイヤーがクリアできるだろうという想定でゲームを作っているものの、

乱数であったり、自分自身やプレイヤーの得意不得意で大きく認識に差が出ることはあるのだろう。


「大丈夫かな……」

この手の無料のゲームは、少しでも失敗すると、やめてしまう人が多い。

小説サイトもそうだ。少しでもつまらないと先を読んでくれない。ぴえん。

だから、少し心配だった。もう来ないかもしれない。


そう思って見ていたら、今日もちゃんと来た。

新しいプレイヤーも増えていた。MARIKOというプレイヤーだ。

コアタイムにみんな揃って4人で、再挑戦してた。

ちょっと嬉しかった。

「しかも女の子とは。TKGもなかなかやるのぉ」

妄想が膨らんでいく。


――


「失敗したな」

「ああ、失敗だ」

「まさか、ゲームで慣用句の問題が出るとは思わなかった」

「いや、見たことある慣用句だった。多分難易度はそんなに難しくなかった。

どちらかというと、3人もいて全員解けないとは思わなかった」

ぐーやとコージの会話をTAKASHIは頷きながら聞いていた。

「で、どうする?他のサーバーに移るか。他にも面白そうなのもあるし」

ぐーやの言葉にも一理あった。でも……。

「あきらめるのは、何となく嫌だな。何か方法探したいな」TAKASHIはぽつりとつぶやいた。

「じゃあ、どうするんだよ。短期間で国語勉強しなおすのは難しいよ」

いい案はまだない。今は休み時間中。他の生徒はまばらだ。

何気なく教室内を見渡した時に、ふと目に入った。

一人で本を読む眼鏡の女の子。MARIKOだ。

この学校には友達がいないのだろうか、あまり他の生徒との会話を見たことが無い。

「チームってもっと増やせたよな……」TAKASHIはMARIKOの方へ目線を送りながら言った。

「ああ。10人ぐらいまでなら問題なく増やせる」

「ちょっと聞いてみる。俺らが勉強するよりできるやつ探した方がいいだろ」

「うん。まぁそうだけど。うまくいくか?」

「あきらめるぐらいなら声をかける」

「う~ん。まあまかせる」ぐーやは否定しなかった。その様子をコージは黙って見てた。


「MARIKOさん。今ちょっと時間いい?」TAKASHIは声をかけた。

「えっ。あっ。はい」

「俺ら今、LASTGAMEっていうゲームやっているんだけどよかったら一緒にやらない?」

「あー。ちなみに。どんなゲームなの」

それからTAKASHIはLASTGAMEの魅力を語った。

そして、今国語がテーマの「心の洞窟」で行き詰っていて、俺らでは国語力が足りない。

だから、君の力が必要なんだ。


――


「君の力が必要なんだ」キラッ。


きゃーー。きっとこんな感じだったんだわ。

一人二役で実演してたけど…、なんか少しキュンとしてきた。

やっぱり高校生って青春だわー。


というのは置いておくとして、実際にはこんな感じね。


――


「よかったら一緒にやってみない?」

「えっ。でも私、自信ないよ。ゲームとか全然やったことないし。

国語も別に得意でもないし。本とか暇つぶしで目を通しているだけで」

「じゃ、暇だってことだよね。ちゃんと俺たちが教えてあげるから大丈夫だよ」


――


今は、「心の洞窟」の攻略中だ。

MARIKOはゲームにまだ不慣れなのか、ほとんど動けていない。

でもその代わり、昨日自信なさげだった彼らは、今日はきびきび動いてた。

きっと、音声で会話して、指示しているのね。


うん。調子よさそうだ。これならクリアできるのだろう。

さすが、MARIKO。チームを救った。


しばらくして、チームTKGは、「心の洞窟」を攻略した。


おめでとう、私は心の中でつぶやいた。

でも、MARIKO、明日も来てくれるかな?

助っ人として来てもらったのだとしたら、明日も来るかどうかは五分五分だろう。

それに、いま気が付いたのだけれど、チームTKGのメンバーの名前が変わっていた。

カージにごーやになっている。


TAKASHIの「た」

MARIKOの「ま」

ごーやの「ご」

カージの「か」


このチームは、いよいよ卵かけご飯を目指すようだ。

ごーや、さすがにお野菜にされて文句なかったのだろうか?

個人名よりチーム名を優先する感覚、きっと男子高校生独特だわ~。


んっ?まてよ……。とすると妄想も少し方向性が変わるのかしら??


――


「TAKASHI。今日はありがとう。楽しかった」

「ああ。俺も楽しかった。それにMARIKOがいてくれて本当に助かった」

「ふふっ。でも、なんで私を誘ってくれたの?

“ちか”の方がゲームもうまいし、頭もいいと思うよ。……もしかして私のこ……」

TAKASHIはMARIKOの言葉に気付かず、答えた。

「あー。ぐーやがさ。俺らTKGだからって。誘うならMARIKOにしろって。

“ちか”だとTKGにならないじゃん」

「なあんだ。残念」

「えっ。残念って」

「ううん。何でもない」


――


だめだ。このパターンだと、明日は来てくれない。

TAKASHI。もっと頑張れ。もう一押しだ!


――


「じゃ、次もよろしく」

「えっ?一回きりの助っ人じゃないの?私、参加してもいいの?」

「ん?というか俺たちもう、友達じゃん」


――


偉い。でももう一歩押しが弱い。やっぱり五分五分か?

だめだ、ここから先、MARIKOの思考は読めない。

女心はなんとやらというやつだ。どっちもあり得る展開だ。


明日も来てくれるかな?


次の日のコアタイム。MARIKOは参加していた。

「いいとも」という観客の声が聞こえた気がした。


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