表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
初恋泥棒のホスト様  作者: 男鹿七海
15/20

間(あわい)

 三条は久しぶりにホストクラブに来店していた。この眩しさも相変わらずだ。

 キャスト二人が別の席にヘルプで呼ばれ、三条の席に来たのは龍夜と零だった。残っていたもう一人のキャストも別の席に移っていった。


「妹ちゃんさっき振りだね」


「さっきはありがとうございました。珈琲美味しかったです」


「何だ、お前等プライベートかアフターで会ってたのか」そう言う一瀬の目は刺すような目付きをしていた。


「女の子と別れた時に偶然会って、お茶してただけだよ。あ!もしかして、龍夜ってば嫉妬?」


「誰がこんなクソガキに嫉妬なんかするかよ」一瀬は鼻で笑いグラスを傾ける。(…何だ?何でこんなに胸がざわついてんだ?)


 一瀬の中で理解が出来ない感情が芽生え始めていた。


「れ、零さん!カフェ代申し訳無いので、お礼にボトル入れますね」


「俺は男としての行動をしたまでだけど、妹ちゃんからのボトルは大歓迎だよ」


「龍夜お兄ちゃんにもボトル入れるね」


 三条は一瀬に軽く微笑みを向ければ、返事は無いが、勝手にしろと言わんばかりの表情をしていた。


 ★


 三条は閉店まで滞在していた。

 店を出た後、壁際に寄りかかりしゃがみこむ。飲み過ぎたせいか、うつらうつらとしていた。


「──ろ。」

 誰かの声がする。誰かは分からない。

「──おい、起きろ」ぞんざいに肩を揺する。「…チッ」


 三条は眠りの世界に入ってしまっていた。

 男は仕方無く三条を背負い込み、家路へと向かう。


「ん…」


 男の背中から声がした。


「あんなとこで寝てんじゃねぇよ」


「あれ、お兄さん…。ごめん、一緒に帰ろうと待ってたら寝ちゃってた」


 目を開けはしたが、意識はまだ浮ついていて、直ぐにでも瞼が閉じてしまいそうだった。


「──阿呆だろ」そう吐き捨てて、言葉を切った。


「俺ね──お兄さんの事、好きかもしれないんだ。初恋なんて経験無いからよく分かんねぇけど」


 冗談みたいな夜に、似合わない言葉だった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ