表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
LAST GAME  作者: よむよみ
第二章 新米教師は妄想爆発中

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/17

第十二話 高校生向け学習用サーバー

21時のコアタイムになってそれなりの人数の人が、サーバーに入ってくる。

こういう時は全体を見ようとしてはいけない。

個別のユーザーに注目する方が楽しい。


私は、TKGという変わったチーム名の人たちに注目した。


チーム名はTKG。ユーザー名は、TAKASHIにコージにぐーや。

みんな変な名前だ。どうやらチーム名は3人のイニシャルみたいだ。

バランス悪そうに見えるけれど、ローマ字に平仮名にカタカナ、意外とバランスとれているのかしら。


サーバー製作者には、そのサーバーに入ったユーザーと時間の記録が公開されている。

もちろん、プライバシーの観点から個別チャットや音声などは全て非公開にされていてわからない。

いくら社会人なりたての私だってプライバシーって言葉ぐらいは知っている。


ログイン時間を見ると、16時ごろに一度ログインしている。

きっと放課後にみんなでログインしてみたのだろう。

おそらく、高校生に違いない。名前からして仲のいい男子高校生ね。

そして、彼らが高校生であるなら、チャットや音声が無くても問題ない。

なぜなら私には、彼らの考えていることぐらいわかるからだ。


なんてったって、私は、3年間も高校生だったのだ。

  ――この国では割と一般的。

それについ最近まで高校生だったのだ。

  ――4年間の大学生活は?すでに忘れたのか?

今だって目の前の高校生たちと仲良くしているのだ。

  ――ただ先生なだけ。友達ではない。

心の中はいつまでもきゃぴきゃぴ。永遠の17才なのだ。

  ――大人になれないだけ。

たぐいまれなる私の力、妄想力を使えば、この子たちの声はわかるのだ。

  ――ただの妄想女。乙。


なんか、心の中で突っ込みが聞こえてきた気がするが気にしない。

今日も高校生たちの心の声を聞き取って見せる。


「なんか、高校生向けのサーバーがあるらしいよ」

「へぇー。どんなサーバー?」

「遊んでいると勉強ができるらしいよ」

「ふーん。英語も勉強もできるんだ」

「ああ、理科だって社会だって身に着く」

「あんなことだって、こんなことだって、えっ、こんなことも?」

「すごいなこのサーバー」


――ビズリーーー……。


何か一瞬、黒髪ショートの美しい女優の魂が私に乗り移ったような。

CMは時々、私の思考を乗っ取るから危険だ。

最後まで口にしていたら、また敵が増えるところだった。

私のような下々の人間は、CMを出すような大企業様にはひれ伏すしかないのだ。

でも、今回は最後まで口にしていないからセーフよね。


「なんか、高校生向けのサーバーがあるらしいよ」

「へぇー。どんなサーバー?」

「遊んでいると勉強ができるらしいよ」

「じゃあ、それにするか」

「いいんじゃない。結構新しめのサーバーっぽいし」

実際は、どうせこんなところだろう。

私が、高校教師だからわかる。

実際の高校生はいつもきゃぴきゃぴしているわけではないのだ。

普段はとても落ち着いている。


そう、私は、高校生向けに勉強ができるゲームを作ってみた。

もちろんいつかは、ストーリーが感動的な作品を作りたい。

でもまずは、駄作を投稿することだ。

駄作を公開することによって、吹っ切れていい作品が作れるようになるのだ。

いいものを作ろうとしすぎていると縮こまってしまうのだ。

時には、ダメな作品も公開する必要があるのだ。


でも、気に入ってもらえるといいな。


チームTKGは、初日の今日は、いろいろな場所を探索しているみたいだ。

経験値の高いモンスターやいいアイテムをドロップするモンスターを探しているのだろう。


ガチ勢は、コアタイム前に効率のいい場所を事前に把握して、コアタイムでは鬼のように作業者になる。

その点、チームTKGは、惑わされない王道の楽しみ方をしているように思った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ